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忘れるもの  作者: 衣緒
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プロローグ

 もうあれから約3年が経った。


杏奈あんな、私達もう高校2年生!青春のど真ん中!」


「うん、そうだね」


3年前、私は幼馴染みの悠太に助けられた。


「杏奈・・・一度くらい三宅君を忘れてみたら?杏奈3年経っても変わってない」


「・・・そうかな」


確かに悠太が私の目の前からいなくなって、私が笑うことは少なくなった。


小さい頃からずっと一緒だった人、大好きで愛していた人・・・三宅悠太みやけゆうた


中学2年生の夏、飲酒運転をしていた人に私と悠太は跳ねられた。


私達は病院に運ばれ、私は3日後に無事意識を取り戻した。


でも一緒に運ばれてきた悠太は息を引き取った。


悠太は私をいつも内側の方に歩かせていた。


「これは男の特権だろ?」なんて言って・・・。


だから悠太の方が衝撃が強かったんだと思う。そして私を守ってくれたのだと。


「私、悠太のことは絶対忘れないよ!だって命の恩人なんだもん」


私は岡田麻衣おかだまいに笑顔でそう言った。


麻衣は私と悠太のことを良く知っている人物。


事故があったことも幼馴染みってことも、私達が付き合っていたことも・・・。


「まあ、杏奈がそれでいいならいいけど」


「さっ!新学期の始まりだし!盛り上がろう!」


私と麻衣は同じC組になった。


一緒になれたことを喜びながら教室に向かおうとしていた時だった。


私は余所見をしていて誰かとぶつかってしまった。


「いてっ、余所見してんじゃねーよ」


「ごめんなさ・・・」


私は彼を見て目を丸くした。


「杏奈、大丈夫?何あいつ、偉そうに!・・・杏奈?」


「・・・悠太」


そう、彼がすごく悠太のそっくりだったのだ。


すると麻衣が私の顔をひねった。


「見間違いよ!三宅君はあんな言葉遣いじゃないし、もういないの!」


そう、もう悠太はここにはいない。


「そうだよね、私の見間違いだよね!もう、ホントに偉そうな人!」


そんなことを言いながらも心のどこかで引っ掛かってたんだと思う。


顔を見た瞬間、悠太との思い出が全て走馬灯のように思い出したのだから・・・。

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