6話 説明回は目が滑る2
またまた説明回です。
目が滑べりますよね。
私も滑らんようになりたいです。
俺の目の前には5つの能力玉が並んでいる。
マリちゃん先生曰く能力玉には特殊、強化、ハズレの3分類があると言われ、その中でも特殊はとても価値のあるものだと教えられた。なんだよハズレって。
特殊は全5種類
鑑定、未来予測、心眼、魅了、世界の真理、
強化は
身体、魔力、魔力操作、補助、
ハズレは
生活、言語理解、収納
これが能力玉の全て
ここから更に小玉、中玉、大玉、極大玉、にわかれている。
実はかなり少ないのだが、生まれた時にすでに1つの能力が備わっている人もいるらしい。その人たちは中玉程度の力を持っていて[ユニーク]と呼ばれているらしい。
大体一つのダンジョン踏破で4〜6個の能力玉が入手できる。
しかし30階層のダンジョンとかだと効果が小か良くて中。
50階層で効果小〜大。
80階層で中〜大。ごく稀に極大。
と踏破難易度により大きく変わる。
もちろん売値も変わる。
強化能力玉大一つで一生遊んで暮らせるが、強化能力玉小だと一年持たないらしい。
それほど大迷宮は踏破が困難だからだ。
なぜ言語、収納、生活の能力玉がハズレと言われているかというと、ほぼ小しか世の中に出回らず、すでに習得している場合効果がないからだ。
通常言語はすぐに覚えるし、収納は魔道具で代用可能、生活もアウトドアライフを満喫している一般市民のキャンパーくらいにしか需要がない。
なのでハズレの小玉は市場でそんなに高くなく手に入るらしい。
これが特殊玉となると話は違う。
鑑定、未来予測、心眼、魅了は小玉でもかなり高価で取引される。世界の真理の小玉は…うん。
鑑定であれば小でも品物の真贋程度はわかるので商人であれば喉から手が出るほど欲しい。
未来予測であれば冒険者、格闘家など1秒、2秒先がわかるだけで生き残る確率が段違いで上がる。
心眼は人の心が読める。審議官、治世者など嘘を見破れるだけで世の中の犯罪は大幅に減る。
魅了はまぁ夜のお店の人に大人気ですよ。後その街を代表するような人は大体もっています。皆さん人気者になりたいですものね。
そして世界の真理は…。小玉だとかなり性能が劣るらしいので一般常識程度を教えてくれるみたいです。
なので特殊は小玉でも売れば20年は遊んで暮らせるそうだ。(世界の真理は除く)
そして俺の目の前に並ぶ5つの能力玉
大きさは殆ど同じなのでこれは全て大玉。
左から、
魔力操作・大玉
身体・大玉
生活・大玉
魔力・大玉
生活・大玉
おい。ちょっと待て。なんで同じのが2個もあんだよ。意味ねーじゃねーかよ。
しかも教える時マリちゃんちょっと笑ってたよね。まぁいいよ。街に行ったら売って言語理解でも買いますよ。
そしていざ習得。まずは身体・大玉からだ。
俺の感覚だと体を鍛えた方が後の苦痛が少なくて済むと思うんだよね。
「では、いきます。」
俺は右手に持つ身体・大玉を掌を返す動作で足下に落とした。先程見た煙がまた俺の全身を覆い始める。
ビクビクしながらも俺は少しだけその煙を吸った。
「ガッ…」
凄まじい痛みが全身を貫く。
先程の頭痛とは違い全身を針で刺されるような痛みだ。しかも深い。体の奥の方まで隙間なく痛みが襲う。
「グゥゥ…」
痛すぎて変な声出た。これはもう一息でも吸ったら死ねる。そう思っていると…
(山田さ〜ん。痛かったら教えてくださいね〜。)
というマリちゃんの馬鹿にしたような声が聞こえた。この野郎…。と思った瞬間、力が抜け僅かに煙を吸ってしまった。
「バガァァガ…」
僅かな罵声を発した後あまりの激痛に俺は意識を手放しそのまま倒れた。