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13話 野営の戦い

はじめてのバトル描写?です。

上手く書けてるのかな?

 

 マリちゃんに、今日はもう寝るように急かされたので目を瞑り心を落ち着ける。

 自分の腕を枕に横向きになり、転移してからのアレやコレを思い浮かべて本当に大変だったな。

 でもこれからもっと大変になるんだろうな。

 などと物思いに耽る。


 だんだんと意識がまどろんでいき、こんな岩の上でも寝れるとは俺も強くなったなぁ。と考えながら眠りに落ちた。


 どの程度眠ったのだろうか?妙に心がざわざわして意識が覚醒して来た。

 某ギャンブラーのように一発大逆転の賭けをするべきなのか?なんてくだらないことを考えながらあたりを見渡す。


 この世界に月があるのかはわからないが星が数多く瞬いている。

 川が流れているが周りは森なので暗く、見え辛いはずなのになぜか昼と遜色ないほど良く見える。

 これも能力玉のおかげなのかな?なんて思っていると少し離れたところにノームとそれに襲いかかる魔物の姿が見えた。


 ざわざわの理由はこれか!と納得し魔物を撃退しようと足に力を入れたその時マリちゃんの声が届いた。


(山田さん、おはようございます。

 魔物の討伐するのですか?それとも放置ですか?)


「おはようございます。マリちゃん。

 このままじゃノームがやられちゃいます。

 何とか助けてあげたいです。」


(ノームは精霊なので実体はないですよ。

 壊れてもまた呼べば出てきますし。)


「それでも助けたいと思います。

 あの魔物の特徴と弱点なんかあれば教えてください。」


(山田さんは優しいですね。では、ご協力します。

 あの魔物はスキュラです。

 水辺や海辺にいる魔物で相手を水中に引き摺り込み溺れさせてから捕食します。

 特殊な能力は水を操ることができ、力も強いです。

 群れることがない種族なので近くに他の魔物がいる事は考えられません。

 距離をとって魔鎧のみで倒せるはずです。

 全て魔物は心臓の横に付いている魔石を取り出せば死にます。アンデット系以外なら首を飛ばすのも効果的です。)


「わかりました。距離をとって戦います。」


 岩から降り、ノームの場所へ向かう。

 近づくにつれ魔物の姿形がはっきりと見えてきた。

 遠目では大きめの犬のようだと思っていたが、体表に毛はなく逞しい筋肉に浮かんだ血管が見える。

 手には水掻きが付いているし。

 …犬河童が正しい表現なのだろうか。

 す恐ろしくグロテスクな姿だ。


 俺は5メートルほど距離をあけて立ち止まり、ノームに覆いかぶさっているスキュラの首筋めがけ魔鎧の突きを放つ。

 この距離は試したことはなかったが感覚で届くという確信があった。

 それにこれ以上は近づくのが怖かった。これ以上は近づけない。


 見えない魔鎧は一瞬でスキュラの首に当たった。

 魔鎧で殴られたスキュラは首を支点にくの字曲がりながら吹っ飛び5メートル程で止まる。

 間違いなく即死だ。首が裂けて折り曲がり血が吹き出している。


 魔物との初戦闘を終えた俺は呆然としていた。

 確かに恐怖はあったが即死させるつもりはなく、無力化させる程度の力で魔鎧を放ったつもりだった。

 助けたノームは起き上がり少し頭を下げてトテトテと歩きだす。警戒を続けるつもりのようだ。


(無事に魔物を倒せましたね。

 やはり山田さんの魔力、魔力操作はすごいです。

 センスがあると思います。

 スキュラは魔石以外には牙くらいしか素材価値がないんですよ。

 討伐した魔物の魔石は取っておかないとアンデット化してしまうので必ず取ってください。牙はどうしますか?)


 マリちゃんに言われ愕然とする。

 俺は解体などした事はない。というかグロは苦手だ。

 パソコンの画面越しですら吐き気を覚えたのにリアルで出来る気がしない。

 その事をそのままマリちゃんに伝えた。


(わかりました。では牙は放置しましょう。

 しかし魔石は取らないと…。ダンジョン踏破者報酬にも刃物類は一切ありませんでしたし。

 魔鎧を細く突き出して心臓付近に穴を開けて取り出すしかないですね。…山田さんお願いします。)


 スキュラの死体に近づき心臓の位置を探る。

 直接手が触れる位置では俺の心は耐えられないので1メートル程離れた位置だ。


 魔鎧を細く、錐をイメージして作り出す。ここが心臓だろうと目安をつけ一気に突く。細い穴がスキュラの胸に開く。これは細すぎる。指しか入らねぇ。もう少し太くするか。……ん?


 ここで俺は気づく。ここまで微調整の出来る魔鎧ならばもっと色々な形に出来るのではないか?しかも俺には魔力・大がある。手の形にして動かす事も可能なのではないか?と。


 気づけば早速実践だ。先ずは魔鎧をメスのように鋭く滑らかになるようイメージする。

 ただしこの魔鎧は見えない。なんとなく漠然と、有る。というのはわかるのだが、これも訓練で見えるようになるのかは不明だ。…待てよ。それすらもイメージで見えるように出来るのではないか?

 俺が視認できれば良いので濃い色はいらない。

 自分の出している魔鎧が薄く白い色を纏い始めた。


「…?」


 少し体の中の力が抜けた気がしたが、これが魔力かもしれない。長い時間魔鎧を出していたし、色々実験もしている。マリちゃんが言っていた、ずっと発現できない。というのは本当のようだ。


 薄白い魔鎧のメスをスキュラの胸に当て引き裂く。肋骨があったが皮膚もろともメスで断ち切ってしまい、10センチ程度の魔石が現れる。

 魔鎧を手の形にして魔石を取り出す事に成功した。


 川で魔石を洗い綺麗にする。

 ついでに魔鎧でスキュラの死体を持ち上げて川に流した。

 多分すぐに引っかかってしまうのだろうが、ここに放置しておくよりは良い。しっかり川の栄養になってくれ。


 辺りにはスキュラの血の匂いがしていたが、自分の水魔法の威力がわからない。

 なので生活玉で風妖精のシルフを呼んで乾かしてもらった。

 シルフは体長30センチほどの羽を持った人型妖精で俺の要望に快く答えてくれた。去り際にしっかりお礼を言うと俺の周りをクルクルと舞って消えていく。

 どうやらシルフは人懐っこいようだ。


(日の出までまだ時間はあるのでもう一眠りしましょう。明日も森の中を走らなければならないので。

 体力の回復はしておいた方が良いです。)


「そうですね。少し疲れました。

 でも今夜はいい経験を出来ました。初めて魔物を倒してこの世界で生きていく自信が少しつきましたし。」


 そんな会話を交わしながら結界のある岩の上に登った。

 見上げれば数多くの星が瞬いており、元の世界では見ることの出来なかった夜空を見ることができる。

 岩の上に腰を下ろし、眠るために横になり腕を枕にして前を見るとノームがトテトテと河原を歩いていた。



バトル詐欺ですよね。

ごめんなさい。

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