終末の鐘
――ゴォン
――ゴォオオン
――ゴォォオオオン
――――。
◆
――ゥゥ――――ォォォォ――ァァァ――――ェ――ィィ――――――――。
どこからともなく、鐘は鳴りだした。
いくつもの鐘が鳴り響き、世界から静寂が消えた。
鐘の音はどこまでも届き、響き、共鳴し、さらにその音を大きくした。
拡大する音は、世界を破壊した。
山は崩れ、海は干上がり、空は割れた。
人々は耳を塞ぎ、泣き叫び、そして死に絶えた。
生物の血液は身体中で沸騰し、穴という穴から吹き出し、身体を焼き、腐敗させた。
その身体は次の瞬間には燃え尽きた灰のように崩れ去り、跡形もなく消滅した。
世界には混ざり合った臭いが充満し、あらゆる音が響き渡り、目に映るすべてが塵となり消えていった。
遍くすべてが無に帰した。
そして、音だけが世界に満ちた。
物体が崩壊する音、生き物の悲鳴、そして生物には聞こえない周波まで、そのすべてが響いていた。
やがて、音は飽和し、そして、世界から音が消えた。
世界から、音を出すすべてが、消えた。
世界は、終焉した。
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