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ミミックの日常  作者: 本の繭
パンドラ編【短編】
19/50

拾ってきた少年




 50.5階層【魔獣窟】



 僕はダンジョンで捨て子を見つけた。

 どうするか迷った結果、モンスターの巣窟“魔獣窟”まで連れて来た。


「どうすればいいと思う?」


「………」

「………」

「………」


 今いるのは僕たちミミックの住処。

 ミミック仲間のヒウチ、シュレ、タマテは少年を見て目を丸くしている。


「いや、そもそもいいのか?魔獣窟に人間を連れ込むなんて」


「細かいルールはないですけど~普通に考えたらダメですよね~」


 ヒウチとシュレの言う通り、魔獣窟は強いモンスターだけが集まる隠れ家なんだ。常識的に考えれば人間が紛れ込むなどあってはならない事態だ。


「人間年齢は七歳…男の子…脳に欠陥あり…失語症ですね」


 タマテが少年の詳細を調べてくれる。


「ああ、それで喋らないのか」


「傷が複数…モンスターによるものではないですね…」


「捨て子だろうし、人間同士のいざこざだろ」


「取りあえず…身なりを整えておきますね…」


 そう言ってタマテは薬品やタオルを持って少年を奥の部屋に連れて行く。


「それで…どうするのだ?まさか飼うのか?」


「うーん、どうしよう」


「私たちもずっとここにいる訳ではないですし~他のモンスターに見つかったら絶対に食べられますよ~」


「…」


 この世は弱肉強食なんだし、あの子が喰われるのは構わない。でもそれはなんか失敗したみたいで嫌だな。くそ…賢者が生きてたら人間界に少年の居場所を作って終わりなのに。 


 ………あ、そうだ。


 偶然にも、人間も行き来するモンスターの住処に心当たりがあった。

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