蝶たちは羽ばたく
神は語る。
「えぇ、ですから、あの時あなたが負けたまさにその瞬間、時を戻すという神々においてもかなりの奇跡を実行しました。
え? 記憶の有無ですか?
勿論条件がありますとも。
だって皆が皆記憶を持って時を遡れば、魔王にもその記憶が残されるでしょう?
その状態で時を戻ったところで、更なる対策を持たれるだけ。次に負けた場合は潔くこの世界を諦めるつもりでいたのですよ。奇跡は何度も使えないからこそ奇跡であるわけですからね」
勇者が魔王との戦いの後、一面真っ白な空間に転移した時の事である。
「記憶を持って戻る条件はそれほど難しいものではありません。
あの瞬間、激しい後悔を抱いていたかどうか。
負けた貴方たちはその時点で後悔したでしょう。
もっと準備をしてから挑めば良かった。もっと鍛えておけばよかった。そんな風に。
対する魔王側は後悔をする必要がありませんもの。倒した事を後悔する事って、少なくとも魔王側にはないでしょう?
えぇ、そうです。あの瞬間、皆が皆後悔した。
だから皆、記憶を持ったまま貴方が旅に出る少し前まで時を戻った時点でそれぞれが行動に出た。
言ってしまえばただそれだけの話なのです」
魔王を倒し、神の元へと一時的に飛ばされた勇者は当然時間を遡った事に対して神へ問うた。
前の事は確かに憶えている。憶えていて、だからこそ次は上手くやろうと思った。
けれど、憶えている事は正直あまり役に立たなかったのだ。
以前出会った仲間たちと出会わなかったというのもある。
彼女たちなら今度はもっと早くにこちらと合流するのではないかと思っていた。
だが実際はどうだ。
勇者の元に集う事もないままに、彼の元には別の仲間が加わった。
「あぁ、そうそう。何も記憶を持ったまま時を遡ったのは、貴方たちだけではありません。
いかな神とてピンポイントに貴方たちだけ記憶を持ったまま戻す事はできないの。
言ったでしょう? 条件と。
あの瞬間激しい後悔をした者こそが時を戻った後も、その前の記憶を持つのだと。
魔王に負けた貴方たち以外にも、あの瞬間別の事で激しい後悔を抱く者は世界の各地におりました。
偶然と言ってしまえばそれまでの事なのですけれど、世界にはたくさんの人がいますから。
そういうタイミングが重なる事があっても何もおかしくはないでしょう。
貴方たちに関しては、私が時を戻す事を伝えたからこそ理解している。
けれどそれ以外の人々に関しては何が起きたかもわからぬまま、何故か時を遡った。
そういう認識でしょうね。
どうして戻ったのかわからないなりに、やり直す機会を得た。
結果としてそれぞれが今度こそはと動いた結果、世界に変革をもたらしました。
一人一人の力は小さくとも、以前とは少しだけ違う形に世界を動かした。
結果として貴方だけが、前回の記憶などほとんど役立てる事ができなかったとしても。
負けた記憶だけは残っていた。
前と同じようにいかない展開。けれど前と同じように負けるかもしれない可能性。
むしろ良かったと思いますよ。
前の記憶を用いて今度はもっと楽をしよう、なんて思われてまた負けても困りますからね」
そう言われてしまえば、勇者は黙り込むしかなかった。
「おや? 浮かない顔ですね。魔王を倒し世界は平和になったというのに。
もう人類が脅かされる危険はない。貴方は世界を救った英雄として人々から称賛され、莫大な報酬だって得た。
今後の生活に困る事もないでしょう。
魔王を倒すだけの力を持っている事を脅威とみなされ迫害される……なんて可能性に憂えているわけでもなさそうですし……
あら、かつての仲間が気になる?
本当だったら彼女と結ばれるつもりだった?
あらあら、そんな風に思っていたのですね。
ですが……今ちょっと確認してみましたけど。
以前の仲間である彼女たちは皆、別の人生を歩んでいるようですよ。
えぇ、どなたも後悔する事なく、自ら選んだ道をしっかりと歩んでいるようです。
むしろ前よりも今回の方が充実している様子ですね。
良かったじゃないですか。
彼女たちも別の道を進んだとはいえ、とても幸せそうですよ」
神の声は軽い。
幸せに過ごしているという部分に祝福してあげましょうね、なんて勇者の気持ちを一切無視してそんな風に言っているのだと、果たして勇者は気付いているだろうか?
