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テクノブレイクしたけれど、俺は元気です  作者: 水月一人
1章・先輩と僕の不適切な関係
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楽しい学校生活が始まりそうだ・3

 結局、その抗議の波は暫く続いたのであるが、最終的には文句を言える人間も居なくなって、


「それじゃ、そろそろ次の議題に移っていいですか」


 司会進行役が質疑応答を終えようと、会議室内を見回した。


 弱小クラブの面々が、何か言えよと互いに視線を交わしあっていると、次第にその視線の先が一人に集中した。言わずと知れた藤木である。


 何しろ藤木はその場にいる弱小クラブ唯一の男子だったから、変に目立っていたし、文芸部はまだ何も発言していないが、追い出されるクラブの中に含まれているのだ、このまま何も言わずに居ていいのか? というわけである。


 まあ、確かに、文芸部のことは結構気に入っていたし、部室がなくなると、放課後同人誌を集中して描けるスペースも奪われるわけだから都合が悪い。しかし、それを理由にして部室を出て行きたくないとは言えるわけがない。だから、抗議するならするで、何か他に理由をでっち上げないといけないのであるが……


 恐らくは文芸部のことは、とっくに調べ尽くしてあるだろう。時折、朝倉の方をちらちらと見ている中沢の態度がそう言っている。


 すみません、手詰まりです……と言う態度で、藤木は頭を垂れて俯いた。ちっ、役立たずめと言わんばかりのため息があちらこちらから聞こえてくる。といっても、自分にもどうにも出来ないしな……と思いながら、ふと隣に座る朝倉の方を見てみると、膝の上で握り締めた手のつめの先が、真っ白くなっていた。


「はぁ~……はいはい、質問いいですか?」


 溜め息を吐きながら、消極的に肘を曲げながら手を挙げたら、周囲が無駄にどよめいた。真打登場というわけではない。本当に何も言えないから黙っていただけだ。だから期待はしないでくれと、無駄にプレッシャーを受けながら、藤木は司会進行役に促されて席を立った。


 中沢に睨みつけるような視線を投げつけられる。そんな挑むような目で見るんじゃない。


「あー、文芸部2年の藤木です。ピッチピチの正真正銘17歳。几帳面なA型、好奇心旺盛なおひつじ座、好きな声優は桐谷華です」

「いや、そんな詳細な自己紹介とかいいですから」


 会議場がどよめく……というか失笑が漏れた。なんだよ、声オタかよといった冷ややかな視線が突き刺さる中、しかし一人だけやけに動揺して机をガタガタ揺らしている人がいた。前生徒会長で、今回はオブザーバーとして参加している、確か品川とか言ったか……いや、動揺しすぎだろう。なんだ? 隠れオタか? 今度話しかけてみようかしら……などと考えていたら、いらだたしげな口調で、


「質問があるなら、さっさとしてください」


 司会進行役に怒られた。


 とりあえず、立ち上がったからには何か質問しなくてはいけない。出来ればいい結果も期待したい。しかし、先ほどまでの応酬を見ていた者としては、正攻法で勝負しても恐らく時間の無駄であろうと判断せざるを得なかった。だからこの際、部室がどうこうというのは脇に置いておこう。それよりも、もっと気になる点がある。


「ちょいと尋ねたいんですけどね。そもそも、何も悪いことしてない弱小クラブを追い出して、恨みを買ってまで後釜に据えると言う、野球部の業績とやらは一体どんなものなんですかね。あと、貢献度とか言うけど、具体的に何をしたら貢献したといえるのか、そちらの算定基準を明確にしていただきたい」


 野球部の名前を出したら、当の本人たちが明らかに機嫌を損ねたといわんばかりにむっとした顔で睨んできた。おお、怖い。


「野球部の業績としては、去年発足した1年生だけのチームであったにも関わらず、秋季大会でベスト16という成績を残し、今年の春には更に成績を延ばしてベスト8となり、夏の全国大会予選でシード権を獲得したことが挙げられる。その結果でもって、我が校の名を地域に広く知らしめたというのが、最大の貢献であると考えている。成美高校の運動部で、これだけの成績を上げたものは今も過去にも例がないので、誰も異論の無いことだと思ったが。君は違うのか」


 そりゃあ、大したものである。さすが、理事会が金をかけて県内外からかき集めただけはある。文句なんて何もない。


「滅相も無い。ただ、それなら学外に発表の場が無いような部活動は、生徒会の言う貢献度とやらを全く稼げなくて不利じゃないか。それとも、その手の部活は全て不要であるとでも言いたいのか」

「……有り体に言えばそうなる。だが、それだけではない。そういう部活動に関しては、普段の活動内容や、その活況さ、また校内外を問わず何かしらの発表物に対し、査定を行って総合的に判断することにしよう」

