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僕のパートナー(8)

SFカテゴリーで『光と陰-織りなす夢に形』に、双子の美人をヒロインにして毎日投稿しています。

純文学のエッセイでも思ったことを随時投稿していますが、短編集も書いてみることにしました。

反応が強かった短編を長編にしていこうかなと思っています。これもまた宜しくお願い致します!


幻影(短編集1)も完結済みでアップされています。こちらもチェックお願い致します!

エッセイも始めました!

翌朝、ミサキは添い寝をした状態で天井を眺めていた。

『そうなるように生まれてきたとは言っても・・・勝手だよな。僕らにだって自分の意思ってものがあるんだ。

こんな戦闘に明け暮れる人生でいいのか!?』と悶々と悩んでいた。


すると子供の頃の記憶が蘇ってきた。

『そうだ、僕は寄宿学校で冒険者になるとか言ってたんだった。まあ、その頃から操縦に関する仕事に就くんだとは言われていたんだけど・・・全く軍人になるとは思ってもいなかった・・・

その頃を思い浮かべてみると、荒廃した世界を旅する自分が浮かんできたのだった。

そしてその1コマにエリーも足して動画にしてみると何故かアドレナリンが迸る感覚があった。

これから帰国するわけだけど、ここはヨーロッパだ。このままエリーと一緒に逃げて冒険者になるっていうのはどうだろうか? 果たして可能だろうか?』


時間になりエリーも起きた。そして、ミサキの顔を覗き込んでいる。

「ミサキ様、何かお考え事でもございますか?」

「あっ、そうか、メイドモードのままだったね。エリー、ノーマルモード!」

「そうなんだよ、このままずっと戦争をやってていいのか?と思っていたんだ・・・」

「エリー!僕と一緒にここから逃げて冒険者にならないか??」

「・・・・・・」


「今、僕らはモスクワにいるから、まだ可能性はあると思うんだけど、帰国すると2度と国外に出ることは出来なくなるよ。」と真剣な表情で言った。

「ミサキ、かなり悩んでいるんですね。」とエリーが手を握って言った。

人間の心の葛藤はアンドロイドでもヘルスチェックで察しがつくのだ。


「真剣に考えるのであれば、1つ提案があります。」

「真剣だよ! 僕は君と一緒に楽しい人生を送りたいんだ! 今回この戦いで死んだ敵兵を見て

人生は一回しかないんだと実感したんだ。 提案って?」

「私、スロバキアという国を聞いたことがあります。中世ヨーロッパ風の小国で王政を敷いている国です。

そこには大規模な冒険者ギルドもあって、グスタフ王が世界中から冒険者を募集しているとか。」


「そのスロバキアってここから近いのかな?」

「モスクワから南下してウクライナを抜けて行けば、お隣がスロバキアになります。

スピーダーがあれば1日で行けるかと思います。」

「スピーダーはこのどさくさに紛れて連合軍のものをなんとか調達できると思うよ。

今は6時を過ぎたところだね。9時に招集がかかるからその前に動けば間に合うかも!?」

「確かに、この機会を逃すと、9時の湯沢行きスーパーソニックジェット乗ってしまうと2度とチャンスはなくなりますね。私はミサキのパートナーですから、あなたがやりたいことをサポートするつもりですよ!」


「ほんと?? 一緒に来てくれるの??」

「当たり前ですよ!じゃ、早速準備しましょうか?」

2人は急いで荷物をまとめたが、大荷物に見えないように必要最小限の物だけに絞ってリュックにコンパクトにまとめることにした。

そして、保険を掛けて荷物が残っている状況で、拐われたとも思わせる状況を作り上げたのだった。


2人は宿舎になっているホテルを密かに抜け出し、広場にある連合のスピーダーを物色し始めた。

やはり、戦勝ムードで浮かれている状況下なので、予想通りロックされていない機体を見つけることができた。

「エリー、ここで逃げると脱走兵扱いにされるから、2度と日本には戻れなくなるけどいい?」

「私はミサキと一緒ならどこへでも行きますよ! 楽しいですから!」と言ってくれたのだった。


「わかった。この決断を後悔しないように、まずはスロバキア目指してかっ飛ばして行くぞ!!」

といい、ミサキはスピーダーのエンジンをオンして、ナビにスロバキアをインプットした。

「ここだね! なるほどルートはわかった。200キロ上空をマックススピードで行けば見つからないかな?」

「そう願います。味方の無線は私が傍受できますから不穏な動きがあればお知らせします。」


2人は一目につかないようにまずはゆっくりと地上を転がし、街の中心部を抜けたところで飛び上がった。

そして、一目散に逃げるが如く、200mの高度まで急浮上しマックススピードで南西の方角に消えていったのだった。


予想通り、追っ手が来るどころか、気づきもされなった様子であり早くもウクライナの平原が見えてきた。

「エリー、問題ない?」

「今のところ大丈夫です。」

「なんか、2人だけの大冒険が始まると思うとドキドキしてワクワクしてきたよ!」

「私もですよ! あと少しでスロバキアの手前にウクライナから跨るカルパチア山脈が見えてきますよ。それが見えたらほぼゴールです。」


そして遂に追っ手は来なかった。

2人は無事スロバキア国境に入り、国土の東ハジに位置する首都ポジョニを目指した。

空から見ると首都ポジョニはまるで自然の要塞のような姿を見せている。

ドナウ川を通過するとほぼ首都圏内に入るようだ。


低空飛行に入り、郊外からバイクのような体制で城門に近づいていくと、

城門前に駐機場があった。

「ここで停めよう!」

「やったね!!亡命成功だよ!!」と言って2人は抱きついた。

「やりましたね!全然問題ありませんでしたね!これで私たちは脱走兵ですよ!」

と喜んでいる。

まずは再度使用することもあろうかと思い追跡装置は外した。


すると、エリーが、

「ミサキ、この後すぐに冒険者ギルドに登録に行きましょう!登録証が身分証がわりになりますので。」と進言した。

「わかった、場所はどこだろう?」といいながらスピーダーのナビで確認すると、

ここからすぐの位置にあるようだ。

2人はリュックを背負って街のマーケットが賑やかに並ぶ方向に歩き出した。


「なるほど、こうやって見ると冒険者らしき人たちがたくさんいるようだね。」

「そうですね、アーマーをつけた人が多く見受けられますね。

ここのマーケットには見たこともないものがあって面白そうですね。」

とエリーが言った瞬間、ミサキがお金というものを持っていないことに気がついたのだった。

何故なら、日本では貨幣を使わずに、ポイントで物を買える社会であったからだ。


「エリー、僕らやばいかも!お金ないんだわ・・・」

「そうですね、お金が必要な国みたいですね。じゃ、私たちのものを何か売りましょう!

まず、質屋を探してみましょうか?!」


しばらく、このヨーロッパ中世風のお菓子の家々が並ぶような可愛い街を散策していると

質屋らしき店を発見した。


「このお店がそうみたいですね!?」







ポジョニの街は本編に詳しく描写されていますので、是非チェックしてみてくださいね!

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