それでも納得のいっていない様子の勇者に対し、神は言葉を締めくくるべく言葉を続ける。
「まぁ、貴方に伝えるべき事はこれ以上は特にないので。
元の空間に戻しますね。
大丈夫、世界を救った勇者なのだから、貴方の元には貴方の嫁になりたいという人もそれこそ沢山集まるでしょう。貴方が望んだ彼女でなくとも、お相手は選り取り見取りですよ。
今回の彼女たちの幸せの中には貴方と歩むという選択肢が存在しなくなった。ただそれだけの事です。
割り切って次行きましょう。
おや? どうしました?
もう一度時を遡れないか?
何故?
魔王は倒されました。
戻す必要がありません。
それに、あなた一人のために折角平和になった世界を再び魔王が生きている頃まで戻す、など何故そのような事をしなければならないのですか。
奇跡は一度だけ。そう告げましたし、それは建前でもなんでもないのですよ。
いえ、どうしても戻してやり直したいというのなら、方法がないわけでもありませんが……
おや、凄い食いつきようですね。
世界各地にひっそり隠してある神々の財宝の中に、そういう時を戻すアイテムがないわけじゃないんですよ。
えぇ、どこに隠したかはちょっと忘れてしまいましたし、私が隠した物は別に時を戻すやつじゃないので忘れてても何も困らないんですけれども。えぇ。
魔王がそれらを発見していなかったというのは確かでしょうね。
まぁ、人がおいそれと立ち入る事のできない場所であるとだけは。
探すのですか? えぇ、止めはしませんが。
もし見つける事ができたのなら、まぁ時を戻す事も止めませんよ。
えぇ、そうですね。他の神も止めないんじゃないですか?
そうですか。わかりました。
それではそろそろ皆の元へ戻しましょう。
貴方の今後に幸あらん事を」
言いながらも神は勇者を仲間たちがいる場所へ戻す。
この空間は時間の流れが異なるので、勇者が消えた!? なんて仲間たちが驚くような事もないだろう。
一瞬姿がブレたな、と思うかもしれないがそれも気のせいで片付くはずだ。
勇者の姿が消えたその空間に、別の気配が現れる。
「なになに? あの秘宝の話しちゃったの?」
「えぇ、何故だか時を戻してやり直したいと言い出したので」
「でも、もう一度奇跡を起こすつもりはないんでしょ?」
「それはそうですよ。だって、時を戻すためにかなりの力を使ったのですよ?
そうして魔王を倒したのにまた戻して今度はまた負けたらどうするのですか。
時を戻すのだってそんな気軽にできる事じゃないんです。折角良い結末へたどり着いたのだから、素直に受け入れればいいものを……」
今しがた現れた別の神はどうやら勇者とのやり取りをこっそり聞いていたらしい。
盗み聞きはちょっと……と思わなくもないが、別に聞かれて困る内容でもないため咎めるつもりはない。
「ま、見つけられないと思うからいいんじゃない?」
「そうですね。確かに世界の各地に隠してはいるけれど、人の身でたどり着ける場所にあるとは一言も言っていませんし」
「嘘は言ってないもんね。ただ、まぁ、もし仮にうっかり奇跡でも起こって見つけたとしても」
「彼の望む戻り方はしないでしょうねぇ……」
「一人一回しか使えないっていう使用制限があるし、それになにより」
「確かに戻りはするけれど、戻ったその先はここではない」
「ここと同じで、でもちょっとだけ違う並行世界。
そこに、違う人間として転生する装置」
「彼の望む物ではない事だけは確かです」
「でも、やり直すって意味ではできなくもないもんね。嘘は何も言ってない」
「どうして他の神々も止める事はしない、と私が言ったのか。きっと都合よく受け取ったのでしょうね」
「あぁ、簡単に見つけられるはずがないから、もし見つける事できたなら……って感じかな?」
「恐らくは」
「使ったところでこの世界に影響を及ぼすわけでもないから止める必要がない、というだけなのですが……」
もし仮に。
彼が執念の果てに見つけたとして、使ったとする。
確かに時を遡りはするけれど、けれどそこはこことよく似たけれどここではない世界。
所謂パラレルワールドな挙句、しかも勇者は次は別の人間としてそちらで生を受ける。
勇者ですらなくなって、普通の人として生きていく事になるのだ。
飛ばされる予定の並行世界は基本的に平和なので、すぐさま死ぬような事にはならないだろう。
もしあの勇者が、この世界でのこの先の人生を諦めるような事になっていたのなら素直に使うかどうかをこちらから聞く事にはなっていたかもしれない。
