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 6日目 窓の外からこんにちは

1808字

A・B・C のうち、Cが主人公です。


暗い部屋で男が3人、その中のAが、最近体験した話を話してくれた。


話によると、ふと窓を見ると、女が窓から部屋の中を除いていたそうだ。

カーテンを閉めても、そのシルエットがはっきり映り実体があるのではないかと、不気味に思ったらしい。


そこまで聞くと、もう1人の男性Bがヤジを入れた。


「えっ?女なら大歓迎じゃね?見られてるって興奮するんだけど」


何時いつもなら、満更まんざらでもない様子を見せるAだが、何か思い出したかのように、顔を青ざめながら


「それがさぁ…、その女顔が潰れてて血塗れだったんだよね。てかその前に、俺の部屋2階じゃん?」


Aは、顔を青ざめたまま


「顔がつぶれてないで、美女ならイケたと思うけど〜。」


そう言って、強がる様に無理やりニヤリと歯を見せて笑った。


「ギャハハ!!お前無いわ〜!!!で、それでか?そこの窓雨戸あまどまで閉まってんの。」


そう言って、Bが指さした先は雨戸まで閉めてあるせいか、暗くて重い雰囲気を放っていた。

前来た時は、陽の光を入れていた窓は、今は閉めきってある。


そのせいか、日中なのに電気が点けてあるにも関わらず、室内はみょうに薄暗く感じられる。


「あぁ、そう。なんか不気味じゃん?入ってきそうで。2~3日ずっと俺の部屋を覗いてたけど一昨日やっと、居なくなってたから閉めた。」

「へぇ〜アホだなぁお前、開けとけばまた会えたかも知れねぇのに。」


そう言って、また揶揄からかうBに、Aは両手で作った握りこぶしを、Bの頭にグリグリと押し当てながら


「お前は本当にうるせぇな〜。さっき言った通り、顔ペチャには興味ねぇって言ってんだろ〜?俺は。」


最後、背中を強く叩いてニヤリと笑った。Bは、痛むであろう頭と背中をさすり苦笑いを浮かべながら


「ふふふ〜ん?あれ、そう言えば…Cさっきからしゃべらねぇな?お前、こう言うのは苦手なん?ダメだなぁ〜男は度胸だぜ?」


静かに聞いていた俺に、話を振ってきやがった。


「あぁ苦手だ。それよりA、B、さっきから調子悪いから、トイレ借りるよ。」


それを聞いてAは、「クソか?」と呟き


「やっぱり怖いんだな!大丈夫たC、この世にはオバケなんて居ないさ!」


とBは、なんの根拠もないことを腹を抱えて笑いながら言ってたが、もう耐え切れないので部屋を出た。

トイレで用を足し、気分が落ち着いてきた時、ズボンのポッケから、スマホを取り出し


『調子悪いから帰る。ゲームするの、明日俺の家でやろう。』


そう書いて、Aに送信した。すると、階段の方向から足音が降りてきてその足音はトイレのドアの前で止まった。


「大丈夫か?C……。」


Aの声だ。トイレのドアを開けると、Aが顔を青ざめながら俺の様子をうかがっていた。


「あぁ、それよりさ雨戸開けた方が良いと思う。閉め切っているより陽が射して明るい方が、気が楽になると思うから。」

「……何か見えた?」


俺が霊感がある事を、Aは知っている。当時は中一だったが、Aとは保育園の時から友達だから。

そして、Aが買ったという新ゲームやろうと言う約束のついでに居るか居ないか見て欲しい。とたのまれてたのだ。


「……いや?窓には変な気配は無かった。お前は、もう見ないだろうしな。気にしなくて良いと思う。」


俺は、そう数秒考えてから言うと見違えるほど、青かったAの顔色は良くなった。


「そうか!良かった〜!!」

「あぁ、じゃあ明日家でゲームな。」


そう言って、玄関のドアを開けると


「おう!菓子持ってくわ」


元気よく俺を見送ってくれた。そんなAに、軽く手をってから家を出た。




家の玄関前に立ち、気休めにすぎない処置だが、玄関前にある塩を一つまみ体に振った。

そして部屋に入ると、ベットの上に寝転がった。


……すごく疲れた。


Aの言っていた幽霊だが、俺が言った通り窓には気配もしないし、いなかった。

慣れてない人は、幽霊の事を意識し過ぎて体を壊す事が多いから言わなかったが

確かに窓には居なかったがソイツは、Aの部屋の中にいた。ソイツはAのベットの上に突っ立ったまま俺達をじっと見下ろしていたのだ。


たまに、一時的見えるようになる奴がいる。Aは、そのうちの1人だったのだろう。

2~3日見えていたみたいだが、もう見えてないようだ。



2週間後、一応気になるのでポ○モン勝負をするという口実でAの家で遊ぶ事にした。

もうその頃には、あの女は居なくなっていたのでした。


フィクションです。

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