閑話 変化
休日が明けた月曜日、いつものように登校していると俊平達に出会った。
「……あ、陸。おはよう」
「でさ、それでさー」
挨拶をする俊平。
挨拶をしない俺と平田。
はい。多数決で挨拶は必要ないことに決まりました。
「二人ってなんだかんだ息ピッタリだよね」
「「はっ」」
「ほら」
鼻で笑いやがったな平田。
「不名誉すぎなんだけど」
「右に同じく」
「意見までピッタリだね」
「はっ」
今度は、平田だけが鼻で笑う。
「ちょっと後藤、今のは『はっ』ってやるとこでしょ」
「飽きためんどいもういいや」
「何その三段活用みたいなやつ」
その後も俊平と平田に絡まれながら、登校していく。
なんか、実際は数日ぶりなのにこの感じが久しぶりな気がする。それだけ濃厚な日々を過ごしていたということだろう。
(もう戻れないのか……俺の愛しの薄っぺらい日々……)
とはいえ、騒がしくなるならなるでそれを楽しんだ方がいいだろう。
そうだ。今から無言キャラポジション目指すか。
「陸、また変な事考えてるでしょ」
「……」
「陸?」
「……別に」
「キモいよ後藤」
「うるせえ」
ダメだこりゃ。
自分でもキモいって思ったわ。
「後藤ってたまに意味わかんないことするよね」
「そこが陸の面白いとこだけどね」
「えー。わけわかんないとこじゃない?」
わけわからんのはお前の頭だ。
そんな風に騒がしい登校を、俺なりに楽しめたのだった。