それこそ先程述べた、勇者としての力を脅威に思われ迫害を受ける可能性を彼自身が考え、憂いていた場合であるのなら。けれど勇者はその可能性を特に深く考えてはいないようだったし、それどころか敗北した時の仲間の一人と結ばれる事の方にこそ意識が向いていた。
今回その彼女とは縁がなかったのだと諦めて、素直に他の誰かと人生を歩むという選択肢も選ぶつもりがないようだし、それだけ彼女の事を愛していたのだな……と思いはしても、では何故もっと彼女を大切にしていなかったのだろうか、とも思う。
神は見ていたのだ。
魔王は神と同格の存在ではないが、しかし世界を滅びに向かわせるには充分すぎる力を持つ者。
神が直接出るためには、それこそ同格の存在が相手でなければならない。
それは誰が決めたわけでもなく、この世界の理であるが故に。
もし異世界の神が侵略してきたのであれば勇者に頼る事もなく、むしろこの世界の神々がどうにかしていたわけだが、しかし魔王はこの世界で生まれ、神に至る程でもないモノ。
むしろ魔王を生み出す原因の一端は人間にもあったが故に、神が手出しするわけにはいかなかったのである。
そしてそんな魔王を倒すため勇者が旅をしていたのも、神はずっと見守り続けていた。
だからこそ理解できる。
どうしてかつての仲間たちが彼の元を去ったのかを。
確かに勇者は仲間を大切にしていたと思う。
その中で想いを寄せている相手にも、そうではない仲間にも。等しく、平等に。
けれどその扱いが、彼女たちを勘違いさせ、同時に不安に陥らせていたとは思いもよらないのだろうとも。
神は見ていたので察する事ができてしまった。
実際に時を戻してみれば、そんな神の考えは間違ってなどいなかったとばかりに彼女たちは新たな人生を歩み始めた。
勇者にはきっと自分がいなくたって良かったのだと……そう思われていたなんて彼はきっと気付きもしないのだろう。何故ならそれを教えてあげるような誰かがいないので。
いっそとっとと告白でもなんでもしておけば、時を戻っても彼女だけは彼の元にやって来たかもしれないのに。
けれどもそれをしなかった。だから彼女は勇者の想いに気付く事なく、他の仲間と同じ扱いであると思い込んでしまった。
まぁ、誰か一人を選んだ時点で他の仲間の失恋が確定し、結果空気が悪くなるような事になるかもしれないと考えたなら、決定的な言葉を言わなかったという勇者の考えもわからないでもないのだが……
だがそうならないよう立ち回る事もできなかった。そして結果はお察しのとおりである。
前回とは異なる仲間たち。
勇者以外にも時を戻った者たちが各地で次を繰り返さないために動いた結果、色々な出来事に変化が生じた。
だからこそ、勇者だけは前回の記憶のほとんどが役に立たず、結果として前回の知識などほとんど使えないがために余裕をかます事もできなかった。
次に負けたら今度こそ完全な死。
そういう思いがあったから、彼は必死だった。
新たな仲間に不満を抱けるはずもなく、むしろ上手くやらねば次も魔王に敗北しかねないのだ。
今までの想い人に少しばかり現を抜かすような僅かな時間ですら、彼は魔王を倒すための努力へと変換し進み続けた。
そして彼は見事にやり遂げたのだ。
だが、だからといってこの世界の時を再び戻して今度こそ彼の望む結末を……というわけにもいかない。
それがどれだけ神の力に負担をかけ、また世界にも負荷がかかるのか。勇者は知るはずもないから簡単に願うのだろう。
この結末を受け入れて、与えられる幸福を享受すればそれなりの人生を生きていけるだろうけれど。
だが彼が選んだ道はやり直しである。
彼女とのやり直しは間違いなく叶わない。けれど、きっとそれを言ったところで彼は素直に受け入れなかっただろう。この空間で勇者と対話し、少しした時点で神は悟ってしまったが故に。
だからそれ以上は何を語るでもなく勇者を元の場所へと戻したのだ。
世界は平和になった。
もしかしたら魔王がいなくなった事で人間たちは今度は同族同士で争いを始めるかもしれないが、それに関しては神がどうにかするべき事ではない。
次に勇者という役割を持つ者が現れるのであれば、人間たちの争いで世界が滅びに向かうような時だ。
それがいつになるかはわからない。
案外すぐかもしれないし、もしかしたら神が思った以上に長い間平和なままかもしれない。
どのみち神にとっては束の間の平穏である。
魔王と戦った今代の勇者とも、もう言葉を交わす事もないだろう。
たとえ勇者の方が神とまた言葉を交わしたいと願ったとしても。
時を戻る秘宝について知りたいと言ったところで、わざわざ詳しく語るつもりはないのだ。
恐らく今後勇者は秘宝を求めて各地を旅する事になるのだろう。
平穏な暮らしを捨てて。
