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黄昏  作者: うみ
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第九章

短いです…すみません。

(ここ何処?)

スズは闇の中で目を醒ます。

玉依が投げ入れた玉があちらこちらで光を放ち、スズの周りを照らしていた。

そして湖の中にいるはすが水の中にいる感じは全くなく、かといって地面の上に立っているわけでもない。スズはただゆらゆらと漂っていた。

(ここは一体。確かに息は出来るし…暗いといっても何も見えないわけじゃない…)

わけの分からない空間に一人いることにたまらなく恐怖を感じた。誰か人はいないかと周りを見渡す。

「だれか!誰かいませんか?」

弟の姿も見えず、何の声も音もしない状況にスズは不安を覚え、泣きたくなった。

 どこからか鈴の音が響く。辺りを見渡すと遠くに、人影が見えた。

 はやる気持ちを抑えながらゆっくりと近づく。

「・・・たそかれ」

 考えるよりも先に声が出た。後姿をじっと見つめる。

 その影は振り返り、応えた。


「スイ」


「っ・・・」

 次に続く言葉が出てこない。頭の中で浮かんでは消え、浮かんでは消えを繰り返す。

 やっとやっと会えた。視界が涙でぼやけていく。

 スイはスズがなぜいるのか分からず困惑していたが、ただ泣き崩れているスズにおそるおそる近づくと思いっきり抱きついた。

「おねえちゃん!怖かったよぉ・・・」

 二人はしばらくの間、一緒になって泣き続けた。スイは嗚咽の間、ただごめんなさいと言い続けた。スズは胸が苦しくなり、スイを体から離す。

「私こそ許してくれる?あんなにひどいこと言ってごめんね」

「おねえちゃんは悪くないよ!僕が、こわしちゃったから・・・」

 しゅんと縮こまったスイの頭を撫で付ける。

「大丈夫だよ。それにキリが首飾りをあげたいって、よかったね」

 皆、心配していたよつぶやくと、もう一度抱きしめた。



「さあ帰ろう、皆待ってる」

 いつまでもここに居るわけにはいかない。スイの手を取り促す。

「うん!」

 するとまた、鈴の音が響く。スイは何かに気が付いたようにスズの手を握る。

「おねえちゃん、あれ」

 そういってスイは上を指差す。

 湖に投げ込んだ『鈴』がゆっくりと落ちてきたのだ。スズは手を伸ばし鈴に触れた。

 触れた途端、鈴が光を放ちスズとスイを包み込んだ。






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