43日目 心霊写真
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俺は8年前、心霊写真とやらを撮ってしまったことがある。
デート先で一緒に撮ったツーショット。その写真を撮ってしまったことにより俺は、前の彼女とは別れてしまった。
……まぁ、前の彼女が良い女かと問われれば、今では最悪な女だったと言えるくらい、俺は今幸せだがな。
コンビニで、2人で撮った写真をプリントアウトした後、俺はそのまま元カノの所へ行った。
彼女が喜ぶだろうと思ったからだ。しかし彼女は、そんなのは当たり前のような顔をして、俺から写真を受け取り、自分の友達と昨日遊びに行って楽しかった事の、話を話し始めながら一枚一枚確認し始める。
俺は取りあえず相槌を打ちながら、彼女の様子をうかがう。俺だって男だ。やれるときにやりたいし。今の彼女より顔と体だけは最高だったから、チャンスを逃すまいと目を光らせていた。
「おう゛わっ!?」
しかし、彼女が可愛く……じゃなく、ガラガラ声で野太い叫び声をあげた。その声に俺はやる気を無くし、何に驚いたか気になったので、彼女が持っている写真に目を向けた。
40何枚ものツーショットの1枚の中の1つ。桜の花弁が舞う綺麗な川原で撮った写真に、不可解なモノが写されていて、俺は言葉を失った。
物凄く舞い散る桜の花びらの中、彼女は何ともないのだが、俺の頭の周りが黒いモヤで包み込まれていた。
そのモヤは、俺を大きな手で握り締めているような感じに写っており、その中で俺は苦笑いしていた。
今にも握り潰されてしまいそうな、不気味な写真をみて、
心底不安になって、言葉を失ってると
「き、きも……ち悪い!」
彼女はそう言って写真を放り投げ、ソファーから立ち上がった。
「か、帰るのか?」
「帰るに決まってるでしょ!?」
俺が急いで彼女の手を掴むと、彼女はそれを振り払った。急な展開に戸惑った俺を、睨み付けながら
「近寄らないでよねヤリ〇ン男!私の体が目的だったことぐらい、最初から知ってたから。」
「気持ちいいから、やらせてあげてただけよ。」と逃げる様に彼女は俺を置いて、帰ってしまったのでした。
その日から、L●NEのやり取りも何だか折り合いが悪くなっていき、最終的には彼女にブロックされてしまい、一方的に御付き合いは終わってしまったのでした。
普段の話も、返事はするけど話は噛み合わなくなっていたらしく、どうかしたのかと聞かれたので、写真の事もついでに話すと、友達に連れられて神社に行き、おはらいをしてもらった。
お祓いをしたら、なんだか気が楽になりました。何故だか知らないけど、お祓いをするまでは、死にそうになる位、辛かったですね。
それから当時友達だったその子と、成り行きで付き合うことになり、今では俺は結婚して幸せに暮らしています。
心霊写真を撮ったこと以外、ホラーらしいことはないのですが、話はこれでお終いです。
彼と結婚して早3年も経ちました。
8年前、ありえない女性と別れる切っ掛けになった写真をみて、私は思いました。
(あ、この手は私だなって。)
高校の時からずっと好きだったのに、やっとの思いで親友と言う良い関係になったから、今度は掛け替えのない存在である彼女と言う関係に努力して、なろうと思ってたのに……
彼は、顔と体が取り柄な、バカで低能な女性に引っかかってしまっていた。
それにイライラしていた私は、無意識の内に生霊を飛ばして、彼にまとわりついていたのでしょう。
神社の神主さんが、写真を見たあと、不安そうに下を見てる彼は無視して、私の方を見てから、お祓いを始めました。
彼が元カノと付き合い始めたと、聞いた次の日から元気が出なくなっていたのに、神主さんがお祓いした後は、物凄く体が元気になったから、「やっぱこの手は、私のモノだったのだな」と、確信しました。
今じゃ、彼は私が居なきゃ生きていけない状態になっているので、私は今幸せに生きています。
フィクションです。




