表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
雑談集『◼️』  作者: ∀Z
ラフ雑談
69/70

ラフ雑談 メロンパンモンスターの話

 アニメを雑食視聴していたのに、受験生活で心が擦り減り日常系ギャグアニメ中心になった僕にも、日々に溶け込む小さな楽しみの持ち合わせが幾つかあった。

 その一つが、予備校の最寄り駅にあるパン屋のセールであった。

 僕の記憶が正確ならば、隔週の金曜日にメロンパンが108円になるセールが存在し、タイミング良く巡り会えた時だけメロンパンを堪能していた。

 たかが菓子パンと思われる方もいるかもしれないが、非常に貧乏なので定価だと食指が動かない。


 ある日、メロンパンセールに巡り合えた僕は、いつもよりストレスが溜まっていたのか何なのか、凄まじく欲望が込み上げてきた。

『どうせ食べたいんだろう?だったら抱えるぐらい買ってみないかい?』

 込み上げた欲望が何かを決壊させ溢れてしまった僕は、棚に残っていた五つを買い占めてしまった。540円は中々の出費である。


 メロンパンの確かな重みを感じつつ過ごすホクホク気分の僕は、正にメロンパンモンスターと呼ぶに相応しかった。

 休み時間の度に袋からメロンパンを出し食す。いつ見ても彼奴はメロンパンを食べている。お昼にはお弁当を別に食べているにも関わらず。オオサカストリート。

 その光景に友人の一人が我慢出来なくなったのかツッコミに来た。

「パンあと何買っとるん?」

「メロンパンとメロンパン」

「袋の中全部メロンパンなんかい。折角なら色んなの買いーや」

「……。バイキングに行って無意識に同じ物ばかり食べてしまうぐらい、僕の心は擦り減ってしまったのか」

「いや、元から変なだけやろ」

「なんてこったい」


 ヨリドリミドリのパン祭状態の方が心躍り楽しめるし普通である、と主張する友人にバッサリである。貴重な存在である。

 何かと辛めな受験生活の最中に浴びるザクザクなツッコミのおかげで、フワフワさがより際立った甘いメロンパンを、流れゆく一時も全部込み込みで楽しんでいたのであった。

 メロンパンは一つも上げなかったけれども。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