「運動部と文化部とでやってることが違うのに、どう基準を設けるんだ。例えば、野球部の県大会ベスト8に匹敵する文芸部の貢献ってなんだ? 誰が決める? そんなものを根拠に部室を奪われるのだとするなら、恣意的であると言わざるを得ないね」

「…………なるほど」

「大体、学校への貢献度云々いうなら、そんなの学校が必要な部活動を決めて、それ以外を認めなければいい話だ。そうしないのは、部活動はそれだけではないし、生徒に対してある程度の自由を認めているってことじゃないか。それを生徒会がどうこうするってのは変じゃないのか」

「なら訂正しよう。君たちの活動は認める。解散を勧告することも撤回しよう」


 おや、実にあっさりと認めた。ちょっと見誤っただろうか。しかし先ほどまで虐められていた弱小部の面々が色めき立つ。彼女らにしてみれば良い結果か。


「だが、部室の立ち退きは断固として行わせてもらう。そもそも、君たちのクラブが部室を必要としているとは到底思えない。無為に使われるよりは、より活発な活動をしている部活動に使わせた方がよほど有意義だ。それとも、君たちの活動は、これだけのことをした野球部を追い出してまで、部室を確保しなければならないものと言えるのか」


 まあ、おっしゃる通りである。正直、部室を放課後のたまり場にしているだけの連中が殆どなのだ。文句も言えない。


 聞けば男子生徒だけで構成される野球部は現在部室レスで、放課後は校舎の更衣室とシャワーを使い、機材は体育倉庫の片隅や、いつも練習に利用している河川敷の市民球場の倉庫を頭を下げて使わせてもらってるそうだ。今年は新入部員も増えて30名を超える大所帯となり、そんな中で大会で好成績を収めていたそうだから、そろそろ我慢の限界が近いらしい。まあ、実際、そんなやり方で甲子園とか絶対無理だろうし、焦りもするだろう。


 ともあれ、勤勉な野球部が怠け者であるところの弱小クラブを快く思っていないであろう気持ちは分かる。ここは穏便に部室を明け渡し、今後の活動については、また知恵を絞ろうということで話をまとめた。まあ、何もないよりは部活として認めると言わせただけマシだろう。


 そもそも生徒会に認めてもらう必要もないのであるが……


 全面的にやりあうのもなあ……


 などと思いながら、その後は滞りなく、各部活動の長を集めたミーティングは終わった。隣に座る朝倉が少し深刻そうな顔をしているが心配であったが、しかしこれから放課後、どこで同人誌を描いたものかと頭を悩めていると、ぞろぞろと弱小クラブの面子が集まってきた。


 なんだろう、告白かしら? とドキドキしていたら、部室を明け渡しはするが、野球部が4階全部を使うわけもないだろうし、せめて半分使わせてもらえないか頼み込まないかと言ってきた。元々過剰に余っていたものだ。文芸部みたいにパーティションで区切ればスペースが半分になっても、十分に要件を満たすことが出来る。


 実に逞しいものだが、反対する意見も無く、まあ廊下にパーティションの今と大差ないからと話を聞くことにした。しかし女の中に男が一人と言うのも中々心苦しいもので、みんなの輪の中から一歩引いたところで話し合いを見守っていたのだが、


「……あれ? 朝倉先輩、どこいったんだろ」


 気づけば朝倉がいなかった。いつの間にか帰ってしまったのだろうか? そういや、いつから居なかったのだ? 思えば今日は会議中からずっとおかしかった。以前、旧校舎の裏庭で、中沢とのツーショットを見かけて以来、何かあると思っていたが……


 胸騒ぎがして、少々席を外す旨をその場の者に告げてから、藤木は朝倉のことを探しに会議室から廊下へ出た。当てはないので、その辺を一周したら諦めるつもりだったが、廊下を抜け、昇降口を降り、1階の下駄箱付近であっさりその人を見つけた。そして案の定、彼女は中沢たち生徒会と、その腰ぎんちゃくと、野球部の何某かたちに囲まれていた。


 うわー……あそこには入っていきたくない。


 そう思うが、しぶしぶ藤木は、「おーい! 先輩!」と出来るだけフレンドリーな声をかけながら、その中に割って入った。なにこいつ? みたいな冷たい視線を浴びせられたが、構っても居られない。


「……こんな強引なやり方で、私達をあそこから引き剥がすのはやめて」


 朝倉にしては珍しく、はっきりと良く通った声だった。だが、その語尾が震えていた。


 中沢は一切の表情を作らず、あさっての方向を向いていた。


「って言うかさあ、さっきから言ってるけど、あんた関係ないし」


 そして、答えているのは中沢ではなく、朝倉との間に割り込むように体を入れた腰ぎんちゃくの一人だった。


 どうやら、突っかかってるのは朝倉の方みたいだ。


「あなたがこの学校に来たのも、そう。私はここで一人になりたかったのに、何でも自分の思い通りにいくと思ってるの」

「ちょっとさあ、意味わかんないんですけど。そんな風にして、中沢君の気を引きたいわけえ?」


 いや、なんだか分からないが、台詞から考えるに、寧ろほっといて欲しいんじゃないの……思うだけで口には出さない。藤木も割って入りたい衝動に駆られたが、そもそも状況がいまいち飲み込めない。


