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 5日目 おばあちゃんの家

853字


今日は、なんだか知らないけど親族を集めている日だった。

大きな家に車で連れて行かれた僕は何でか分からないけど、怒っているような怖い顔をしているお母さん達に部屋から追い出された。

なので、久しぶりに集まった従兄弟達と一緒に、かくれんぼをする事になった。



広い庭がある大きな家。隠れる所が沢山あるので迷子になりながらも、僕は、棚の影に息を潜めて隠れた。


障子からもれる優しい光、畳から香る草の匂いがする落ち着く部屋だった。


「おや……何してんだい?」

「んぅ!?」


突然背後から声をかけられ、僕は慌てて後ろに振り返ったが、そこには誰もいなかった。

しかし、前を見ると何時の間にか優しげに微笑みながら、僕を見下ろすお婆ちゃんがいた。


「今日もいい天気だねぇ……外で遊ばないのかい?」

「しー。かくれんぼしているの」


陽気に尋ねてくるお婆ちゃんに、僕が口元に人差し指を立ててジェスチャーすると「そうかい。そうかい。」と楽しげに笑うと


「絶対に見つからない場所を教えてあげるよ。」


そう言って、手招きをした。

不安になりながらも、誰にも見つからないように周りを警戒しながらお婆ちゃんの後について行き、場所を教えてもらい、そこに隠れた。



それから暫くして、お母さん達が僕の名前を呼ぶ声が聞こえてきたので、急いでそこから出て、お母さんの所に行くと、味噌汁の匂いやら良い匂いがしていた。


従兄弟達に僕がどこにいたか尋ねられ、お婆ちゃんに隠してもらったというと、不思議そうな顔をしていた。僕は、なんで変な顔をしているのか分からなかったが、お昼ご飯を食べた。



用事が終わったみたいで、お母さんとお父さんに呼び出され、僕は車に乗った。


車の中で聞いた話だが、実はその日はお婆ちゃんの葬式だったらしい。


それを聞いてから、僕はある疑問を覚えた。じゃあ、あのお婆ちゃんは誰だったんだろうと。

その時は本気で、その時あったお婆ちゃんは、お婆ちゃんの姉妹か双子なのかと一人納得していたのだけど、後でお婆ちゃんは一人っ子だと言う事をしって、あれは幽霊だったんだと知ったのでした。

フィクションです。

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