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口コミ情報

いろいろと思うところはありつつもそれは一旦横に置き、私は、


「山下さんと沙奈子さんが気に入ったというのは、私も興味をそそられました。一度、利用させていただきたいと思います。連絡先を教えていただけますでしょうか?」


と問い掛けさせていただきました。


それに山下さんは少し驚かれた様子になりながらも、


「あ、はい。ブログから予約できるそうなので、ちょっと待ってください」


テーブルの上に置かれたノートパソコンを操作して旅館のブログを表示させ、私に見せてくださいました。


「すいません、それでは少しお借りします」


私はそう断りながらブログ内の予約申し込みのページを表示させ、そのまま予約を行ったのです。


「イチコや千早と寛ぎに行きたいと思いまして。


私の別荘でもいいのですが、スケジュールの調整がなかなか……」


そうです。私の家の別荘は、両親がお客様を歓待するための施設でもありますので、半年先まで予約がほぼ埋まっている状態で、思い付きですぐに利用するということができないのでした。


そこに、集客に悩んでらっしゃって、しかも山下さんや沙奈子さんが気に入るような旅館と聞いてピンときたのです。


「今回は千早と二人ということで予約しました。日帰り入浴プランの本格導入は十二月からなのですね?」


山下さんが話された内容を改めて玲那さんに確認します。ブログの方にはまだ記されていませんでしたが、その旅館の従業員の方が玲那さんの御友人の一人で、それゆえの伝手もあって、公式にはまだ発表されていない情報も教えていただけたそうです。


『うん、紅葉シーズンはまあまあ予約も入ってるから宿泊優先になるけど、今はお試しってことでやってるって』


玲那さんのメッセージが画面に表示されます。


これはおそらく、口コミによる情報拡散を期待したものでしょうね。それが見事に、別荘の代わりに気軽に利用できる施設を求めていた私に届いたということでしょう。


「私としましてもまずは下見という形で行かせていただこうと思います。もしそれで上手く噛み合うようでしたら、ヒロ坊くんやイチコやカナやフミとも利用させていただきたいですね」


『そうしてもらえたら美穂も喜ぶけど、若い子には正直、地味かな~』


「いえ、私としましては落ち着いた雰囲気の方がむしろ好都合です。あくまでリラックスすることを目的にしてますので」


そうです。私はリラックスできる環境を求めているのです。となれば、騒々しい環境は望みません。かつ、千早の目で見ても問題がないかを確かめに行こうと思ったのでした。



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