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004

冒険者登録も終わり、俺たちはダンジョンを攻略してみることにした。


リアによると、ここのダンジョンは野良のダンジョンで、ダンジョンマスターはいないらしい。


かなり深いと言ってもエリスがいれば簡単に攻略できるんではないだろうかとのことだった。


「旦那様の身の回りの警護はお任せください。」


「ありがとな。けどある程度なら戦えるし、神器レヴァレディもあるし、行けるところまで俺がやってみるよ」


「わかりました。しかし何かありましたらすぐに助太刀致しますのでご了承ください。」


「うん。それでいいよ。済まないな。」


「いえ。」


そんな会話を重ねながら都市内にあるダンジョンの入り口へといく。


そこでもギルド職員が受付等していたが、冒険者かそうではないか調べるだけで特に何もなかった。



「ここが普通のダンジョンか。」


自分のダンジョンしか知らないため、そのような感想を述べる。


そもそもうちはまだ弱小すぎてダンジョンと呼べるのかも怪しい。


俺はレヴァレディを構えて先へ進む。


1階層は洞窟式になっていて、これは10階のフロアボスを倒すところまで続いてるそうだ。


これは冒険者ギルドでダンジョンの基本情報として教えてもらった。


他にも歴代最高到達階層は49層で、50層のボスは倒せなかったがかなりすごいとのこと。今も45層まで進んだパーティーがあって、いずれ50層を超えるのではないかと言われているのだとか。


そんなことを思い出しながら進んでいるとエリスから声がかかる。


「旦那様あちらの角から魔物が1体参ります。」


全然気づかなかった。まぁ当たり前か。戦闘経験もなければスキルもない。ステータスだけが高くなっているだけだからな。この辺も今後鍛えなければ。


角から出てきたゴブリンもこちらに気付いて向かってくる。


俺もステータスの高さを活かした戦い方で剣を走らせ、ゴブリンの首目掛けて斬り込む。


その疾さに反応すらできず、ゴブリンの首と身体は真っ二つに分かれ、粒子となって消えていった。その場に寂れたナイフを残して。これがドロップアイテムと言われる物らしく、これを冒険者は集めて金に替えたりしているらしい。このゴブリンのナイフじゃあ大したお金にはならないらしいけどな。



「教えてくれてありがとう。今後も気づいてなかったらどんどん言ってくれ。その辺、俺はまだまだだからな。」


「畏まりました。」


ゴブリンのナイフをストレージにしまって先に進む。





10階層フロアボスの前までたどり着く。


戦いの経験がそんなにないにしても、ステータスが勇者並に高すぎるため、ここまでの敵は大したことがなかった。


例の冒険者ギルドからの情報では、ここではオークジェネラルが出てくるらしく、ボス周回をする者が多いのだとか。


その理由はオークジェネラルが落とすドロップアイテムである、オークジェネラルの霜降り肉。これが豚肉の中でも2番目にうまいらしく、貴族も好んで食べるほどで、十分な力のある冒険者はパーティーのご飯を豪勢にするためここを周回するそうだ。


ちなみに一番おいしいと言われているのがオークキングの霜降り肉で、これは王族でも滅多に食べれない。



すでに部屋の門前にはボス戦の順番待ちが出来ていて各パーティーがそれぞれの方法で休んでいる。


ある者は武器を手入れし、ある者はお茶を嗜む。本を読んだりとここがダンジョンであることを忘れてしまいそうだ。


と言っても時間も17:00を回ったところなので俺たちも飯にすることにした。


以前にエリスには素材を渡してあるのでそれで調理してくれるみたいだ。

出来合いのものもあるっぽいのだけれどこの場で作ってくれるようだ。


どこから出したのか彼女は調理器具や食材を次々スカートの中から出してくる。


気になって聞いてしまった。


「エリスそれどうなってるんだ。」


「メイドの嗜みです。」


と彼女は微笑むが、これ以上聞いてはいけない空気を醸し出していた。


「そ、そうか。」


「はい。」


そういうと彼女は黙々と手を動かす。その手際には本当に感心する。


「はぁー、マスターはいいですね。おいしいご飯が食べれて。私もご飯というものを食べてみたいです。」


暇になったのかリアが話しかけてくる。


「あの体じゃご飯なんて食べれないもんな。」


「そうなんですよ。私の視覚はマスターと共有されてますからいいですけど、他の機能は使えませんからね。」


「そうだな。それも考えないとな。」


そう、前から思っていたことだが、リアに生身の体を与えたいと思っているのだけれど、どうすればいいのやら。


リアとの雑談で時間を潰してる間にエリスは料理を完成させていた。


「旦那様出来ました。簡単なもので済ませてしまいましたが、こちらがシチューと鶏の唐揚げに明太子のおにぎりになります。」


それはとても簡単に作ったとは思えないほどの出来栄えだった。



早速シチューからいただく。


う、うまい!


唐揚げはどうだ。


カリッ!ジュワァ~


外はカリッと中はジューシーに仕上がっていて口の中でとろけるようだ。


やっぱりエリスの手料理はうますぎるわ。


無我夢中に箸を動かす。


「あっ」


すでに皿には唐揚げもシチューも無くなっていた。


「旦那様」


エリスの声で我に帰る。


すると周りから視線が集まっていることに気付いた。


どうやら飯の匂いがかなりしていたようだ。


絡んでくるようなやつは居なかったが、きっとオークジェネラル討伐への士気をあげたに違いない。


みんな美味しいもの食べたいもんね。


みんな意気揚々とオークジェネラルに挑んでいく。


そして30分ほど待って順番が回ってきた。


中に入ると3メートルほどの二足歩行の豚が剣を持って立っている。確かに途中狩ったオークにそっくりだ。


ボスだジェネラルだと言っても、所詮オークはオーク。今の俺には肉にしか見えてなかった。



「ぶぉーぉーん!」


オークジェネラルはこれまで何千回何万回とやられてきたであろうが、なかなか勇ましく吠える。


しかし俺の中ではすでに骨付き肉に変わり果てているので、微塵の躊躇もせず接近して剣を振るう。


「ぶぉ?」


オークジェネラルも訳がわからないようだ。


しかし時すでに遅し。俺の剣はすでにオークジェネラルを切っていた。



「悪いな。」



そのセリフと共にオークジェネラルはチリとなって消え、後には大きな肉の塊をが残されていた。



「旦那様。霜降り肉の方がドロップいたしました。」


「まじで!」


おー運がいい。一発で出るとは。普通は通常ドロップのオークジェネラルのロース肉が多いんだけどな。


俺はちょっとるんるん気分で霜降り肉をストレージにしまって、奥の転移部屋へと向かった。

うぅぅ難しいですぅ

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