表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
猪娘の躍動人生  作者: 篠原皐月
第一章 一年目は猪突猛進

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

6/61

6月 経験値の差

 まだ仕事量が少なく業務範囲も狭い美幸は、定時で仕事を終えて残業する周囲の者達に、先に上がる旨の挨拶をした。そして帰り支度をしてフロアを離れ、一階に降りて社屋ビルから歩き出した所で、背後から駆け寄る足音に続いて、軽く肩を叩かれる。


「藤宮、おつかれ」

「あ、田村君。お疲れ様。最近、帰りに良く会うわね」

「それは、まあ……、俺達一年目だし? それほど込み入った仕事とかもまだ任されてないから、定時で上がる事の方が多いしな」

「それはそうね」

 同期の隆の話に軽く頷き、最寄り駅に並んで歩き出すと、隆が何やら改まった口調で話しかけてきた。


「なあ、藤宮」

「何?」

「その……、今度の日曜、何か予定とかあるのか?」

「特に予定は無いけど?」

「それなら、一緒にどこか行かないか?」

 嬉々として提案した隆だったが、美幸は歩みを止めずに素っ気なく答えた。


「どこかって?」

「藤宮が好きな所で構わないぞ? 映画でもショッピングでも遊園地でも。どこでも付き合うから」

 満面の笑顔で言い募った隆だったが、そこで美幸が足を止め、如何にも不思議そうに相手を見上げた。


「どうして田村君と一緒に、どこかに行かなくちゃいけないの?」

 その表情を見た隆は、僅かに焦りながら方向修正しようとした。

「は? いや、どうしてって、その……。あ、二人っきりで出掛けるのが嫌なのか? それなら桑原と堀川にも声をかけるから、皆で楽しく」

「予定は無いけど、する事はあるの。だからまた今度ね」

 にっこり微笑みつつ断りを入れて再び歩き出した美幸を、隆は一瞬遅れて慌てて追い掛けた。


「あのさ、同じフレーズでこれまで何回か断られてるんだけど、ひょっとして付き合ってる男とか居るわけ?」

「そんな人はいないけど?」

「だったら!」

 思わず声を荒げた隆だったが、美幸は如何にも当然と言った口調で話を続ける。

「だって、休日は仕事で役立つスキルを探したり、柏木課長の横に立ってもおかしくない程度に、女を磨くのに忙しいのよね~」

 上機嫌にそんな事を口にした美幸に、隆は溜め息を吐いてから思わず呻いた。


「藤宮、お前ひょっとして、結婚願望が無いわけ?」

「勿論有るわよ?」

「あるのかよ!?」

「当たり前でしょ? ウェディングドレスは女の夢よ、失礼しちゃうわね。枯れたり終わってたり残念な女みたいな言い方しないでくれる?」

 てっきり恋愛思考とは無縁だと思っていた美幸の発言に、隆は目を見開いて驚き、次いで疑問を呈した。


「じゃあだったら何でいつも仕事優先で、口を開けば『柏木課長は凄い最高』の一点張りなんだよ。他の女達も言ってたぞ? 『普通は男の話で盛り上がるのに藤宮さんって変』って。誰が見てもおかしいんだよ!」

「はぁ? だから何がおかしいの? だって課長以上に仕事ができて格好良い男の人は皆無だもの。そんな男に関して、何をどう盛り上がれっていうの?」

 情け容赦ない美幸のぶった切り方にたじろぎながらも、隆は話の方向性を変えてみる事にした。


「……っ。確かに柏木課長が有能なのは認めるし、並みの男じゃ敵わないのは認めるけどさ。俺達若いんだから、そこまで理想を追求しないで、普通もうちょっと日々の生活での異性との出会いとかときめきとかを期待したり、大切にしたりする方が良いんじゃないかと」

「要するに、男女交際に興味を持つのが普通、って言いたいわけ?」

 そこで美幸が口を挟み、自分が言いたい内容を口にしてきた為、隆は喜色満面で力強く頷いた。


「そう、まさにそれだよ! 藤宮はお嬢様学校の出身でそういうのには疎いかもしれないけど、社会人になった以上は付き合いも広がるし、後々変な男に引っかからない為にも、まず手近な人間で男女間の付き合い方ってのを勉強するべきじゃ無いかと」

「取り敢えず、色々なタイプの男の人は見て来たけど?」

「は? な、なんで?」

「大学時代、合コンしまくってたから」

「はい?」

 淡々と美幸が口にした内容に、隆は顔を引き攣らせたが、美幸はすこぶる真面目にその理由を説明した。


「だって在学中からできる、入社後の人間関係の構築と、人物鑑定眼を養うのと、マネジメント技量を高める方法として、あれ以上の物は無いと思ったから。あれで本当に凄い労力を使って、経験値を上げたわね」

