41日目 嘘から出たまこと
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「ねぇ……知ってる?」
「え?なになに〜?」
小学校は違うけど、保育園の時から仲のいい友達、Hちゃんと2人で久しぶりに遊んでいる時、驚かしてやろうと思った私は、その場で適当に作った話をし始めた。
「私が通う小学校には、こんな怪談があるんだ。気が付くと校内にいて〜そこには小学1年生くらいの女の子がいるんたって。会わなければ朝起きれるけど、その子に会ったら、一緒に遊ばないと帰えしてもらえないの。」
「へぇ〜そうなんだ。」
Hちゃんは、疑うことなく、楽しそうに聞いてくれる。
「それでね?そこで死ぬと本当に死んじゃうんだって〜。」
「やだ〜怖いよぉ〜。」
なんて、適当に作った話を聞かせた後、最近のクラスで起きた出来事の話をして、その日は解散した。
まさかあんな夢を見るなんて、適当に作った作り話を話している時は考えても居ませんでした。
寝た記憶があるのに、気が付くと良く見知った場所、自分がいつも過ごしている教室にいました。
「一緒に遊ぼ?」
そんな感じで、女の子の声が聞こえてきたので振り返ると、そこには私よりは小さい。おそらく小学1年生くらいの女の子が、目を輝かせながら私に聞いてきました。私は思わず(それどころじゃないから無理。)と、言いそうになるが、適当に考えてHちゃんに話した話の内容を思い出して、とりあえず頷く。
「何して遊びたいの?」
「じゃあ、鬼ごっこがしたい。お姉さんが鬼ね。」
教室内で、取りあえず始まった鬼ごっこを始めた私たちは、捕まえたり捕まったりしながら、ずっとやり続けていました。
しかし、やはりキツイものはキツイみたいで、触られた感覚もあるし、夢なのに走ってる時と同じように息切れがする。
「ちょ……休憩しよ?」
「え~嫌だぁ。まだ続けたい~。」
疲れてもうクタクタになってしまった私は、女の子に休憩しようと尋ねるが、彼女は夢。疲れ知らずだった。
その時、何時になっても起きれる気配を感じられない私は、困っていた。遊び続けるのも辛いし、そろそろお腹がすいて来ていたのだ。
で、そこで私は気が付いた。
この話は適当に作って話しただけなので、雑な設定しか作っていなかった。終わり方を決めてなかった。
意識がもうろうとした中、足元がふらつき、思わず転んでしまう。心配そうに彼女が私を見下ろしている。
膝にできた傷からこぼれる赤い血液を、涙目なのか汗が目に入っただけだろうか分からない液体で歪む視界を見ながら、考えた。
そして、私は思いついた言葉を口に出した。
「……大丈夫?お姉ちゃん。」
「遊ぶのはおしまい。次の遊び相手はHちゃんね。」
すると、彼女は私の傷を心配そうに見ながら頷いたのでした。
で、私は何とか目が覚めた。目を開けるとお母ちゃんが私を鬼のような形相で見下ろしていたので怖かった。
何度声をかけても起きなかったから、夜中何かして遊んでいたんでしょ!なんて言って怒って来たので、言い訳しようとしたが、この事を言い訳に使っても信じてもらえないだろうし、余計に怒らせるだけだから言いませんでした。
とりあえず膝にできた傷を見せながら、この事をHちゃんに話しました。
すると、その日Hちゃんもその夢を見たそうなので、この話は一気に学校中の噂になってしまいました。
面白がった人たちが、どんどん話を盛って行った結果、
「その夢を見た人は、必ず一緒に遊ばなくてはならない。
遊ぶ内容は鬼ごっこ。刃物を持った小学1年生くらいの女の子が追いかけてくる。
ポルターガイストがおこって様々な障害がある中、屋上まで逃げなきゃいけない。
逃げられたら、屋上で次の遊び相手の名前を言わなきゃいけない。
遊び相手の顔を思い浮かべて言わないと、起きることはできない。
もし、夢の中で死んだら、女の子は交代して、死んだ子が次の鬼になる。」
と、なっていました。
で、前回この夢を見た人が、私の名前を呼んだみたいなので、その夢を見ています。
ただ一緒に楽しく遊んで、私がケガをしたときは心配してくれた優しい子は、獲物を見るような目で口元を不気味にゆがませており、包丁を握りしめている等、化け物のように変わり果ててしまった女の子を見て、悲しく思いました。
そして私は、彼女に背を向けて、屋上に向かって走り出します。
嘘から出たまことになってしまいました。嘘が噂になって、噂がまこととなった。
人の噂って、大きくなっていって、最終的には手が付けられなくなる物なんだな。と、目が覚めて、頬から零れる赤い液体をぬぐいながら、私は思ったのでした。
今はただ、噂が早く消えてくれるといいなと願っています。
フィクションです。




