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勉強会の忘れ物 4話

 

「「……」」


 俺と月乃が俺の隣に座る謎の少女を見つめる。


「あっ!ポテトもーらい!」

「おいコラ」


 冷静に考えてこいつイカレてやがる。

 ファーストフードで見知らぬ男女の席に無断で同席して、突然会話に参加した挙句盗み食い。でも可愛い。可愛いからポテトは分けてやろう。


「ほら、言えば分けるから」

「おっ!おにーさんわかってるねえ!」

「……」


 月乃。なんだその目は。

 いや、俺が変なノリを始めたせいで話が進まないのか。


「んで、お前は誰なんだ?」


 責任をもって俺が話を進める。


「おっと失礼!あたしは紗里さり。月乃の友人です!」

「はあ。月乃の」


 イカレ女ではなかったらしい。


「それで、おにーさんは?」

「後藤陸。知らないのか?」

「ほえ?知りませんよ?」

「陸くん、紗里は中学の頃の友達なの」

「なるほど」


 つまり同じ高校じゃないってことか。そりゃあ俺のことは知らないか。

 しかし、さすが月乃の友達。類友とは言うが、レベル高いな……


 そんなことを思っていると、紗里はニヤニヤして俺と月乃を見ていた。


「へー。ほー。これはこれは……」

「何よ……」

「いやー。月乃にも春が来たんだねえ……」

「……別にいいでしょ」


 何やらやりづらそうな月乃。ふむ、ここは彼氏として一つ……


「紗里さん、でいいか?」

「紗里でいいですよ!」

「紗里。L〇NE交換しよう」


 弾かれたように俺を凝視する二人。


「おやおや!彼女の前でナンパですか!?そんな、私がいくら可愛いからって困っちゃいます……」


 大袈裟にリアクションする紗里。


「陸くん……?」


 月乃、何故そんな顔をする?


 ……まあこれ以上話をややこしくしても収束がつかなくなるだけなので、早いとこ話をまとめにいく。


「紗里には月乃とのことを欲しいだけ報告してやる。その代わり、中学時代の月乃のことを教えてくれ」

「陸くん!?」

「なるほど!それは交換しないわけには行きませんね!」


 テキパキとお互いを友達登録する。さすがJKというべきか、手際がとてもよかった。俺なんて携帯を貸しただけだ。


「それじゃ、私はこれにて!陸さん、今夜が楽しみですね!」

「今夜は寝れそうにないな……」

「陸くん!!」

「おっと、退散です!」


 脱兎の如く逃げ去る紗里。

 月乃は俺の名前しか言えなくなったらしい。


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