 しみじみとそんな事を言った美幸に、隆が半ば呆然としながら問い掛けた。


「……何で?」

「だって、世間ずれしてない先輩や同級生を、変な男に引き合わせたり出来ないけど、ある程度数をこなすとなったら、あちこちに声をかけて人を集めなくちゃならないし。同じ様な所ばかりで開くとマンネリ化するから、次々新しい会場を開拓して趣向を凝らしたりもしたし」

「えっと……、要するに、合コンを仕切りまくってたのか?」

「そうよ。一年の時は様子見で出まくって、二年からは仕切ってたの。最初のうちは義兄達にお願いして、信用できる相手を集めて貰ったんだけど、少ししてからは参加者の伝手で、若手の有望株を芋づる式に集めたの。女性の方は同級生や先輩後輩で選りすぐったし、纏まったカップルは六十三組よ。そのうち、もう二十九組が結婚したわ。桜花女学院大では『藤宮さんに頼めば将来有望な方と結婚できる』って有名だったんだから」

 そう言って美幸が胸を張ると、隆は思わず正直な感想を漏らした。


「仕切りババァも真っ青だな」

 それに美幸が真顔で答えた。

「全て柏木産業に入社してから、人間関係でオロオロする事が無い様に励んでたのよ。だから別に恋人なんかいなくても、男の人達から人付き合いが悪いとか、無愛想とか、話が合わないとか言われた事無いもの」

「確かに営業一課以外では、お前社内中で好かれまくってるよな」

 そう言って重い溜め息を吐いた隆に、美幸は明るく笑って言ってのけた。


「田村君、見当違いなおせっかい焼いてないで、気になる人がいるなら、さっさと口説いた方が良いわよ? それじゃあね!」

「あ、おい! まだ話は終わって無いぞ!」

 いつの間にか駅の改札口まで来ていた二人だが、ここで美幸はあっさりと別れの言葉を告げて自動改札を通って元気に走り去って行った。慌てて追い掛けた隆だったが、人並みに阻まれて忽ち美幸の姿を見失ってしまう。

 そして同じ駅を利用している為、実は社屋ビルから少し距離を取って二人の後ろを歩いていた総司と晴香が、走り去っていく二人を見送ってから微妙な顔を見合わせた。


「……ねえ」

「何だ?」

「見なかった事にしてあげた方が良いかしら?」

 真顔で確認を入れた晴香に、総司は小さく溜め息を吐いた。

「そうだな、色々な意味で不憫な奴。相手が悪過ぎる……」

 そんなやり取りがあってから約半月後、美幸は仕事中に真澄から声をかけられた。


「藤宮さん、ちょっと良いかしら」

「はい!」

 忽ち嬉々として机の前に走り寄った美幸に、真澄は笑顔で口を開いた。


「藤宮さんはまだ入社して三ヶ月だから、ちょっと早いかとも思うんだけど……。新しい仕事をやってみて貰おうかと思っているの」

「何でしょうか?」

「企画案を出してみてくれるかしら」

「企画案、ですか?」

 嬉しそうに顔を緩めたのも束の間、美幸は怪訝な表情をその顔に浮かべた。すると真澄が顔付きを改めて説明を加える。


「正式な企画書作成の、前段階と考えて貰えば良いわ。詳しい説明の前に……、企画推進部のそもそもの成り立ちと言うか、設立の目的は理解しているかしら?」

「一応は。専門的に事業範囲が特化した営業部や海外事業を専門に扱う海外事業部とは違う、自由な発送で新規顧客や販売形態を開拓していく為に作られたと聞いています」

「その通りよ。なおかつ事業自体も速やかに進める為に、営業出身者に拘らず、色々な人材を集めているの。ある程度課の中だけで、自己完結して進められるようにね」

「はい」

 所属している課員達の前歴を素早く思い返し、美幸は素直に頷いた。ここで真澄が本来の話題に戻す。


「それで……、ここの所属員には、毎月最低一枚の企画書提出が義務づけられているの。自分の得意分野に関して、勿論それに拘らず常に自由な発想で、新規顧客獲得に繋がる様に自分が売り込みたい、または有ったら購入したい思う物について、論述形式で作成するのよ」

「自由な発想……、ですか」

 あまり漠然とし過ぎていてさすがに美幸が戸惑うと、真澄は一瞬考え込んでから幾つかの具体例を上げた。


「そうね、例えば……、これまで出された物だと、『使用後のオムツの経時的変化と臭気改善アイテム』とか、『磁気に弱いカード類の保護フィルムの売り込み先検討』とか、『ダイエット効果を増幅させる調味料の利用法』とか色々あるんだけど。あそこの書棚にこれまでの物が纏めてあるから、時間が有ったら目を通してみて」 指し示された方向に視線を動かしながら、美幸は思わず意外そうに呟く。

