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ミミックの日常  作者: 本の繭
パンドラ編【短編】
14/50

ビッグスライム




 12階層【止まない雨の丘】



「スラっち…大きくなったな」


「♪」


 ダンジョンにスポーンしたら、前に遭遇したスライムのスラっちがいた。


 スラっちは嬉しそうに僕にすり寄ってくる。

 これが二回目の遭遇になるんだけど、前より随分と大きく成長したな。どれステータスでも覗いてみよう。


“鑑定”


――――――――――

ビッグスライム(スラっち)

レベル 23


スキル“再生”

――――――――――


 うん、順当に成長してる。

 だが弱小モンスターの域を出ていない。


 僕は賢者からスキル伝授の方法を教わっている。その気になればスラっちに新しいスキルを伝授させることが出来るんだけど…


「ふふ…賢者に見習って、僕も災厄をばら撒くとするか」


「?」





 ダンジョンの奥から冒険者ペアがやって来た。


「おい、スライムがいるぞ」

「へへ、経験値の足しにしてやるぜ」


 スライムを発見した冒険者は迷わず戦闘態勢に入る。

 慢心しているな。


 今のスラっちはただのスライムじゃないぞ。


「おらぁ!」


 冒険者がスラっちに剣を振るう。


“超速再生”


 スカッ


「なに!?」

「すり抜けたのか!?」


 冒険者の剣はスラっちの体をすり抜けたように見えた。


 ふふふ…すり抜けたのではない。

 スラっちの再生能力を強化させ再生速度を高めたんだ。斬ったところで即座に再生し元の姿に戻る。


 さあ反撃だ、スラっち!


“捕食”


 スラっちが冒険者を飲み込む。


「ぐぼぉあ!」

「がばばばば!?」


 大きくなったスライムの体積は冒険者を飲み込むには十分だった。

 上出来だな。


 ぺっ


 スラっちは冒険者ペアを吐き出す。


「に、逃げるぞ!」

「ひいいいい!」


 冒険者は逃げ出した。

 スラっちが冒険者の命を奪わず吐き出したのは、僕がそう指示したからだ。


「なかなかだぞスラっち」


「♪」


「いいかスラっち、お前は強い力を得た。だからこそ正しいダンジョンの生き方を覚えておけ」


「?」


「まず“敵を作らないこと”これが大事だ。あのままスラっちが人間の命を奪ったら、スラっちの危険度が上がり強い冒険者が討伐にやってくる可能性が出てくる」


「!」


「殺傷は最低限、覚えておくんだぞ」


「♪」


 ふむ、これだけ教えればスラっちは大丈夫だろう。

 次に会う時の成長が楽しみだ。

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