19日目 最近ついてるかも
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「なぁ、最近俺ついてる気がするんだけど。」
「あ?なに、自慢話?」
「まさか。むしろ逆だよ。」
浮かない顔をする部活仲間で親友のタツヤ。
その顔を見て、俺は納得した。
最近タツヤは、ついてない。
県大会当日、捻挫して急に出れなくなったり、移動中は毎回赤信号で止まらされている。
『そこの自転車、止まりなはい。』
と、後ろから声が聞こえてきて振り返ると、パトカーがあった。
(あぁ、歩道を横列して走ってたから止められたんだ。)と、納得してると
タツヤが焦った様子で自転車を足で止めた。
「どうしたんだ?まさかパトカーから逃げようとしたんか?」
「びびった…。ちげぇよ…ブレーキが効かなかったんだ……。」
「うわぁ…ブレーキで罪重くなんじゃね?」
なんて冗談を言っていると、パトカーから男性が降りてきて、注意をした。
「すまねぇ…」
「まあ良いさ。明日休みだし、遊びに行くついでに直しに行くか。」
「おう!」
そんなやりとりを見ていた警察は、困惑した表情でタツヤを見た。
「君…ついてるね。これからも道中気を付けて帰るんだぞ?」
そう言って、俺達の通っている学校、学年、名前をバインダで挟んでいる紙にメモをしてから、複雑そうな顔をしながら俺達を見送ってくれた。
「ヤベェ…こんなことって本当にあんだな…」
とか声が聞こえてきてんだけど……。そう思っていると
「なぁ…明日遊びに行く場所変更していいか?」
タツヤが苦笑いしながら、申し訳なさそうに尋ねてきた。
「……おう、もちろん。」
そんな感じで次の日神社でお祓いをしてもらってから、帰りにブレーキを直してもらおうと思って行ったがブレーキの異常は無くなった。
なので空いた時間は、予定してた通りゲーセンでバスケやボーリング、ビリヤード等で競って遊んできた。
運が良すぎる事も不運が続く事なく、現在も普通に生活している。
フィクションです。