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18日目 怖いと思ったら怖いのです。

866文字


怖いのが嫌い。だけど何故だろう。つい見てしまうの。

「現実にあった怖い話」という名のテレビ番組をアタシは見ていた。


「パパ、主人公の名前が一人でトイレに行けなくなっちゃうわ。

やっと一人で行けるようになったのに…。

見るのをやめてちょうだい。」


「ははは。子供はこうやって大きくなっていくんだよ。

別にいいじゃないか。」


「そんな無責任な…。この子が一人でトイレ行けなくなったら

どうすんのよ。」


「ははは。」


なんて楽しげな声が聞こえる中、アタシはテレビを見続けていた。

パパの言ったとおり、こうやって子供は大人になっていくんだと思うの。

ママがテレビを消そうとリモコンを探し始めた。でも見つからないよ。だって私のお尻の下にあるのだから。ママの行動は全てお見通しなんだから。



アタシは体を震わせて、ソファーから立ち上がった。

怖いわけじゃないの。テレビのために水を飲むのを我慢したのにトイレに行きたくなってしまった。


「ママ!トイレ!アタシ行く!!」


と、伝えるとママは困ったように笑みを浮かべ、パパをティッシュ箱で軽くたたきながら立ち上がったので止める。


「ママ!ひとりで行けるよ!!まってて!!」


そう言って、ドアを開けて廊下を走り出した。

真っ暗な廊下は、何故かいつもとは違う気がする。

ひんやりと冷たい床、テレビの音、聞こえてくる心臓の音。


1人で行けるなんて言ったものの、途中でうずくまり、動けなくなっちゃった。

静かなはずの廊下が、自分の心臓の音でうるさいの。

まるでずっと何もいないものが、私に何か語りかけているみたいで。怖くて動けなくなっちゃったの。


トイレに行きたいのに、辛いのに、足がすくんで…真っ暗なところで1人ぼっち…。

我慢ができなくなっちゃって、私はついにママを呼ぶ。


涙が止まらなくなり、鼻をすすりながら、「だから見ない方が良いって言ったじゃない」と、ママに怒られ宥められながら、アタシは無事にトイレに行くことが出来ました。

めでたしめでたし。



怖い話を見た日、聞いた日から何日かは

こんな感じで一人ではトイレに行けなくなってしまいます。

なんか不思議だよね?

フィクションです。

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