 結局、朝倉が何をしたいか分からないが、取り巻きに邪魔をされて目的を果たせそうな気配はなかった。朝倉はそれを押しのけようとするが、力が無いので子供のようにあしらわれた。さて、どうしよう。その姿を見て、思うところがないわけではない。


「お爺様の力をかさに着て。自分では何も出来ないくせに」

「はあ? それがあんたになんの関係あんの? きもいんですけど。いい加減にしないと、怒っちゃうよ」

「下手な脅しはやめて。あなたたちにだって何の権限もないでしょう。みんなは大人しいかも知れない。でも私はあそこから退かないからね」

「朝倉さんでしたっけ? さっきの会議で決まったことですから、そういう自分勝手は困るのですが……」


 生徒会の誰かが困惑して答えた。確かに何を言ってるのか分からない。どうしてあの場所に拘る? 藤木もその場にいる困惑する者たちの一人であったが、


「自分勝手なのはそっちも同じだろう。いろいろ理由を付けてはいたが、元を質せば野球部が部室にあぶれたのは、白露会が理事会と揉めてスポーツ科の新設を認めないからだろう?」


 どっちに付くかと言えば、それは朝倉に決まっていた。そして今確信した。何故だか分からないが、朝倉も、中沢も、部活がどうこうではなくて、単にあの場所に拘っているのだ。


「どうして方針を変えてまで野球部に肩入れし始めたのか分からんが、その尻拭いで部室を追い出される身にもなってみろよ。完全なとばっちりだ。文句の一つも出るだろう」


 言われた生徒会メンバーがむすっとした顔を向ける。文句ならさっき散々言ってただろうと言いたげだ。確かにその通り。そして、白露会のことを言われて金持ちの目の色が変わった。


「はあ? おまえら庶民が何言ってんの? おまえ、確か馬鹿組の馬鹿だろう? 俺たちのお情けでここに通えてるだけだっていうのに、何えらそうにしちゃってるわけ」


 と言っても、いきなり喧嘩腰である。金持ち連中は何故だかそれが特権であるかのように思っている。親のステータスを根拠に、見下してくるやつらだ。おまけにコンプレックスの塊でもある。恐らく、話にもならないだろう。それなら、


「なにが庶民だ、いかにも三下が口にしそうな台詞吐きやがって。他人の力を当てにして自分が偉くなったつもりなのか」


 いっそ喧嘩になってしまった方が分かりやすい。


「はあ!? おまえふざけてっとぶち殺すよ。これだけの人数相手出来ると思ってんの?」

「わざわざ、僕は一人じゃ何も出来ませんって自己紹介してくれなくても、みんな知ってるからよ。赤ちゃん、さっさと家に帰ってママのおっぱいでもおねだりしてな」

「んだと、こらあ!?」

「はいはい、自分のでもしゃぶって落ち着けよ。それとも大好きなお友達のがいいのかい」

「ぶっ殺す!」

「はい! ぶっ殺すいただきました! ぶっ殺すです! 語彙が貧困でちゅね~、幼稚園からやりなおちた方がいいでちゅね~」


 ブンッと大きなフックが飛んできた。


「きゃあああ!」


 その場にいた数少ない女生徒の悲鳴が上がった。


 昇降口付近にいた者たちが、こちらの不穏な空気を察知したのか、不安げな顔でちら見してくる。


 おいおい、マジで沸点低すぎやしないかい。


 二発、三発と、顔を真っ赤にした男の腕が大振りに振り下ろされる。


 ちょっとからかったらこれか。藤木はそれをひらりと避けながら周囲を見渡した。


 みんな驚いているようだが、誰も止めようとはしていない。坊ちゃん連中だと思っていたが、なかなか友達思いじゃないか、見直した。


 激昂した男は滅茶苦茶に腕を振り回した。当たったら大変痛そうである。


 しかし、動体視力には自信がある。


「いつもAV早送りで見てるからなっ!」


 藤木は振り下ろされた腕を寸でで避けると、その手首を軽く捻って、相手の足を払った。


 ドスンッ!


