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冥王の語る異世界神話  作者: 冥王ザラスタ
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冥王の語る異世界神話その3

第5章 愛と約束

その頃死の女神ムングはエレインがイルの嫡子だと気付き、自分も子供がほしいと思った。

しかし死の存在である彼女が子を成す事は出来なかった。

だから代わりに人形を作り、自分の力の半分を分け与えた。

人形は恐ろしい姿になり、死の力を受け継いでいた。

冥王ザラスタの誕生である。

そして現世では、祖父エイラス王が天寿を全うした後もエレインは

大国軍相手に勝利し続け、たった2年で世界を征服した。

そして父イザロフを初代世界王とし、平和な時代が始まった。

その後数十年が過ぎても女神イルは当然として、娘エレインも全く老いなかった。

しかし、イザロフは年老い病に倒れてしまう。

病は治ることなく数日後イザロフは死んだ。女神とその娘は深く悲しんだ。

イルはエレインに正体を明かし、イザロフを冥界から連れ戻しに行った。

愛を知った彼女は古の誓いを忘れてしまったのだ...。

イルはイザロフを冥界から連れ戻した。

そして彼を若返らせ、家族が永遠に一緒にいられる様に彼に不老不死を与えた。

その時地面が真っ赤に裂け、怒りに燃えるムングが現れた。

なぜ誓いを破った?愛の為なら許されるとでも思ったか!

ムングがイザロフに触れた瞬間彼は消えた。

冥界に戻ることさえ許されず肉体も魂も消滅した。

だがムングの怒りは収まらず、罰として地上の人間の半分をイザロフと同じ様に消し飛ばした。

イルとエレインは深く悲しみ、その後冥界への復讐を決意した...。



第6章 生と死の戦い

ムングは冥王ザラスタを地上に送り、地上の命を全て殺す様命じた。

エレインが止めようと立ちはだかったが、半神半人では神の力を直接注がれた冥王には敵わなかった。

エレインは命からがら逃げ切った。

しかし、女神イルが冥界との間に結界を張っていたので、冥王は

現世に入る事ができず、ムングの元へ戻った。

二柱の女神は怒り狂い、互いの世界との全面戦争へ向けて準備を始めた。

イルは死を滅ぼし不老不死の理想郷を作る為。

ムングは全ての命を殺し2つの世界を死で覆い尽くす為。

イルは、人間の軍に亡者を浄化し消滅させる力を与えた。

ムングは、亡者達に殺した者を問答無用で悪霊にする呪いをかけた。

そして、ムングが結界を破った時、遂に全面戦争が始まった!

元々半分にされた生者の軍は圧倒的に不利出会ったが、女神イルが自ら最前線に立ち、薙ぎ払う

様に亡者達を浄化していったので数はすぐに大差無くなった。

戦いは何十日も続き、やがて泥沼化し、双方が3割以下の数になってしまった。

ここからは大将戦だ。

冥王ザラスタと神の子エレインが再び戦った。

エレインは母から更なる祝福を受け、遙かに力を増していた。

互角の勝負が続き、かつてのライン王都は焼き尽くされた。

しかし、時間が経つにつれ体力の限界が無い冥王が優勢になっていった。

とうとうエレインの体力が尽き、冥王が止めをさそうとした瞬間、イルが現れ

冥王を世界の裏へと突き飛ばした。

そこへムングが飛んでいった。

女神同士の頂上決戦である。

戦いの余波で2つの世界は荒れ果て、天の星々も堪らず消し飛んでしまった。

最後の一撃、二神は全力を出し、互いに世界を容易く破壊できる程の力を放った。

力は完全に互角であり、2つのエネルギーは完璧に相殺され、消えた。

力を使い果たしたイルとムングは眠りについた。

戦争は痛み分けで終わり、生者は表に、亡者は裏に帰っていった。

エレインは、眠った母を天に帰すと己の不死の命を犠牲にして、冥界との間に

以前の何十倍も強力な結界を張り、死んだ。

一方、冥界に飛ばされていた冥王は終戦を知り、ムングを家へと運んだ。



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