1日目 変な物体…。
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小学生だった頃。多分6年生。
自分は、今と変わらず食いしん坊だったので、学校から帰るとすぐ、キッチンに向かい、何かしら食べてから部屋でゲームをしてました。
学生の仕事は勉強?そんなのしないで遊びほうけてました。
美人な女の先生や、好きな先生だった時、気分が乗った時以外は。
そんな感じで、今と変わらず、五教科の中では理科以外は不得意な自分は、何時も通り、時間が許す限り、ゲームをしていました。
何のゲームをしていたか、今は覚えていないですが、途中で自分は喉が渇いたので、キッチンに向かいました。
キッチンに行くのは良くある事。しかし、行きなれた場所なのに、その日は何か違っていました。
背景は、夕日でオレンジ色に染まっていた。
キッチンに来てすぐ見える、当時の身長の2倍ある、大きな冷蔵庫。身長と同じ位の、小さい冷蔵庫。目的地のシンクを見ると、自然と目に入る焦げ色のガスコンロ。そして、足元を見ると、痛みかけた野菜が歩くスペースをあけて、無造作に置かれていた。
……ここまでは何時も通り。
綺麗とは、お世辞でも言えない程、汚…生活感のあるキッチンです。
……で、痛みかけた野菜の近くに置いてある、残飯入れの水色のバケツ。
その上に、何かが動いていました。
五本の指を持つ、変な物体が、イソギンチャクの様にワチャワチャ指を動かして、その場に佇んていました。
…それは、手でした。
尺骨位のところで切断されている手が、ワチャワチャしているのを横目に、食器棚からコップを取り、シンクで水を汲んでから飲んで、何事もなかったの様に、部屋に戻ってゲームを再開しました。
手はその場から動かなかったし、次の日見えなかった。
何とも良く分からない体験をしました。
何と言うか、手の存在感が面白かったです。
ノンフィクションです。