茜音ちゃんのランチタイム 2
「え、なんで葵くんがここに!?ほんとに本物の葵くん!?」
まさか葵くんに会いたすぎる故の幻覚!?
そんななことを考えていたら思わず叫んでいた。我ながら馬鹿な考えと発言である。
「あっはははは!さっすが茜音ちゃん!まさか本物のって…ふはっ」
「…茜音ってなんでそんなに馬鹿なんだろうね。」
こちらを冷たい目で見遣る葵くんとお腹を抱えて大笑いする唯人くん。
…うん、自分でも馬鹿だなって思った。でもさ、2人ともちょーっとリアクションがひどくないですか??
「あかね、どうした?っと」
「んー?どうしたのぉ?
あれ、成瀬くんと唯人がいるー」
私の叫びを聞いた梨香と唯花がこちらへやってくる。葵くんを見つけた2人は少し驚いた表情を浮かべた。
だが、
「なんで成瀬くんがここに?
そこの愚弟に今日茜音は私たちと一緒にお弁当食べるって伝えさせたはずなんだけどなぁ」
さっきの表情とは一転、にんまりという言葉が似合う笑顔を浮かべた唯花が可愛らしく小首を傾げた。
「別に。弁当取りにきただけ」
「あっ!そうだ!葵くんのお弁当私が持ってるんだよ!ごめんね葵くん!」
慌ててお弁当を取りにいくと後ろから「え、そこの愚弟って俺のこと?唯花さん愚弟はひどくないですか?」「うるさい黙れ役立たず男」「うぃっす」…この双子って唯花が圧倒的に上だよなぁ。
「お前らって本当に双子か?上下関係がすごいはっきりしてるけど」
梨香が同じことを思ったみたいでそう呟いていた。
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