もしかしたら一部の人間からは脅威とみなされるかもしれなくとも、それでも勇者としての活躍がある以上簡単に害そうとする者は現れない。むしろ上手く利用しようと考える者はいるかもしれないが、そういった相手から遠ざかるという意味では旅にでるのは正解かもしれない。
どこか人のいないところで静かに暮らしたい、という願いがあるのならそれでもいいだろう。
だが実際は秘宝を求める旅だ。
恐らくは、見つからないと思っている。
本当に人が足を踏み入れる事ができるような場所じゃないのだ。
険しい山をいくつも越えて海を渡り、世界の最果てと言われるような場所。
最初から場所がわかっているならそこを一直線に目指せば、数十年あればどうにかなるかもしれない。
けれど、そうじゃないのだ。
見つけるよりも勇者の寿命が訪れるのが先かもしれない。
もしそれでも。
奇跡的にたどり着いたとして。
きっとその頃には勇者は年老いているだろうし、その状態で秘宝を使ったとしてもその時点で勇者の命は尽きる。そして並行世界に新たな生命として生まれるのだ。
平和で、危険な事はほとんどないような世界。
辛く苦しい闘いの日々に疲れたかつての勇者たちの新たな避難場所としての役割を持つ、どこまでも平和で優しい世界。
こちらの世界が最初からそうであれば良かったけれど、残念ながらそうはならなかったからこその、箱庭のような世界。
彼がこちらでの今後の暮らしに憂うものがあって、遠くへ行きたい、という願いを口にしたのであればその世界に行く事を勧めるつもりもあった。
だがそうではないうちからその世界の存在を明かしたところで意味がないのだ。
最初からその平和な世界にこの世界の者たちを移住させる、というわけにもいかないし、ましてやその平和な世界に目をつけて侵略しよう、なんて悪しきものが現れる可能性がある以上、おいそれと明かせないのだ。
あちらの世界が穏やかで優しいだけの存在になるまでにも、相当な苦労があったのだから。
こちらの世界も頑張れば向こうのような世界になれるはずだが、それはこの世界の人間たちの頑張り次第である。
だがあちらの世界が平和だからこっちの世界が悪い方に傾いてるんだ、とか言い出す者も現れるかもしれないので。あちらの世界に関しては基本極秘情報だ。
あっちの世界が平和なのは、あっちの世界の者たちの涙ぐましい努力の結果。
こちらの世界とは関係がないのに、関係があると思われて向こうの世界を仮想敵扱いにしていずれ侵略を……なんて思う者が出るのも面倒だし、あの世界を守るためにこの世界が犠牲になっているなんて思われても厄介だ。
だからこそ勇者にはあちらの世界について詳しい情報を漏らさなかった。
一応並行世界ではあるので、勇者の想い人と同じ存在も向こうの世界にはいるけれど。
もし勇者があちらの世界に行けたとして、その時勇者の想い人と同一存在である相手が同年代でいる可能性は微妙なところだし、異性でいるかもわからないのだ。
勇者が向こうの世界に行くタイミング次第では、年齢が離れすぎて向こうは寿命を迎えたところだった、なんて事もあり得るかもしれない。
「まぁ、秘宝を探してやり直して理想の人生を送ろうって方に意識向いてるならこっちの世界の想い人についてはあまり心配しなくていいかもね」
「そうですね。何せ今回は出会いすらしていないから、今から彼女の元を訪れても脈がないと彼も薄々理解はしているのでしょう」
「そうだよね、時を遡ったことを知ってて、相手にも前の記憶があるって勇者はわかってても、面と向かってそんな事は言えないよね。
だって相手がしらばっくれたら勇者は魔王との激戦の果てに精神を摩耗し病んでしまった人扱いにもなりかねないし」
「そうでなくとも、もし自分以外の男性と共に幸せそうに暮らしているのを見て、カッとなって、なんて事になれば世界を救った勇者ご乱心、なんて事になってその後はまぁ、普通に危険人物扱いでしょうね」
「だよね~。そしたら勇者の事をそれとなく疎んでた相手からすればいい機会。だって、時間を戻ったなんて知らない相手からすれば、かつての仲間だとか恋人だなんて言ったところでわかんないもの。普通に勇者の頭がイカレた扱い。魔王もいなくなったなら、そんな危険人物には消えてもらいましょう、なんて事になっちゃうかもしれないもんね」
そこまで言うと、神々は奇しくも同じタイミングで溜息を零していた。
「まぁ、どういう結末が待ち構えているにせよ、彼が選んだ道です。
もしかしたら途中で心変わりでもして、どこかの町で健やかに暮らすかもしれませんし」
「そうだといいけど、今すぐは無理じゃない?
