表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/25

1. 無意識にいじめっ子を返り討ちにしてた

初投稿です

不定期更新ですが気長にお付き合いいただけると幸いです

評価、感想、指摘よろしくお願いいたします

 人は変わりたくても変われないものだと誰かが言っていた。ついさっきまで、私もその通りだと思っていた。でも、どうやら人は思いがけないことがきっかけで変わってしまうこともあるものらしい。地面に無様に転がっている同じクラスの女子の一人を見下ろしながら、私はそんなことを考えていた。

「…っ!おい!なにするんだよ!」

 たった今私が転がした女子の取り巻きの一人が私につかみかかってきた。私は少しだけ横に移動して、その子の前に軽く足先を差し出す。取り巻きの子は簡単に地面に叩きつけられた。どうやら喧嘩慣れしているわけではないらしい。私も喧嘩したことないけど。

「ネクラのくせに!」

 もう一人の取り巻きが持っていたカバンで私を叩こうと目いっぱい振り上げた。私は半歩ほど近づいてその子の肩を片手で押した。大して力を込めていないのに、その子はあっけなくひっくりかえった。

「な、なによ?!なんなのよ?!アンタそんな見た目で…?!」

 私の容姿と速やかな制圧のあまりのそぐわなさに混乱したのか、最初に転がした子がわめきだす。無理もない。今まで嫌がらせを受けてもろくに抵抗したことなかった私からの突然の見事な反撃だ。驚くのは当然だ。

 ちなみに私も負けじと自分の行動に驚いている。別に喧嘩慣れしてるわけでも武道をやっているわけでもないのに、体が無意識に動いていた。案外私には喧嘩の才能があるのかもしれない、全くいらないけど。

「お、覚えてなさいよ!」

 立ち上がり、吐き捨てるように叫んでリーダーの子が走り去る。取り巻き二人もあわてて後を追って、私を連れ込んだ空き地から出て行った。3人の背中を見送ったあと、私は落ちてたメガネをかけなおし、少し乱れたショートの髪と制服を整え、視線を下す。そこには可憐な、けれども無残に踏みにじられた小さな花があった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