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五十嵐月乃との出会い 2話

 

 HRホームルームが終わり、一限の準備を始める。

 教科書全て置き勉している俺は、とりあえず引き出しの中かロッカーを漁れば教科書があるので楽ちんだ。


「……ん?」


 一限の現代国語の教科書を探しに引き出しの中を漁ると、教科書の山の上に何かの紙が入っていた。


(昨日プリントでも忘れたのか?それにしては小さいが……)


 そう思って取り出してみると、それは一通の手紙だった。


「うわ……」


 思わず心の声が漏れてしまう。

 こういう青春!みたいな展開はいらないです。お引き取り下さい。

 気づかなかったことにしようとしまい直そうとしたところで、ふと差出人の名前が目に入った。




 五十嵐月乃いがらしつきのより。




(五十嵐月乃って──あのアイドルとか言われてるやつか!?)


 これには流石に動揺を隠せなかった。

 曰く学校のアイドル。曰く完璧美少女。

 五十嵐は俺たちと同じ一年で、この六月までほぼ毎日告白されているとかいう噂があるらしい。女版俊平と言ったところだろうか。俺は見たことないから知らないが。


(……流石に気になるな)


 俺も別にそんな学校のアイドルに告白されるんじゃとか勘違いするほど思い上がってはいない。むしろ絶対面倒事だろう。

 それでも、気になるものは気になるのだ。

 あと、五十嵐がどんなやつかわからないのも少し怖い。

 スクールカースト的に言えば天と地の差だ。五十嵐が俺に敵意を持てばたちまちに俺のスクールライフはどん底に落ちるだろう。


(読むだけ読むか)


 そう決めると、早速封を開ける。

 中には小さなメモ用紙が入っており、簡潔にこう書かれていた。




 ───今日の放課後すぐに屋上へ来てください。来なかったら潰す。




(oh…)

 潰すて。

 こいつはあかん。

 噂ではおっとりほわほわした天使みたいな人とか言われてたんだが。

 絶対面倒事だ。読まなければ……いや、そしたら潰されてたか。

 これがスクールカーストの差か。俺に拒否権なんてないんだな。おーけー。行きゃあいいんだろクソ野郎。



 結局、その日の授業は憂鬱でとてもじゃないが集中できたものではなかった。

 まあ、いつも集中はしてないが。


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