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我が戦友 -北欧神話ロキの物語-  作者: Romina


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4/13

巨人との戦い

ある昼下がり。


アースガルズの見張り塔から

ヘイムダルの角笛が鳴った。



「巨人だ。」



神々は武器を手に取り、城門を出た。

アースガルズの外には、広い平原が広がっていた。


巨人達が大地を踏み鳴らし

咆哮を上げて攻めてくる。



トールはミョルニルを握りしめた。

口元がわずかに歪む。


「巨人どもめ。」


次の瞬間、彼は一歩前に出た。

 

「下がっていろ。」


トールはそういうと、

ミョルニルを巨人に振りかざした。


巨人は一撃で吹き飛び、

神兵は皆、歓声をあげた。



だが、すぐに他の巨人が飛び出し

平原は突然に戦地となった。


トールはまたミョルニルで挑むも、

巨人は次から次へとやってきて

神兵も次々に倒されていった。



巨人は神兵を掴み、

その腕にヴェトルが切りかかる。


巨人が痛みに怯むと、

ロキは飛びかかりその首を刺した。


すると、ロキを狙った別の巨人が

今にも掴みかかろうとしていた。


ヴェトルは左に目線を送ると

ロキは巨人の左足を払う。


巨人は倒れ、

その胸にヴェトルは剣を落とした。




その時、巨人達の後ろで

一つの影が動いた。


それは、他の巨人よりも

非常に大きく、

頭一つどころではなかった。



大地が揺れた。

巨人が一歩踏み出すたびに

石が砕け、土が沈む。


その腕は

まるで丸太のようだった。

神兵たちはそれを見、

思わず足を止めた。



巨人はロキとヴェトルを見下ろし

低く唸った。


その息は

獣のように荒かった。



「小さいのが、よく動く。」

 


巨人はロキに向かって

こん棒を振りかざす。


その瞬間、

ヴェトルは腕に切りかかっていた。


ロキはこん棒を避け、地面が砕ける。



巨人は怒り、ヴェトルを掴もうとする。


ヴェトルが避け、右に視線を向けると

ロキは右腕に切りかかった。


巨人はうめき声を上げ、

今度はロキを睨みつけた。


ロキに向かっていく巨人の背後で

ヴェトルの目が冷たく光った。


足元の地面は凍りつき、

巨人は足を滑らせ

倒れると同時に

大地は大きく揺れた。


ロキはその背に飛び乗り、

剣を突き立てた。



神々から歓声が湧き起こった。


「ロキが大巨人を倒した!」


「見たか、あの動き!」


「巨人は手も足も出ん!」



神々は、口々にロキを賛辞した。



ロキは


「まあね。」


と満足げに笑った。



ロキがヴェトルに目をやると、

ヴェトルは静かに剣を拭いていた。



“俺だけの手柄、ね…”


ロキは湧き上がる神々を眺めていた。




その夜。


アースガルズでは

巨人を倒したロキのために

盛大な祝宴が開かれていた。



「さすがオーディンの兄弟!」


「巨人も驚いた顔をしていたぞ!」


「もう一度あの動きを見せてみろ!」


ロキは笑い、

トールも


「あの巨人の顔は傑作だった!」


と豪快に笑った。



オーディンも

「見事だった、ロキ。

今日の勝利はお前が呼び寄せた。」


と満足げな笑みを浮かべた。




男神たちは酒を酌み交わしながら、

相変わらず巨人の話で盛り上がっている。


トールの笑い声が館に響いていた。



その騒ぎから少し離れた席で

ヴェトルは静かに杯を傾けている。


そこへ、二人の女神がやってきた。




「ああヴェトル、ここにいたのね。」


フレイヤが声をかけた。


「あそこはうるさすぎるわ。」


イズンは肩をすくめた。



ヴェトルは黙って酒杯に口をつけた。



「あなたは話を聞いてくれるからいいわ。」


「他の神は自慢話ばかり。

 話にならないのだもの。」



ヴェトルは静かに言った。



「……話しているのは君たちだ。」





ロキは杯を掲げながら笑っていた。

だがふと視線を向ける。


柱の近くで、女神が二人

ヴェトルと話していた。



“……なんであいつの所なんだ?”



ロキは少しだけ眉を上げた。


だがすぐに、神々の笑い声に紛れて

杯を掲げた。






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