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レポート

「いや~! 堪能した!」


「だね~♡」


「ほっこりほかほか~♡」


カナとフミとイチコがそう言いながらリビングへと戻っていくのに続いて、私も千早を伴ってリビングへと戻りました。もちろん、絵里奈さん、玲那さん、沙奈子さんも一緒です。


「あ、じゃあ、僕達もお呼ばれしようか」


リビングでテレビを見ていた山下さんがヒロ坊くんに声を掛け、


「うん!」


と彼も応えて、私達と入れ替わりに露天風呂へと向かいました。


それを見送ると、やはり少し残念な気がしてしまいます。


私は確かに、ヒロ坊くんと一緒に入りたかったのだと改めて思い知らされました。


しかしそんな私の感傷とは関係なく、


「よっしゃ~っ! 対戦だ~! やるぞ~っ!!」


カナが声を上げ、リビングに備え付けられたゲーム機を起動させました。百インチのテレビにゲーム画面が表示されると、


「私も私も~っ!!」


千早が飛び付くようにしてコントローラーを手にし、素早く用意をします。


私は興味はないのですが、外国のお客様にも日本のゲームに興味を持たれてる方はいらっしゃって、その為に、有名どころだけではありますが、かなりの数のタイトルが揃えられています。千早くらいの年齢の子であれば十分に満足のいく品揃えではないでしょうか。


カナとイチコも、それなりにゲームは好きです。フミは二人ほど関心があるわけではないですが、私ほどは興味が無いわけでもないようです。


なのでそのまま、ゲーム大会が始まってしまいました。


私としては千早達が楽しんでいただけたらそれでいいので、ソファに座り、パソコンでレポートの作成を始めました。


<レポート>とは、玲那さんの事件と、カナのお兄さんの事件の詳細についてまとめたものです。玲那さんの事件については既に判決が確定して全て終わっているのですが、カナのお兄さんの事件の方は裁判が現在進行形ですので、当分、完結しそうにありません。


ですので、今は玲那さんの事件についてまとめているところです。


ただし、万が一、このレポートが何らかの形で流出した場合も想定し、固有名詞については仮のものに差し替えてありますが。


現時点では私が後々読み返して参考にする為に編纂していますので、他人には意味不明なものでも構わないのです。


しかし同時に、私が来年、志望校の<特色入試>を受験する際に提出することも視野に入れていますが。


カナ、千早、イチコと一緒にゲームに興じてらっしゃる玲那さんには、既にそのことはお話してあります。彼女も、


「私のことがピカの役に立つのならいいよ。ピカには本当にお世話になったからさ。少しでも恩返しできたらって思う」


とおっしゃってくれていたのでした。



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