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ミミックの日常  作者: 本の繭
パンドラ編【短編】
34/50

なんたらウイルス




 50.5階層【魔獣窟】



「パンドラ、大変です~…」


 ダンジョンに向かおうとしたら、ミミック仲間のタマテに呼び止められた。タマテはマスクをして体調が悪そうだが…


「どうかした?」


「ウイルスにかかってしまいました…けほ」


「ウイルス?」


「どうやら別の異世界で…なんたらウイルスが流行っているようで…」


「…」


 つまり余所の異世界で流行っているウイルスを冒険者がダンジョンに持ち込み、それにタマテが感染してしまったということか。


「昨日相手した冒険者が…感染していたらしく…」


「まったく、感染してるならダンジョンに来るなよな」


 ウイルスを持ってダンジョンに来るなんて、迷惑な冒険者だ。


「私はしばらく休みます…うつしてしまったらごめんなさい…けほ」


 タマテは辛そうだ。

 この調子でウイルスがダンジョン内に蔓延したら、余所の異世界にまで広まってしまう。そうなればダンジョンの人口も激減だ。


 それではつまらん、早急に対応しよう。


「ちょっとそのウイルスくれ」


「ん…?」


 僕はタマテの口に指を突っ込む。

 そして指に付いたタマテの唾液を口に含んで解析する。


 …なんだ、大したことないウイルスだな。

 これならこうこうこうして抗体を作って…


“結界魔法”


 ダンジョン全体に結界を張り巡らせる。


「何をしたんです…?」


「なんたらウイルスを弾く結界を張った。これでダンジョン内のウイルスは消えてなくなるし、もう外から入ることもない」


「対処が早いですね…流石はパンドラ」


 ウイルスなんて僕からしたら取るに足らない微生物。

 対処なんてチート冒険者よりも簡単だ。


「なんだか元気になりました…」


 結界の効果が効いたのか、タマテは元気を取り戻していた。


「パンドラや大ボスが…このダンジョンを守ってくれて安心です…」


「僕らはこのダンジョンに住まわせてもらってるんだ、これくらいはするさ」


 ダンジョン内の環境を整えるのはダンジョンに住むモンスターの役目、ダンジョンの平和は僕らが守らないとね。

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