母の思い
私たちは山田さんの話を聞き、
山田さんに、私と優、そして春菜さんの話を少しして仲良くなり、お互い名前で呼び合う様になった。
陽子さんが純子さんのお母さんに
「これでも私は日本マラソン会の会長をしているから、何か困った事があったら何時でも連絡してきて」と言って、
母達がケータイ電話の番号とメールアドレスを交換しはじめたので、私達も電話番号とアドレスを交換した。
大会を終えて、私と優は家に帰る前に春菜さんにパラリンピックの金メダルを見せに行く事にした。
陽子さんはマラソン会の会長をしていたので忙しく、3日間現地に残り、マリアとアリスは「2、3日観光してからロスに帰る」と言っていて、私と優と母とで空港に向かった。
空港に付くと大勢のマスコミ関係者の人がいて、母の正体が中谷春香とマスコミに知られて、大騒ぎになっていた。
母は大勢のマスコミ関係の人にマイクを向けられ
「私の事は昔の事だから、もう何も気にしていません。
ただ、娘には未来があるので、どうか4年後のオリンピックに出場出来るう、皆様からも訴えていただけないでしょうか、お願いします。」と、それだけを話し、深々と頭を下げた。