茜音ちゃんの朝 2
「むぅ〜、どうなんだろう?」
あれからもやもやした気持ちを抱えながらもお父さんとお母さん、自分と葵くんの分のお弁当を作り上げた。
卵焼きもいつも通りで、我ながら良い出来だと思う。
「もし葵くんに愛想尽かされたりしたらどうしよう…」
お弁当と一緒に準備した朝食を済ませた後、鏡に映る自分に向かって呟いた。
鏡には少しだけ色素の薄いセミロングの髪の平凡な自分が映っており、しょんぼりしたような顔でこちらを見ている。
「もっと可愛ければ良かったのに」
今の自分に不満があるわけではないが、もう少し可愛く生まれたかったな、なんてつい思ってしまう。
ぼんやりと鏡を見つめていると、
「あかね〜、そろそろ出なきゃ遅刻するぞ〜」
という陽人の声が聞こえ、慌てて2つの弁当箱を抱えて家を出た。
私が通う高校は歩いていける距離にある。
私はこの朝の登校が大好きだ。周りの色んな変化を観察するのは面白いし、それに────
「あっ、葵くん見つけた」
なんといっても葵くんがこの道を通るのだから!
少し前に見える皆より頭ひとつ分くらい大きい後ろ姿を見つけただけでキュンとときめいてしまう私はもう末期だと思う。
小走りで近づいて、
「葵くん、おはようっ!!」
「………」
ちらり、とこちらを見たあとすぐに目線を前に戻す葵くん。
低血圧な葵くんらしいけど、それでも
寂しいなぁ、と感じてしまうのです。
お読みいただきありがとうございました。
やっとヒーロー 葵くんを出すことができました!
一言も喋っていませんが…(((;°▽°))
きっと(?)これから頑張ると思いますので、よろしくお願いします(笑)