25日目 お留守番
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一年前までは児童館というものに通っていて、お母さん達が居ない家に一人ぼっちなんて事はなかった。
家に帰ると、なんかおかしいと感じた。だけど何がおかしいのか分からないので、不安に感じながら家の中に入った。
家に入ると、外と比べて家の中は寒かった。
机の上にあるメモを見て、お母さんは買い物に行ってしまったんだ理解して、冷蔵庫のオヤツを探る。
何時もなら勝手にオヤツを食べたら怒られてしまうのだけど、今なら怒られない。
アイスの袋を破りゴミ箱の奥に入れてから、アイスを口に入れた時、ピンポーンってチャイムが鳴った。チャイムが鳴り、お母さんかと焦りながらインターホンを確認しても、人のようなものは何も写っていなかった。
首を傾げながら見ていると、何も写っていないのにまたインターホンが鳴った。
一瞬恐ろしいとソファーの上にあるクッションで耳を塞ぎながら、インターホンを眺める。
初めは、何も映らないのに何度も何度もチャイムが鳴る事が恐ろしく思えて怯えていたが、冷静になって考えると、小さい子がインターホンを鳴らしてんだと判断し、少しイラつきながら溶けかけていたアイスを食べた。
しかしインターホンが余りにもしつこいので、外に出て文句言おうと考えて玄関に行った時、玄関の外からガサガサと、ビニールが擦れる音と、大きな影が見えた。
それは、お母さんだった。あっけにとられて、すぐには聞かなかったが、夕食、落ち着いた時にインターホンのところに誰がいたか聞いてみた。
誰もいなかったことを聞かされ、インターホンの画面を確認してもらったが、鳴らされた履歴は一つもなかった。
お母さんが帰ってくる直前までインターホンはなっていたが、いったい誰が鳴らしていたのだろうか。
それとも、あれは僕の夢だったのだろうか?今になっては確かめようのないものです。
フィクションです。