留置所
千葉康彦の、取り調べが始まった。
千葉は素直に容疑を認め、取り調べにも素直に答えていた。
検事調べの前日に、刑事に呼ばれ「マスコミがうるさいので、10間拘留する。その間に、マスコミ対策を考えとけ」と言われて、10日間延長拘留される事になった。
拘留された後は取り調べはなく留置所に入れられたままで、暇で仕方がなかった。
3日が過ぎた頃の夕方に看守が近づいてきて、細い男に「お前、明日拘置所に移されるから準備しとけよ」と言い、戻って行った。
細い男は「明日拘置所か嫌やな最後に何か面白い話ししてや、野口さん。」と、大柄な男に言った。
大柄の男は、こっちを見て「お前も何か話すんやったらワシも話したるわ」と言ってきて、惑い考えながら「分かったわ。」と答えた。
大柄の男が「ここだけの話やからな」と言い話をはじめた。
「わしは野口秀樹や、知ってるわな。」と言われ、2週間前に大臣の野口秀樹が何かを汚職した容疑で逮捕されたと大騒ぎになったのを思い出した。
野口は腕を組み、ふてぶてしく笑みを浮かべ大きな声で「お前らはテレビとか見て、まず、大きな勘違をしてるんや。
選挙は誰でも出れるとか言ってるけど、誰でも出れるわけがない。金のあるやつだけが出れるんや。まず絶対に必要なのは供託金や、これは冷やかしや売名行為なんかを防ぐため国に一時金として納める金で、自分に入る投票数が少なかったりしたら帰ってけえへん事がある。もし供託金があっても、事務所費、通信料費、ポスター費なんかに金がめちゃくちゃ掛かって、まず当選せいへんわ。
それから、選挙に落ちたら唯の人やとか言ってるけど、唯の人ちゃう金持ちの人や」と言い、大笑いして、また話はじめた。
「ここからが面白くてな、今、消費税が話題に為ってるけど宗教から税金を取ったら4兆円や、当分消費税上げんで済む。マスコミ、政治家、放送局なんかが宗教と繋がってるから誰も言われへん。
達の悪いのはパチンコや、年間21兆円の金が、パチンコ、スロットで動いてると言われてるが、日本の中で脱税率がもっとも高いとも言われていて、実際どれ位の金が動いているか分からへん。
スポンサーがらみで、テレビのコマーシャルで、やってるやろう。野球やサッカーなんかのスボーツのスポンサーにもなってるし、もちろん政治献金もある」と言い、少し真面目な顔をして、「21兆円と言うたら、その辺の小さな国の国家予算より高いぞ。駅前にカジノがあるのは日本だけでギャンブル依存症は世界で1番日本が多いと言われてる。
パチンコ屋が無くなったら、放送局やスポーツ関係なんかの企業が困るやろ。大口のスポンサーが、おらんようになるからな。それから警察の天下り先でもあるし、もちろん政治家は、多額の政治献金を貰ってるからギャンブル依存症で人生を狂わせる人がいようが自殺者が出ようが国はもちろんマスコミも何も言えへん。パチンコ屋を、つぶす事が出来ないとしても、パチンコの掛け金の、レードを下げて、今のレードの4円パチンコ、1円パチンコ、20円スロットを、10分の1のレードにしたら1兆円ぐらいの産業になって、大卒しか社員になられへんパチンコ屋の雇用が減り、農業、飲食なんかの雇用問題が解決される。それから、ギャンブル依存症で、借金する人も減少して、治安も良くなり金も回るやろう。
なにより公共のギャンブルと言われているパチンコ、競馬、競輪、競艇など全てに掛け金関係なく払い戻し金に高額な税金を掛けたら消費税を減らすことが確実に出来る。
大半の頭が良いやつらは自分の事しか考えてない。しょせん金のある奴の所に金は行き、金の無い奴の所に金は無い。わしは捕まったけど今度の選挙でも当選する自信はある。もし落選しても金はそこそこ持ってるしな」と言い、ため息をついて
「面白かったやろ、世の中そんなもんなんや。
刑事事件、民事事件でもテレビドラマで出てくるような弁護士や検事、裁判官はまずいてないやろう。学力があって法律の事は詳しいやろうが、世間知らずのやつもいていてとんでもない結果を出す奴もいてるからな、上告するのにも金もかかるし時間のかかる。当たり前やけど金になれへんかったら弁護士は真剣には動けへんやろうしな。結局は自分の事じゃないからな。だから刑事事件で裁判員制度をしてるやろう。
男のアイドルの事務所の社長のセクハラや、女の劇団のハラスメントの問題でもマスメディアに大きな力をを持っていたら公表差される事がないやろう。
ま、俺の話はこんなところかな。さあ、お前の番やぞ」と言われ、
少し考えていると、細い男が「誰にも言わへんて、言ってるやろ」と、眉間にしわをよせて強い口調で言ってきたので、少しためらいながら話をはじめた。




