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投稿処女作になります。文章校正など下手くそですがアドバイスくれるとうれしいです。
「アルトよお前に名も無き土地を与える。領主としてその地に赴き開拓せよ!」
父でありアーツェルフ王国の国王であるボルザ・アーツェルフが高らかに宣言する。
領地を与えられることは本来名誉あることだろう。しかし今回に限って言ってしまえばこれは追放なのである。邪魔ものである俺をこの土地から消し去りたいのだ。これが王子という立場でなければ今頃殺されていたかもしれない。そう思うと少しは運も味方してくれたのだろう。
そうして俺は16年住んだこの王城を離れ名も無い土地へと移動を開始した。
馬車で揺られること1ヶ月と少しようやく目的地へと到着する。
馬車を下ろされ持たされた荷物はボロい鉄の剣と少しの食料が入ったバックだけだ。
「これ少しはどうにかならないのか。」
「なりません。これでも温情を掛けてるのです。殺されないだけ感謝してください。」
どうせこのような場所に俺一人置いて行かれたらすぐに死ぬ。自分の手を汚したく無いだけだろう。
騎士たちはその場を去っていく。
俺は一人何もない草原に残された。
止まっていても仕方がないので休めそうな場所を探しにいく。
遠くには森が見えるが歩くのは難しいだろう。
それに森には凶暴な魔物が多いと聞くからな。
俺は荷物にあった地図を広げる。
ここの東西に延びる草原を含め南の森北の山脈、草原を東に抜けた先にある海までが俺の領地のようだ。
事前に調べた限りこの領地に住んでいるのはせいぜい1000人がそこらだという。
これだけ広大な土地がありながら僅かな人しか住んでいないのはそれだけ森の脅威が凄まじいからだそうだ。
そしてあの騎士たちは数少ない集落ではなく、わざわざ森の近くまで進み、誰もいない場所におろしやがった。つまりさっさとしねということなのだろう。
と歩きながら考えていると草原に小さいが穴の開いた場所を見つけた。
「おっラッキーこれで休憩できるかもな。」
おれはそう思い奥へと入っていく。
すると中はそこそこ広い空間になっていて暗いかと思いきや真ん中に光球があったおかげで洞内は照らされていた。
「なんだあの球は」
俺は興味本位にその球に触れる。
「適合者確認。ダンジョンマスターとして登録します。サポートオペレーター、リアに引き継ぎます。」
と機械らしい音が流れてくる。
ん?機械?そんなものこの世界にあったか?
え?この世界?矛盾が矛盾を生む。
「おはようございますマスター。これからあなたをサポートしていくサポートオペレーターのリアです。」
その時全てを思い出したかのように今俺が体験した現象を理解した。
今俺は前世の記憶を取り戻していた。
「マスター?大丈夫ですか?ぼーっとしてますけど。」
心配そうな声が頭に響く。
「お前は誰だ?」
「自己紹介したじゃないですか。私はマスターのサポートをするリアですよ。」
リアという声の主が呆れたように言ってくる。
「そもそもなんのサポートなんだ?」
「そうですね。まずマスターには色々と説明させていたどきますね。実は」
と彼女は話を始めて色々と説明してくれた。
俺がダンジョンマスターになったこと。
DPを集めてダンジョンを強化して、世界一のダンジョンになるために頑張ること。
DPを得る方法。ダンジョンに人を呼ぶことでその魔力を吸収して集めたり、自分のダンジョン以外の魔物を討伐したり、金銀財宝や討伐した魔物の素材をダンジョンで吸収したりすることによってDPを回収するらしい。
「それでは頑張っていきましょうー」
とのことだった。
その他にもダンジョンマスターに与えられる能力としてメニューがあり、ここではステータス、ストレージ、マップ、管理、ショップが使える。各詳細はこちらだ。
ステータス
アルト・アーツェルフ
ダンジョンマスター
HP2000
MP2000
攻撃力100
守備力100
魔法力100
敏捷力100
スキル
この世界の人類はレベル制で成長するのだが、ダンジョンマスターとなった俺はそのシステムから外れ、初期ステータスとしてオール100となっている。コアのある部屋を0階層として、階層を1つ増やすたびにステータスも20ずつ上がるそうだ。
次にストレージは荷物の出し入れができ、機能として容量無限かつ自動で整理される収納系スキルのようなものらしい。
マップは我ダンジョンの詳細が分かるものらしく、今何階層に誰がいるみたいなことが分かるらしい。
管理はダンジョンの管理が行えるらしく、眷属、配下となった魔物などを管理したり、DPで購入したダンジョン構造物などの設置場所変更や、さらには階層の入れ替えなどができるそうだ。
最後にショップだが、ダンジョンを警備する魔物はもちろん、建物や武器といったアイテム、日用品に至るまで売っていて、中にはガチャの項目も見られた。
「なるほどね。これらを駆使してダンジョンを強化していくわけだ。」
「はい!そうなのです!世界一になればきっと何かある気がします!」
とリアは元気よく肯定した。
その時また機械の声がした。
DPを取得しました。次回からは音声によるアナウンスはありません。
なんと今DPを獲得したらしい。
「あのさリア」
「なんでしょうか?」
「DP獲得したみたいなんだけど?説明プリーズ」
「・・・え?DPが手に入ったんですか?」
「そうみたい。」
「確かにダンジョン内に人がいれば、その魔力をDPとして1時間に一度のポイント時に得ることが出来ますが・・・」
と彼女はどうやら考えはじめたようだ。
その間に得たポイントを見てみる。
所持DP71440となっていた。
するとリアは何かに気づいたようで再び話しかけてきた。
「原因がわかりました。なぜ61440DPを得ることになったのか。管理を見ていたのですがその画面には本来ないはずの領地の項目があり、その領地の領民から得られたようです。システム的には領地がダンジョン内と判断されているようです。」
「領地か。確かに俺は領地を持っているが」
まさかあったこともない人からこのようにDPを貰えるなんてな。これなら将来的にちゃんとした領主になった時には、税金を支払ってもらわなくていいのでは?と思ってしまう。
「とにかく普通こんなことはあり得ないんですよ!」
けどと続ける。
「地図を見る限り、これだけの広さの土地が領地として認識されていて、実際に住んでるのは1024人。これから領民を増やせば増やすほどDPの収入が上がるわけですよ!」
と彼女は興奮気味で語る。
「なのでマスター、ダンジョンの強化も大事ですが領地の開発にも力を入れましょう。幸いにも本来ならダンジョンの外であるはずの地上も、このダンジョンの一部として見られてるのですから!」
こうして俺のダンジョンマスターとしての方針が決まった。