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44日目 ストーカー

1,450文字

1カ月前から始まったストーカー行為に終止符を打つために、学生の時にバイトで貯めていた貯金を使って、防犯カメラを10台買って、9台設置した。流石に10台はいらなかった。


すると、早速ちゃんと機能してくれた防犯カメラたちが、ストーカーをしてくる女性の姿を鮮明に映し出してくれた。


証拠もしっかりと映し出してくれたし、今回こそはストーカーしてくる女性を逮捕してくれるだろう。そう期待して警察署に行ったのだが……。


「あなた、病院に行った方が良いですよ。警察署じゃなくて……。」


哀れみな瞳を向けながら、警察官である男性がそう言った。


「だ~か~ら、なんで証拠となる映像があるのに取り扱ってくれないのですか!俺が男だからですか!?」


さすがに腹が立って両手で机を乱暴に叩き、大きな音を立て、警察官をにらみつける。すると、そいつはダルそうに肩を掻きながら口を開いた。


「……ですからァ……さっきも言った通り、私たちも取り扱えないんですよこんなもの。あと、念のために検査しときますか?あなたのためにもなると思うのですが。」

「ああ゛もう!!」


これで何回目だろうか。

今回はやっと、ここまで鮮明にストーカーの動画を撮ることに成功したのに、その動画を見た後でさえ警察は対応してくれない。それどころか、俺をイカレタ人扱いしやがる。

薬物の反応は出なかったので、やっと署から開放してもらい、俺は文句を言いながら道を歩いていた。


相手が女性だからって、手を出さず警察の手で捕まえてもらおうと考えていたが、もういっその事、正当防衛と称して抗おう。


そう考え、何時も通り誰も待っていない独りぼっちである寂しい家に帰り、いつも通りにメシを作って風呂入って、明日の仕事のために早く寝た。



で、一カ月前からの日課である、ストーカー女の対応だ。

深夜、いつも通り声が聞こえてきたので、目を覚ますと俺は玄関に向かった。


「ここを開けて……」


と言う声が、いつも通り定期的に聞こえてくる。なんとも執念深い女だ。今では「どんだけ開けてほしいんだよ!」と、心の中で突っ込みを入れられるほど、慣れた出来事なのだが、やはり初めての時は心臓が壊れそうなほど怖く感じたものだ。

まあ、いつも同じパターンなので、俺の中では飽きたと言いますか、慣れたものになっていた。


警察に怒られないようにするために、まずは被害に遭い、そのあとで正当防衛をしようとした。と言うのを映したかったので、余っていたカメラをお風呂入る前に設置したものを起動させた。


準備は万全だ。さあ、これで決着を付けよう。相手は女だが、毎日睡眠妨害をしてくるのは流石に許せない。こっちは正当防衛だから大丈夫。と、自分に言い聞かせてから、初めて彼女の居る前で、玄関のドアを開けた。



男性が家の玄関で変死した事件が発生した。家にカメラが何台もあり、証拠となりそうなものがあるか確認するため、何人もの警察が観たのだが、そこには狂ったように踊り狂う男性が倒れるシーンまでしっかり映っているがそれ以外何も映っていなかった。


なので、男性は玄関先で変死した。と、言う事で事件は幕を閉じたのでした。



ついでに、その男性がストーカーの被害に遭っているという事を、此方で相談されていたという事で、内容を聞いてみた。すると、担当した奴は


「だって…あの動画、風で物が動いているだけで、女性なんて映ってないし、証拠にならないよホント。我々を馬鹿にしてんかアイツはって思ったね……俺たちだって暇じゃないのに。」


そう言って、今日も真面目に仕事をはじめたのでした。

フィクションです。

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