「はぁ……、そういう物でも良いんですか」

「さっき説明した物は、ちゃんと条件に合致していて、市場に出回っていない商品やシステムに当たりをつけて、うちで取り扱ったり仲介を始めた物ばかりよ?」

「そうなんですか」

 一瞬疑問に思ったものの、真澄に再度説明を受け、今度は美幸の顔に驚きの色が混ざった。それに真澄が力強く頷いてみせる。


「そう。ビジネスチャンスは無限にどんな所にでも有るものよ。寧ろ机にかじりついて考えた物の方が、箸にも棒にもかからない事が多いわ」

「分かりました。自由な発想で考えてみます」

「その意気よ。企画書は書式が決まっているけど、企画案は思い付いた事を手書きでも良いの。それを私に見せてから、有望な物についてだけ書く様に指示するわ。それなら無闇に書いて時間を浪費するより良いでしょう?」

「なるほど、そうですね」

 感心した様に頷いた美幸に、真澄はここで苦笑混じりに断りを入れた。


「勿論、藤宮さんは入ったばかりだから、企画書を書いて貰ってもすぐに売り込み出来るとは思えないけど、商機を逃さない目を養う事と、商品の分析能力を構築する上で、今から練習するつもりで書いてみて? 高須さんも書いた企画書が初めて会議上に出たのが一年後だし、気楽にね」

「何事も経験って事ですね」

「そういう事」

 そこで真澄は城崎に声をかけた。


「何か分からない事が有ったら、城崎さんに聞いて頂戴。彼は平均月三件は企画書を提出していて、営業実績に結び付いた事例もうちでトップだから。城崎さん、お願いね?」

「分かりました」

「宜しくお願いします」

 課長席の方に顔を向けて応じた城崎に、美幸が深々と頭を下げる。


(うふふ……、これはビジネスチャンスに繋がる第一歩よね。頑張らなきゃ!)

 美幸はそんな闘志も新たに、今後一層頑張る事を心の中で誓ったのだった。

 その日、退社時間になって本社ビルを出た所で、美幸は声をかけられた。


「藤宮さん、お疲れ様」

「係長、お疲れ様です。今日は随分帰りが早いですね」

 いつも残業している姿を見ながら帰宅していた美幸が僅かに驚いた表情を見せると、城崎は美幸と並んで歩きながら苦笑混じりに話し出した。


「まあ、偶には。それより今度の土日、どちらかここに一緒に行かないか?」

 さり気なくポケットから取り出された、都内某有名アミューズメントパークの1日フリーパス券を見せられた美幸は、ちょっと驚いて目を見開いたものの、冷静に問い返した。


「どうして、係長と私で行くんですか?」

 思わず足を止め、色々な意味を込めて胡乱げな視線を向けた美幸だったが、城崎は苦笑してそれをしまい込んでから、美幸を促して再び歩き出した。


「藤宮、午後にした企画書の話、覚えているだろう?」

「勿論です」

「この不景気真っ只中、新規販路を開拓するのは容易じゃないと分かっているよな?」

「理解しています」

 美幸は(何でそんな分かりきっている事を聞かれるのかしら?)と、多少イラッとしながら大人しく答えたが、ここで唐突に城崎が話題を変えてきた。


「そこで質問。家計も緊縮財政、節約術真っ盛りの昨今の傾向として、支出項目の中で意外に減っていない項目は何だと思う?」

「え?」

「取り敢えず、思い付いたまま言ってみろ」

 虚をつかれて絶句した美幸だったが、城崎に淡々と促され、焦りながらも考え始めた。


「そ、そうですね……、やはり住居費とか光熱費とかは減らし難いと思いますが」

「それは固定支出だからな。『意外に減っていない』の表現とは微妙にずれるぞ?」

 城崎からの指摘を受け、真剣さを増した顔で美幸が確認を入れる。


「と言うことは、減りそうなのに、意外に減らない、という項目ですよね」

「ああ、それを踏まえるとどうだ?」

「うぅ~ん、食費? 教育費? 保険料とかも見直せば、減らす事は可能だけど、何となく……」

 歩きながら益々思考の迷路に嵌り込んでしまった美幸だったが、それを見た城崎が静かに答えを口にした。

「所謂、遊興費の類だな」

 しかしそれを聞いた美幸は、反射的に城崎の袖を掴んで、盛大に異論を唱える。


「ええ? どうしてですか!? 要はレジャーや趣味に費やすお金ですよね? だったら真っ先に切り詰める所じゃ無いんですか!?」

「誰しもがそう思うだろうから、『意外に減らない項目』と言った」

「それは分かりますが、それを挙げた理由が分かりません!」

 力一杯否定した美幸を見下ろしながら、城崎はそこですこぶる冷静に解説を始めた。


「良く考えてみろ。普段節約しているからそ余計に、偶には楽しく遊んで現実を忘れたいと思ったり、普段ギスギスピリピリした生活を送っているからこそ、プライベートでは癒やしを求められると思わないか?」