なんだったらちょっと先の未来視てみようか?
……あ、うん。
結果、聞きたい?」
「いえ、貴方のその反応で大体わかりました」
「そっか。じゃあまぁ、言わないでおくよ」
「えぇ、貴方が視た未来も、絶対にそうなるというわけではありませんから」
その未来に行きつく可能性が高いだけ。
だから、まぁ。
勇者が今後幸せになれるかどうかは、彼の心一つである。
蛇足キャラ紹介とその後の話。読み飛ばして大丈夫なやつ。
ルミエラ
婚約者に裏切られたと思って復讐心マシマシだったが婚約者が失踪したので復讐を果たせず浮気相手の女も同様だったので不完全燃焼な気持ちはあるものの新たな婚約者と幸せになってしまった事で過去をいつまでも引きずるのは……と思ってたけど年月が過ぎるごとに最終的にどうでもよくなる。
確かに死んだけどでも今生きてるし、と割り切ってなかったら多分不幸になってた可能性有。
ミゲル
ルミエラやマリナに対して引きずってはいる。なので村を作る事になっても孤児たちを率いてるリーダー的な少女とくっついたりするでもなく、生涯独身。養子とかはいる。
血は残さずとも志しは残せる、という考えで村での教師的な立ち位置にいる。
身内からは不出来な存在とされていたが天才ではなくとも秀才であるため、村では頼りにされている。
できない側の事も考えられるので教師はある意味向いていた。
マリナ
ミゲルへの想いは完全には断ち切れていない。けれども執着にも似た想いを抱き続けるのもよくないと、別の事に目を向けた結果こちらも後輩となる修道女たちの育成に携わり周囲から頼られる存在に。
恋愛が絡まなければ周囲に向ける想いは執着じみたものでもなくさらふわ状態なので人間関係は良好であるようだ。
リサ
サディとはおしどり夫婦と呼ばれる事になる。
生まれた子どもたちも愛情たっぷりで育てられている。
サディの方は年をとってもリサに振り回される事もあるけれど、その表情はまんざらでもないようだ。
アリア
毎日充実してハッピーライフ。
アーネストがちょくちょくやってきてはちょっかいかけてくるけど、以前のアリアではないのでさらっとあしらっている。
アーネストは前の時は巻き戻りの条件を満たしていない(※事故で魔法塔を去る時は巻き戻りのタイミングより以前の話なので)ため、アリアに頼りがいのある男性に思われようとアプローチをしているけれど、その頼りがいのある男性像がアリアにとっては勇者とかぶるのであしらわれているという事実をアーネストは永遠に気付けない。
最終的にアーネストがアリアの足にしがみつきでもしてみっともなく愛を乞えば上手くいく可能性はある。
えっ、あんた私がいないとだめなの? そっか、そっかぁ……じゃぁ、仕方ない、かなぁ……?
なおこの対応はアーネスト限定なので他の男が同じ事をやっても失敗する。
マーサ
こちらも彼女なりに充実した日々を過ごしている。
数年後にサンタムが彼女に告白するかどうかは不明だが現時点でおねショタではない事だけは述べておく。
勇者
果たして彼がどの女性を好きだったかは想像にお任せ。
あからさまに恋愛に現を抜かしちゃうと他の仲間に迷惑がかかると思ったからこそ、彼は彼なりに好きな相手にアピールしつつも他の仲間にも誠実に対応していた……つもりだが、想い人にそれはどうやら伝わっていなかった模様。恋愛偏差値が低かったのが敗因。
自分にとってのハッピーエンドを求めて旅立つが最終的に幸せになれるかどうかは自分次第。
ただ想い人は今の時点で幸せに暮らしているのでその気持ちを消化して新たな人生を歩む方向にいかないと幸せにはなれそうにない。
箱庭世界については彼らが住んでる世界を元に後から神が世界規模を縮小して何かあった時のスペア的な感じで作り始めたもの。小さい世界だから平和になるまでに紆余曲折あっても上手くいったけど、こちらの世界はスケールが違うせいで同じようにしようにも中々上手くいっていない。
家を一から作ると大変だけどドールハウスくらいならまぁどうにかなるのと同じような感じ。




