表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夜空輝く願い星  作者: 琥月澪
ブレイク寸前の我が家
5/8

☆家族

 ☨ ☆ ☨

 

 俺の家はよくある一戸建てで、親父、お袋、俺、あと妹といったよくある構成。親父は海外赴任中で実際家にいるのは三人。俺の部屋は二階にあり、家族にばれることなく(そら)を部屋に案内することは可能だ。そもそもばれても問題はないと思うが、(そら)は少し見せたくない。いろいろとまずい気がする。

 二階へと案内し、部屋のドアを開ける。その時、心地よい風がブワッと吹き抜けた。

 (そら)を適当なところに座らせ俺は一階へ。


「ただいま」


 リビングのドアを開けつつ言うと、


「……おかえり」


 妹が返してきた。見る限りお袋がいないから買い物だろう。

 紅花音(くれないかのん)

 俺の妹であり近所の中学校へ通う二年生。水色のツインテールで背は一四五センチと小柄。

普通ならかわいいかもしれないが、目がきつく(それでもかわいい意味できつい)いろいろと誤解されがち。だが中身は……不思議ちゃんが一番合ってると思う。何が不思議かは恐らくすぐ分かると思う。家ではどこで入手したのか分からないがゴスロリやメイド服を着ていることも多く、カラーコンタクトを入れ、ただでさえ謎の存在をさらに際立たせている。

 冷蔵庫へ行ってお茶をコップへ注ぐ。この時リビングのソファに座って漫画を読んでる花音の分も用意。


「ほい」


 トンッと高い音が響く。テーブルに置かれたコップをグイッと飲み、少し低いトーンで、


「べ、別に感謝なんてしてないんだからねっ」


 とそっぽを向きつつ言った。うーん、今のはツンデレってやつ……?

 はいはい、と適当に返し、リビングを出ようとした時、タタタッと音がして袖を引っ張られた。後ろを振り返るとそこにはやっぱり花音がいて何やら頬を赤らめている。きつい目が上目遣いで見つめてくる。最近の俺のラッキー動作は上目遣いなのか? ……ってもしかして今日も出るのか、あの謎のコール……


「おにぃ、いつものんに優しくしてくれてありがとっ」


 キャハッ☆と弾ける感じで言い、ソファへ戻っていった。

 分かってもらえたか? こいつは今、自分探しをしているらしい。意味がよく分からないが、自分に最も合った性格を手に入れる訓練らしい。だからツンデレっぽくなったり妹系? みたいなのになったり……はっきり言って反応に困る事も多い。昨日まで坊主だったやつが急にカツラで髪が長くなった時くらい困る。後、自分の事を花音(かのん)の『のん』と呼ぶ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