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ミミックの日常  作者: 本の繭
パンドラ編【短編】
37/50

ガチャスキル




 43階層【血の花園】 



 僕はある冒険者の男と戦っていた。


“ガチャスキル”


“SSR 魔剣レーヴァテイン”


 そいつがスキルを発動すると、大きな剣が出現する。


 これが噂に聞くガチャスキルか…初めて見たな。

 ガチャとは発動させるとランダムで武器や防具、生物が生み出されるスキルのことだ。努力なしで強大な力が手に入る…いわゆるチートスキルだ。


「くらえ!」


 冒険者が僕に向けて剣を振るう。


「…」


 僕は指一本で剣を止めた。

 …やっぱりこの武器には()()()()()()()()()


「な…SSRの剣が!?」


 攻撃が通用せず冒険者は狼狽えていた。

 

“ガチャスキル”


“SSSR 最強メイド”


 そして冒険者は懲りずにガチャスキルを発動する。

 うわ…今度は人間の女を召喚したよ。


「行け!俺の最強のSSSRキャラ!」


「はい、ご主人様」


 メイドが僕に向けて剣を振るう。

 なかなかの強さだが…


“髪縛り”


 僕は髪手を伸ばし、メイドを縛って動きを封じた。


「くっ!」


「…」


 うん、このメイドにも魂がこもっていない。


 ものは過去があるからこそ魂が宿る。

 ガチャなんてスキルから生まれる最強装備には、最強へ至るまでの過程が存在しない。このメイドも生い立ちや今日まで歩んできた人生がない、まさにただの人形だ。


 傑作には作り手の魂が宿る…そんな言葉をどこかで聞いたな。

 魂無きものに真の力は宿らない。


“神突く”


 僕はスキルでメイドの首を落とす。


「ば、馬鹿な…!?」


 冒険者は万策尽きたようだ。

 ガチャスキル任せでこのダンジョンに挑むとは…僕が相手じゃなくても、こんな魂のこもっていないスカスカの道具はすぐ通用しなくなる。


“能力封印”


 僕は男が持つガチャスキルを封印した。

 こんなゴミを量産するスキル、二度と使わせないぞ。ダンジョンにゴミをポイ捨てするのは禁止だ。

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