28日目 鬼ごっこしましょ?
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夏休みの後半、小学生7人が公園に集まって遊ぶことになった。
まだ宿題が終わっていないにもかかわらず朝から、公園に行く前に行ったコンビニで買ったお菓子を木陰で食べながら、何して遊ぶかを考えていた。
すると、女子グループが公園にやってきた。その時は確か、俺ら男子4人組と女子3人だった事を今でも覚えている。
俺達が買ったお菓子を、女子達が食べている中、俺らが何して遊ぶかと考えていると、俺の肩を馴れ馴れしく突いてから、女の子が話しかけてきた。
「ねぇ、鬼ごっこしましょうよ!!」
「はぁ?ガキじゃねぇしもうしねぇよ――」
なんて、怒りながら振り返ってみると、黒髪で三つ編みに縛っていて地味な髪形をしている少女が、悲しそうな表情で俺を見ていた。
紺色のワンピース……と、服装も地味な少女だが、肌は白くキメ細かく、目は綺麗な二重に小さな鼻と口……と、美少女であったため、俺は少々口ごもりながらだったが、リーダーである俺が仲間に鬼ごっこすることにしようと言ったので、鬼ごっこすることになった。
太陽の日でジリジリと肌が焼けるような痛みを感じながらも、鬼ごっこは、意外と何歳になっても楽しいものだと感じていた。
鬼役から上手く触れられないように気を付けながら、余裕がある時俺は、鬼の注意を自分に引き付けたり、鬼の邪魔をしたりと、他にも逃げてるやつを鬼から守ってやったりしてやっていたり、大活躍した。
水休みの時、俺が公園の水を蛇口から飲んでいるとき、鬼ごっこをしたいと言っていた少女が、やって来た。
「鬼ごっこにしてくれて、ありがとう。私、今までした事なかったから、出来て嬉しい。けどごめんなさい。私の我儘に突き合せちゃったみたいで……。」
小さい頃一度はしたことあるだろうと思われる鬼ごっこした事ないって、不思議な事を言い出す少女に、風変りだなと疑問に思っていた。
何だかんだ鬼ごっこするのは楽しかったし、可愛い女の子がお礼を言っているのだ。気が良くなった俺は
「べつに。まあ、今回が初めてなら最後まで楽しんでいきなよ。俺らも楽しんでるから気にすんなよ。」
そうカッコつけて、仲間の方へ走って行った。
何だかんだ楽しんで、今日一日も楽しかったと満足して、帰ろうと言ったとき、ふと、その女の子がいないことに気が付いた。みんなにその子のことを聞いてみると何故かみんな知らないと言っている。それどころか、みんなその子の名前を知らないと言って首を横に振った。
「お前の連れじゃなかったのかよ。お前としか話をしてなかったし。」
「……え?」
今考えると、もしかしたら彼女は幽霊だったんじゃないかって思っている。
何故なら、鬼ごっこした事ないと言っていた割に、一度も鬼に捕まっている事はなかったし、肌は日焼けを知らないのではないかと思ってしまうくらい、白くてきれいだったから。しかも、彼女が居なくなってから数えても人数は7人で、まるで初めから存在してなかったんではないかと俺らを錯覚させたのでした。
フィクションです。