 面白いようにふっ飛んだ男は、受身も取れずに背中から床に叩きつけられた。


「……ガッ! ……ッハ」


 背中を強打して息が詰まったのか、苦しそうに顔を紅潮させて唸っている。


「はっはは! ざまあっ! ばーかばーか!」


 藤木は捨て台詞を残すと、さっさとその場から逃げ出した。


 多分、自分たちの仲間がやられるとは思っていなかったのだろう。その場にいた全員があっけに取られていた。だが、すぐに気を取り直すと、怒りに任せて藤木のことを追いかけてきた。


「てめえ! 待て、このやろっ!!」


 待てと言われて待つ馬鹿はいない。逃げるときは常に全力である。


 しかし、逃げ足には自信が無い。


「ただの文科系オタクだもんな……ぎゃあ! すんませんすんませんっ!!」

「この野郎、ふざけやがって!」


 数十メートルも逃げないうちに、藤木はあっさり捕まった。


 ドカドカと背中を蹴られる。


 廊下に引き倒されて、冷たい床が頬に触れた。


 多勢に無勢どころか、多分一対一でも勝てないだろう。それなのに、相手は何人も居て、おまけにその場の勢いなのか、常日頃から体を鍛えまくってるはずの、野球部員まで加わっていた。


 絶体絶命の大ピンチである。と言うか、野球部員はマズいて……


「甲子園行きたくないの? あんたらっ! ……って、あいたっ! いたたっ! ごめんごめん、俺が悪かったからっ!!」


 殴られながら遠くを見ると、朝倉が体を硬直させているのが見えた。


 その隣には、やっちまったと言いたそうな、困惑顔の中沢が立っていた。


「きゃああああーー!!」


 あちこちから女生徒の悲鳴が上がった。元女子高である。暴力沙汰には当然慣れていないだろう。


 藤木は床に転がりながら、殴る蹴るの暴行に耐えた。はっきり言って絶望的だ。


 しかし……


 もうちょっと待てば、教師がやってくるはずだ。実は、それが狙いだった。何しろ、藤木は自分からは手を出していない。さらに下駄箱付近という場所柄、これだけギャラリーが居れば相手も言い逃れが出来ないだろう。となれば、この一方的な暴力を止められたあと、非難されるのは相手のほうだ。そして、中沢たちの評判が下がったあと、状況を見ながらいろいろ後始末をつければいい。自分が殴られるだけで済むなら、安いもんである。


 だが、待てど暮らせど教師はなかなかやってこない。やはり元女子高だからだろうか? 殴り合いなんて、不測の事態が起きるとは思ってないのか知れない……しかし待つよりほか無い藤木は天に祈るしかなかった。


 って言うか、かなり痛いので、早く先生来てくれませんか? そうすりゃもうチェックメイトなのだから。


 などと思っていたのだが……


 その時、突如、ブンッと風を切る音がして、男たちを掠めて何かが飛んでいった。


 ドンッと大きな音を立てて、学生カバンが壁にぶつかり中身をぶちまけた。


「よう、藤木。楽しそうなことしてるじゃないか。俺も混ぜてくれよ」


 飛んできた方を見れば、クラスメイトの鈴木、佐藤、山田がニヤニヤしながら立っていた。おまえら、喧嘩と火事があればすっ飛んでくる江戸っ子か? しかし、その目は充血して、まったく笑っていない。


「げっ……」


 藤木は血の気が引く思いがした。先生早く来て!? こいつらはやる気だ。


「んだ、こらあ! やんのか、こらあ!!」


 怒り方を知らないものが怒るとこうなる、という良い見本のようだった。怒りの納め方が分からないのか、体をブルブル震わせながら、坊ちゃん連中がぶちぎれた。そして各々が腕まくりして、突然乱入してきた鈴木たちに突っかかっていこうとする。


 あ、こりゃやばい。


 藤木はそう思って、なんとか彼らを押しとどめようとするが、思ったよりも体のダメージが大きくて、咄嗟には動けなかった。


 そうこうしているうちに、お互いの勢力がぶつかってしまい、あっという間に10人以上の人間が殴りあう乱戦になってしまう。


「やめてやめて! 俺のために争うのはやめてー!」


 藤木が必死に叫ぶが、もう遅い。


 人数は相手のほうが倍以上も多いのであるが、そんなこと物ともしない、流れるような華麗な動きで、鈴木たちは坊ちゃん連中と渡り合った。かといって、まるで漫画みたいに相手が膝を折るわけもなく、次第にその乱闘は泥沼と化していった。


 結局、教師がやってきてその場を収めたのは、大乱闘がピークに達したときだった。


 来るのおせえんだよ! 何やってたんだよ! と半ギレしながら教師に掴みかかったら、頭を叩かれ、問答無用で職員室へ連行された。ちょっと待て、自分は一切手を出していない。そういくら言っても、話を聞いてはもらえなかった。


 これじゃ殴られ損じゃないか……


 歯軋りしながら、苛立たしげに鈴木たちの方を睨みつけたら、彼らはやり遂げたような顔をしてサムズアップしてきた。実にいい笑顔だった。殴りたい。

 

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