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 3日目 いなくなっても姑との勝負は終わりません。

1526字

最近ついていませんでした。

やっとお義母さん(しゅうとめ)が死んでもう一週間。


高校生の息子は先日せんじつ買ったばかりの新しい自転車を盗まれて。

小学生の娘は昨日、集金袋を無くし。

お義母さんが亡くなった翌日に、母は、認知症が進行し、私の顔を忘れてしまった。

……やっと邪魔者がいなくなって清々したと思っていたのに。


葬儀やら片付けやら母の面倒やらで、忙しい日が続いていた私は、ついに昨日からインフルエンザにかかってしまい、ダウンしてました……。


インフルエンザでぼやけた視界の中、夫が朝食と昼食を作ってくれたのでありがたく頂いてから、家に残った私は、洗濯物を干し、食器を洗った。


全ての家事が終わった時は、既にお昼を過ぎていたが食欲なんて一欠片ひとかけらかず、そのままベットの上に寝転んだ。


冷えたベットシーツは、熱い体には心地よく体から熱を奪ってくれた。体から力が抜けていく。


やっとゆっくり休むことが出来た。昼時に家にいるなんて、何日ぶりだろう?そんな事を考えながら、まどろみ始めた時、何かのうなり声が聞こえてきた気がしたが


(どうせ、近所の犬か何かだろう。)


その日は、熱の辛さもあり、深く考えないで微睡まどろみに任せ、目をつむった。




そんな日が3日が経つと、身体のだるさはまだ抜けないが結構けっこう動けるようになった。


幸い、夫も子供もうつること無く、家のインフルエンザ菌は居なくなりそうだ。


一息入れるために、リビングでポカ〇を飲んでいた時


【ウ……ウウウ………】


携帯のバイブ音みたいな、低音の振動音が聞こえてきた。


昨日までは、この時間は寝ていてあまり意識していなかった。近所の犬かと思っていたが、明らかに何かが違う。


何かが、かすれた低い声で何かを呟いている。そう感じ私は、息を殺して、耳をました。


【ウ…せな…ウ………】


定期的に聞こえてくるその声は、次第に大きくなっていく。

大きくなっていくうちに、何を言っているのか分かって熱かった体のねつが、一気に冷めていった気がした。


【ゆる…せない………許せな…い……!!】


体が硬直して動かない。いや、もしかしたらこの時金縛りにあっていたのかも知れない。


(この声は…何処から?)


耳に意識を集中させ、どこから聞こえているのか探る。そしてそのまま、金縛りが溶けるまで、その場から動く事が出来ませんでした。



夕方になり、夫が子供を連れて帰ってきた。

一人じゃ怖いので、私は子供を連れて、声が聞こえていた方向に向かった。


そこはお義母さんが使っていた寝室。

お義母さんが死んですぐ、使っていた物は捨ててしまった為ベットとタンスしか置いてない。そんな殺風景な部屋。


私はゆっくりと足を踏み入れた。

そして、弄るとかなり怒られた記憶のある為、片付けを後回しにしていたタンスの戸を開ける。

すると、渋い小豆あずき色の風呂敷ふろしきで巻かれた、古風な子包が落ちてきた。


一つ深呼吸しながら、ゆっくりと風呂敷を開けると、あめ色をした長方体の木の箱が出てきた。


(これじゃなさそう。)


そう思って、別のものが無いか探していたとき


「おかぁさ~ん~!!」


娘が大きな声で泣き始めた。

私は娘の足元を見て、鳥肌が一気に立った。


髪の毛だ。


長い白髪まじりの髪の毛のたばが、あの綺麗な箱から、想像もつかない気持ち悪いものが出て来ていた。


その日は、泣いてる娘を抱きしめ、部屋を出た。そのままその日は不気味に感じながら一日を終え、次の日、丁度燃える日だったのでお祓いもせず捨てました。


その日から、あの声は聞こえなくなりました。


これで、そのまま平和になる事を願いながら元気になった私は現在、朝食を作っています。


フィクションです。

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