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第9話 継承のち謁見


暗黒騎士の能力を継承……?


どういう事だ。




──ピロン!ピロン!ピロン!ピロン!ピロン!………………




突如として通知音が鳴り止まなくなった。



「なんだ…?」


「レイ?どうした!」



謎の通知音はレオニードには聞こえていないようだった。



「いや…なんでもない。とりあえず2日後でいいか。」



謁見を2日後に控えた俺は冒険者ギルドをあとに宿屋に戻った。









「ったく、うるせぇな。なんの通知だよ、、」



宿屋の自分の部屋で一息ついた俺は通知を確認した。




暗黒騎士ダークナイトの称号・黒剣主ダークソードマスターを継承しました。】


暗黒騎士ダークナイトの称号・暗黒竜の主ダークドラゴンマスターを継承しました。】


暗黒騎士ダークナイトの称号・精霊樹の友(フェアリード)を継承しました。】


暗黒騎士ダークナイトのスキル・世界共通扉ワールドエリアを継承しました。】


暗黒騎士ダークナイトのスキル・???を継承しました。】






なんだこれは、、。



あまりにも規格外というかチートじゃねぇか。






最後の???なんてなんも分からん。


鎧を身につけると暗黒騎士の能力を継承するってのがユニークスキルらしい。


俺のために作られたかのようなこのフィット感は鎧との相性によるものなのか。




『レイ、お主それ暗黒騎士ダークナイトの鎧じゃないか!この時代まで遺っていたとは…』



「デウス、これが何か知ってるのか?」



『当たり前だ!暗黒騎士の鎧は我が千年前にこの地を治めておった時にいた国守様こくもりさまが見つけた古代文明。国宝が何故こんな市井しせいにおりておるのだ…!』



デウス曰く、国守様だとかなんとかって人がいた頃は大切に国宝として祀られていたらしい。




千年も経つと他人にポンと渡せるくらいの物になるのか。時の流れは恐ろしい。





『あのレオニードとやらはこの鎧の価値が分かっていないのだ。使えるのがレイしか居ないということもあるが…』



デウスは呟いた。




確かにこの鎧は魔力を喰らうし、喰らった魔力が多ければ多いほど強くなる。



その辺の魔力保持者でも魔力を喰らう鎧をずっと着けていられるわけもなく、ましてやこの鎧を捨てるわけにもいかず持て余していたのだろう。





「にしても、この継承した称号やらスキルやらはチートすぎないか?」



黒剣主ダークソードマスターはよく分からんが、暗黒竜の主ダークドラゴンマスター精霊樹の友(フェアリード)がやばいことは分かる。


スキルの世界共通扉(ワールドエリア)は多分ワープとかできちゃうやつ。





俺、商人なるんだよね??

強くなりすぎじゃない??







『強い方が今後何かと役に立つであろう。良いではないか。はっはっは!』



デウスがレオニードの笑い方を真似して得意げにそう言った。






まぁ、商人やりつつマツリカさんを探さないといけないし。冒険者登録もしちゃったし。あと、姫様の呪いもどうにかしなきゃだし。



やることいっぱいだな。



この世界に来て2日目とか信じられん。

え、この先が思いやられるぞ。





「とりあえず能力を引き継いだなんてことはバレないように隠蔽してしまおう。特に王族貴族にバレでもしたら面倒くさいことになるに違いない。」



『いい判断であろう』






それから俺とデウスは隠蔽によって改変されたステータスを見ながら鎧を付けた《《ルイ》》という謎の青年について細かな設定を頭に叩き込んだ。















時間が経つのは早いもので、謁見の日を迎えた。



「はぁ、どうしよう」




俺は緊張していた。



自分のしたいようにするなんて豪語したはいいものの、所詮俺は営業7年間やってもロクに芽が出なかったモブの1人。



そもそも姫様の呪いをどうにか出来ると決まった訳でもない。



それなのに王様からは是非謁見に来てくれと歓迎される始末。


向こうはまさか鎧の中身があの時召喚して無能だと追い出した俺だとは誰も思うまい。





「レイ!!!!!おはよう!!!!!」



レオニードの無駄に声のデカい挨拶が頭に響く。


「おはよう…。少し声のボリュームを下げてくれ、。」



「おっと、すまない!ずっと待っていたんだこの日を。ようやく、姫様に顔向けができる…!」



レオニードの気持ちが分からんことも無い。


まだ姫様を治すと言った訳でもましてや治せると断言してもないが……。


この話は一旦置いておくとしよう。





「レイ、馬車を用意しているから乗ってくれ!!」



そう言われて外に出ると目の前には太陽の光に照らされて本来よりも更にキラキラと輝きを増した黄金の豪華な馬車があった。



うん…なんていうか……



趣味悪。




これ絶対レオニードが用意したものじゃないだろ。と馬車をよく見ると案の定王家の紋章が刻まれていた。



やっぱりな。




「レオニード、悪いがこの馬車には乗れない。」




王家の紋章が入った馬車には暗黙の了解がある。


この馬車に乗っている者は王家の手付きだから干渉するな、という意味らしい。



昨日、たまたま宿の食堂で冒険者達が話しているのを聞かなかったら、何も知らずに乗っていただろう。




「レオニード。俺は言ったはずだぞ?」



「……すまない!!王がどうしてもと仰ったのだ、、。」



あ、まぁでも鎧を着た姿なら俺だってことは分からないしいいのか。



「鎧を着ている時はルイと呼んでくれ。ルイのままなら馬車に乗っても問題は無い。」



「おぉ!分かったぞ!!ルイ、早く向かおう!」




俺は鎧を着ているルイとして王城に向かった。















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@irohak21

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