オレのチャクラを動かすものは
今日は、黒めのしろかえでです(^^;)
「厨二ってオレの事だよなあ」ってググって思った。
まず中二だし……
「邪気眼」テイストありありだ!
それに……
テスト前に飲むコーヒーはブラックにしてるし、変態お姉から“ヘッドギア”されてKANA-BOON、電気グルーヴ、はたまたはっぴいえんどまで聴かされ、サブカル漬けにされている……
だもんで、今さらクラスで浮いてる事など気にも掛けず、今日の昼休みは色んな文字を組み合わせた意味不な単語をノートの端っこに書いていた。『£ƓƳΐΣβ』みたいな……
「ねえ!! 何、書いてるの?」
いきなり黒髪の滝が落ちて来て咄嗟にノートを引っ込めたら、その“滝は”僕の手の甲にサラサラと流れ落ちた。
「隠さなくっていいじゃん!」
不服そうに少しほっぺたを膨らませているが、絶対!笑いをこらえている決まってる“コイツ”は隣の席の柏木さんだ!!
実は黒髪滝が醸し出すいい匂いの不意打ちであたふたしてるオレだが極めて平静を装い言い返す!
「柏木さんには関係ないよ!」
「ええ?? じゃあどの子と関係があるの?」
「女子なんかと関係ないよ!!」
「うわあ!! 女子限定して『関係』とか!! それってエロエロじゃない?」
「なんで!そうなるんだよ!!」
「そりゃ!三浦くんだもん!!」
「だから!! オレだとどうしてエロエロなわけ??!!」
「見て分かるモン!」
「何が分かるんだよ!!」
「決まってんじゃん!! 三浦くん、ムッツリなのバレバレだから!!」
一瞬、昨日の夜中、柏木さんの●●●を布団の中で想像した事がバレたかと思ったが、オレのチャクラは他人に読まれる様なモノでは無い筈!!と切り返す。
「失礼だな!! オレはそんなヤツじゃない!」
「じゃあ見せてよ!ノート!」
しまった!! 柏木さんにまんまと嵌められた!!
しぶしぶ手元のノートを見せると、柏木さんはガッカリ顔になる。
「なんだ! カンペかと思ったのに!!」
「こんな短いカンペあるわけないだろ!!」
「そうだね! このカンペじゃ解読する方が大変だわ!! 諦めてマジメに勉強しよっと!!」
「何を訳の分からん事を!!」
「だって!次の時間、小テストだよ! てっきりカンペ作ってるのかと思うじゃん!!」
「だから!何でオレがカンペ作るって話になるんだよ!!」
「そりゃ三浦くんがムッツリだから!」
「ムッツリじゃねえよ!」
「噓ばっか! でもまあいいわ!」
「『まあいいわ』ってお前が言うか?!!」
「だから気にしないで!」
「気にするわ!!」
「小っちぇえなあ!! そんなオトコじゃ役に立たないよ!」
「何、言ってんだよ!お前!!」
「言ったわね!小っちゃいくせに!」
「小っちゃくねえ!!」
「そんなの分かんないじゃん!」
「分かるよ!」
「嘘だね!」
「お前バカか?! 銭湯や温泉行けば皆、ハダカだろ?!」
「何言ってんの!! 男の器量はハダカ見たって分かる訳ないでしょ!!!」
「器量?」
「そうよ! っとに!! なに勘違いしてんの!!! バカバカバカバカバカバカ!!!」
「バカバカバカバカ言うな!!」
「じゃあ!ドスケベ!ヘンタイ!エッチ! あと何があったっけ?」
「オレに聞くか?!」
「いいじゃん!当事者なんだから!」
「何の当事者だよ!」
「良く言うよ~スケベの権化が!! つうかこれ、良くね?」
「全く!全然!!良くない!!著しい名誉棄損だ!!」
「『棄損だ!』なんてとんでもない!! 権化だよ! 権化の意味知ってる?!『抽象的な特質が、具体的な姿として現れたかのように思える人』って意味なんだよ! 名誉以外の何物でもないじゃん! う~ん! 仕方ないなあ……では“スケベ大王”の称号を与えよう! 私、“由紀”より可愛い柏木沙紀ちゃんの名に於いて!!」
「ハイハイ あの美魔女の柏木由紀子さんよりね!」
「酷い!!! 私、魔女じゃないもん!! せめて魔女っ娘って呼んでよ!!」
「えっ?! ソコにクレーム言う?!!」
「いいじゃん!魔法少女は女の子の永遠のハナユメよ!」
「なにそれ?!雑誌?」
「あ、男のくせに“はなゆめ”好きなんだ!やっぱエッチ!」
「好きとか言ってねーし、なんでエッチになんだよ!」
「皆さ~ん! ここの男子が『はなゆめ』読む子はエッチだと言ってま~す!!槍玉に上げてくださ~い!!」
「言ったの、お前じゃん!!」
「あーっ!!お前呼ばわりは女性蔑視で~す!! 裁判長!!罪状追加で~す!!」
「お前いつから検事なんだよ!! つうか裁判長って誰よ!」
「先生~!!三浦くんにいくら注意しても聞いてくれません!!」
「何、事を荒立ててんだよ!!ってか、お前、小テストの勉強したの?!」
「いけねー!! 三浦くんを遊んでやってたら、時間無くなったじゃん!!」
こう言いながらオレの事をバシン!と叩く柏木さんって酷くない??
でも仕方ないから
「字、汚いし役に立つがどうか分かんねーけど、出そうなところを“オレ流”で書き出してみた」と机の中から別のノートを出してみせたら柏木さん!
「キャーッ!! 嬉しい!! やっぱ三浦くん、大好き!!」とオレに抱き付いたものだから!! オレの左腕と胸は、制服の上からでも分かる“ふくらみ”をしっかり感じた。
それは布団の中での想像の100倍くらいのインパクトがあり……お互い慌てて離れた。
ヤバかった!!
膨らむところだった!!
「もう!! 三浦くんが変なテンションにさせたんだからね!!」
そう言いながら柏木さんはサラサラヘアとノートで顔を隠し自分の席に戻ってしまった。
一方、柏木さんの発した「大好き!!」って言葉でノートと心を奪われたオレは……小テストの出来は芳しくなかったが……その日、布団の中で最高の夜を過ごした!!
「ワオッ!!♡」
おしまい!!
黒姉が不調なので、無理して??黒いのを書いた“清純な”(爆)私です!!
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