茜音ちゃんの朝 1
ピピピピ、ピピピピ、ピピピ ピッ
「ん~、もう朝かぁ…」
眠たい目を擦りながら鳴り響く目覚まし時計を止める。
閉じそうになる目を我慢してベッドから起き上がった。
「よし、今日もがんばろっと!!」
午前6時、私の朝は始まる。
「んー、今日は何を作ろうかなぁ…」
キッチンで悩むのは今日のお弁当のこと。
共働きの両親の負担を減らす為にはじめた料理も随分上手になった気がする。
「まず卵焼きでしょ、ベーコンのアスパラ巻きに昨日の残りの筑前煮で…あとはこの間作って冷凍してたきんぴらに~、あ、あとちっちゃいハンバーグもあったからそれにしようっと!」
さて、中身が決まれば後は作りはじめるだけだ。
卵焼きには大さじ2杯の砂糖と塩を少し、これが野崎家の味である。
そしてこの甘めの卵焼きは葵くんのお気に入りなのだ。
「んふふ〜、葵くん喜んでくれるかなぁ。」
普段は無表情が基本の葵くんがこれを食べる時少しだけ目元を緩める姿を想像して少しだけニヤけてしまう。
「うわぁ…」
ふと聞こえてきた声に振り向くと、そこにはドン引きたような表情を浮かべている我が弟、陽人の姿が。
「おはよう、陽人!でもうわぁってなによーっ!」
「おはよ。いや、別になんでもないよ?
ただ卵焼き見ながらニヤける女が自分の姉だなんて現実を受け止めたくなくてさ。」
「え!?見てたなら言ってよ!!
それに言っとくけど卵焼きを見てニヤけてたんじゃなくて、卵焼きを食べる葵くんを想像してニヤけてたんだから!!」
「余計嫌だわ。そんなんで葵さんに愛想尽かされないようにねー」
呆れたような表情を浮かべながらキッチンを出ていく陽人。生意気な弟である。
「葵くんはこれだけで愛想尽かしたりなんてしないもん…たぶん」
え、しないよね?あれ?大丈夫だよね?
「なんか不安になってきた…」
お読みいただきありがとうございました。
まだ葵くん出てこなくてすみません(つд⊂)
今回は茜音ちゃんの弟、陽人くんが登場しました!
次回も葵くんは出てくる…かな?という所です。
行き当たりばったりで書いている為、分からないことが申し訳ないです( ˊᵕˋ ;)
できるだけ早くヒーローを登場させられるようがんばります!