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16. 解答タイム

 ブザーが鳴り響いた。声がする。


「これより解答タイムに入ります。尚、ここからは今までのような話し合いはもちろん発言も出来る限り控えてください。それではひとり目の方どうぞ」


 エレベーターの扉が開いた。




 俺たちは一斉にランプを見た。ランプは赤く光っていた。中山、高井、そして長山も奇妙なほど嬉々とした表情を浮かべていた。




 そして、長山は勢いよく立ち上がりオーケーサインを作った。中山はそれを見て勝ち誇ったように笑った。しかし俺は違う。


 いくらなんでもそれはそれはおかしくないか?


「エミちゃん!」


 俺は立ち上がり叫んだ。長山が驚いたように振り返る。長山だけじゃない、中山も高井も驚いた顔で俺を見ている。そして、俺は長山に向けてペンを投げた。長山は驚きながらもしっかりと右手でキャッチをした。そして俺は確信する。しかし、もう遅い。


 長山は一度首を傾げて、そのままエレベーターに乗った。高井と中山も首を傾げていた。だが、俺にはもう説明することはできない。俺はもうただ黙って俯くしかなかった。


 長山は電話にむかってなにかを話す。そしてゆっくりとエレベーターは動き出した。下がり行くエレベータから長山は満面の笑みで俺たちにピースサインを向けた。本物の長山はあんな性格なのかとぼんやりと思った。消えたエレベーターはすぐに戻ってきた。


 中山が軽快に立ち上がりエレベーターに乗る。そして電話に向かって誇らしげに話す。またすぐにエレベーターが動き出し下に降りていった。中山は残された俺と高井に嬉しそうに手を振っていた。


 少ししてエレベーターは戻ってきた。


 高井は嬉しそうに立ち上がり、エレベーターに乗る。同様に電話にむかってなにかを喋る。そしてやはりすぐにエレベーターは下に降りていった。高井は何度も何度もガッツポーズをして、最後に思い出したように俺に拳を突き出し親指を立てた。


 俺はそれを黙って見ているしかなかった。


 きっと彼女たちは死んだ。俺が気が付くのが遅かったせいで。


 やがてエレベーターは俺を乗せるためだけにまた二階に戻ってきた。おれはゆっくり立ち上がりエレベーターに乗る。


 そして俺は受話器を手に取りランプを見た。ランプは青く光っていた。


「とり憑かれた殺人鬼の名前は……」



さて、次話で主人公ことヨシ君がミステリークイズのお題


『憑りつかれた殺人鬼の名前は?』


の答えと、その答えに辿り着いた理由を明かします。


しかし、その前にここでもう一度だけ

「読者への挑戦状」

を設けさせていただきます。


今回の話で正しい答えに辿り着くためのデータは十分すぎるほど出揃いました。

あなたは中山と同じ答えに辿り着いてしまっていませんでしたか? 中山と同じ答えだったという方は今一度、クイズの答えをお考え下さい。


……如何でしょう? あなたの最後の答えは出たでしょうか? 出たという方はどうぞ、次話にお進みください。 

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