「はあ……、まあ、それはそうかもしれませんが」

 城崎の指摘にも一理あると思い曖昧に頷いた美幸に、城崎は具体例を提示した。


「外食を減らして食費を浮かした分、レジャーの類やコスメとか携帯の通信費とかに充ててるとかの話は聞かないか?」

「あ、それは社内でも良く聞きます! 正直、どうしてそんな事をするのか、理解に苦しみますが」

 眉をしかめて同意した美幸に、城崎は小さく笑って話を続けた。


「だろう? まあ人によってつぎ込む物に違いはあれど、他人には一見無駄だと思われる事でも、本人には必要不可欠な物や事柄があるって事だ」

「なるほど。人それぞれの価値観は違いますしね」

「ああ。だから昼間課長が言った様に、所謂無駄と思う物の中にもビジネスチャンスは潜んでいるんだ。せっかくの休日なんだし、どうせならこういう所で気分転換しつつ、発想も転換させて商売になる物がないか考えてみないか?」

 そう言われた途端、難しい顔で考え込んでいた美幸は、目を輝かせて城崎に礼を述べた。


「なるほど、それでご親切に、まだ良く分かっていない私を勉強させる為に、声をかけて下さったんですね? ありがとうございます、係長」

「いや、そんな大仰なものでは」

「でも、私と二人で出掛けたりして、総務部の仲原理彩さんと気まずくなったりしませんか?」

 深々と頭を下げた美幸が体を起こし、小首を傾げつつ幾分心配そうに問い掛けてきた内容に、城崎の笑顔が引き攣った。


「どうしてここで、その名前が出てくるのかな?」

「付き合ってるんですよね?」

 サクッと指摘されて、城崎は片手で顔を覆いながら現状を告げた。

「……彼女とは四月に別れて、今はフリーだから心配要らない」

「そうなんですか? じゃあ他のお友達とかは? 秘書課の夏江香織さんとか、受付の真柄実穂さんとか、経理の戸越美奈さんとか元カノですよね?」

 更なる美幸の女性遍歴の暴露に、城崎は頭痛を覚えた。


「……だから、何で知ってるんだ」

「常に社内外の情報収集は怠っていませんから。あ、でもやっぱり元カノに声をかけるのは気まずかったんですか? それならこの際、係長を密かに狙ってる先輩達を紹介しますよ?」

 親切心百%で申し出た美幸に、城崎が疲れた様に首を振る。


「悪いけど……、そういう女と行ったら仕事にならないから」

「それもそうか。じゃあ、気の合う男友達とかとは行かないんですか?」

 思い付いたまま美幸が尋ねてみたが、城崎は今度こそ項垂れてボソッと低い声で呟いた。

「男と二人で、こういう所に行きたくは無い……」

「愚問でした。申し訳ありません」

 美幸にも自分がつまらない事を言った事に気がついた為、神妙に頭を下げた。すると城崎が直前の話題を打ち消す様に、小さく笑いながら話を戻す。


「いや、いい。それでどうかな?」

 そう促されて、美幸は満面の笑みで頷いた。

「分かりました、それでは遠慮無く一緒に行かせて頂きます。チケット代はお支払いしますね?」

「あ、いや、それは……」

「何か?」

 何故か言いよどんだ城崎に美幸が怪訝な顔をすると、城崎は何か含む様な表情で美幸の支払いを拒んだ。


「これは……、取引先から貰った物だから、代金は気にしなくて良いから」

「そうなんですか? 随分豪勢ですね」

「そうだな」

 そこで城崎がホッとしたのも束の間、美幸が名案を思い付いた様に顔を明るくした。


「じゃあせっかく誘って頂いたんですから、お食事代位私が出しますね? そうしましょう、それが良いわ」

「え?」

「じゃあ係長、携帯を出して連絡先を交換しましょう! はい、早く!」

「あ、ああ、分かった」

 促されるまま城崎が携帯を取り出し、美幸と赤外線通信で連絡先を交換すると、美幸は満足そうにバッグに携帯をしまい込んで城崎に別れの挨拶を告げた。


「よし、完了っと。じゃあ日時は改めて連絡し合いましょうね。お疲れ様でした!」

「ああ、お疲れ」

 些か呆然として挨拶を返した城崎をその場に置き去りにし、美幸は駅構内に走り込んで行った。


(よぉぉっし、頑張るわよ! まず二課のホープになる、第一歩ですものね?)

 入社してから約三ヶ月。社内の隠れた軋轢もなんのその、美幸の企画推進部二課の生活は、未だに順風満帆の様だった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