僕のパートナー(3)
SFカテゴリーで『光と陰-織りなす夢に形』に、双子の美人をヒロインにして毎日投稿しています。
純文学のエッセイでも思ったことを随時投稿していますが、短編集も書いてみることにしました。
反応が強かった短編を長編にしていこうかなと思っています。これもまた宜しくお願い致します!
幻影(短編集1)も完結済みでアップされています。こちらもチェックお願い致します!
エッセイも始めました!
訓練期間が終了し、ミサキ達の配属が決まった。
ジェットファイターとしては定評がある小嶋進の部隊所属となった。
部隊といっても3人構成のユニットなので、あともう1人があてがわれることになる。
そしてもう1人はミサキ達と同期入職の原裕二であった。
「ミサキ? 俺ユウジ!ヨロシクな!」とパートナーを連れ立って現れたのだ。
茶髪のギャルのような女性アンドロイドだった。まるでY2K時代のGALそのもののルックスで
中肉中背身でやはり165cmぐらいに見えた。
「彼女は俺のパートナーのナオミ、ヨロシク!」
「おっ、君がユウジか?僕はミサキ。よろしく。こちらが僕のパートナーのエリー。」
エリーも「ユウジ様、よろしくお願い致します。」と答えていた。
「ははー お前、パツキン好きなんだな!」
「君はGAL好きだろ!」
と言って2人は笑った。
ミサキとしては、自分と系統が全く違う相手ではあるが波長は合いそうだと直感で感じた。
「しかし、俺たちの小嶋隊長ってどんな感じなんだい?」
「聞くところによると、厳しいけど思いやりがあるとは言ってたぜ。」
そして、時間となり小嶋隊長が現れた。
「よう、諸君!俺が小嶋だ。宜しくな! 隣が俺のパートナーのベリンダだ。」
ユウジは170cm強であったが、小嶋隊長は筋骨隆々の180cm越えの大男だった。
彼の隣に立つベリンダもまるでラティーナのような褐色の筋肉質な女性で身長は175cmはあるように見えた。
『しかし・・・隊長カップルは2人とも大柄で見るからに強そうだな。ユウジ達も品がないまるで昔のヤンキーのようなところが逆に強そうに見えるし、僕らが一番ひ弱に見えるかも・・・』と思った。
「実は、ユーラシア帝国で不穏な動きがあるとの報告があった。今日から俺たちは実践を兼ねてスピーダーで国境パトロールに出る。領空侵犯してくる飛行物体がいたら、まずはレーザー照射で威嚇してから俺の指示に従え!場合によっては攻撃することもあるぞ。だから、お前ら!臨戦体勢で望むように!わかったな!」
「はい!!」
スピーダーは高度5kmで飛行、それに対していわゆる飛行機は空気抵抗を受けない10km前後で飛行する。
よって彼らが遭遇する敵機は敵スピーダーか船舶になるのだ。
しかしながら、この世界では飛行機とは一般的に爆撃機を指し、
スピーダーがコストがかからないガンファイターとしてメジャーとなっている。
ジュリア達の重武装の目立つ兵器に比べるとスピーダーはこの時代では一般的な兵器のため
話題にも上らないのではあるが、国境付近では彼らの攻防が日々繰り広がられているのでる。
自衛隊のスピーダーとは、エリーが説明したように、大きめのエアロバイク型の2名乗車のガンファイターである。装甲がないため、ライダーはジュリア達のようなバトルアーマーを着用する。そして前席のライダーが操縦士、少し高い位置にある後席のライダーがガンファイトを行う設定なのだ。
「エリー、ファイティングモードね!大丈夫?」
「大丈夫です。私にお任せください。」
エリーは前席で操縦ハンドルを握るミサキの後席に座り、
まるでミサキをガードしながら見守っているようであった。
早速総員フルアームドでスピーダーに跨り小嶋隊長の指示を待っている。
「これから、ユーラシア帝国との国境の手前にある竹島まで飛んでいく。それまでこの機体の調整と
操縦を慣らしておいてくれ!じゃ前ら、準備はいいか?行くぞー!!」と飛び立っていった。
現在5km上空を時速200kmで飛行中である。
いわゆるスーパーカーと言われたスポーツカーと同様な速さではあるが、空気抵抗を直接体が受けるため
シートベルトはあるものの、その空気の流れに抗いしがみつくといった体制であった。
しかしながらアンドロイド達はもちろん、小嶋隊長も筋肉質のため余裕の体制である。
小嶋部隊は低い位置に立ち込めた雲を突っ切りながら竹島に向かっている。
『初めて雲の中を通るけど、結構幻想的なんだなー ここから見える地上の風景もスピードの割には
ゆっくりと動いているし地球のサイズからすると時速200キロなんてちっぽけなものなんだな』と体験していた。
小嶋隊長の指示がメルメットに内蔵されている無線から聞こえてきた。
「そろそろ竹島に着くぞ!自衛隊駐屯基地があるからポートに垂直に着陸するからな。」
上空から竹島が見えてきた。
男島・女島の2つの大小のほんの小さい島があるが、尖った地形で平地というものが確認できない。
『一体どこに着陸するんだ??』
そして近づいてきたところで船舶用のドックが確認できた。
『あっ、なるほど、あのドックに繋がった土地が平らだな。あそこがポートだな!』
初飛行であったが、全員問題なくポートに着陸できた。
すると、当直の隊員が併設されている小屋から姿を現した。
「小嶋少佐、お疲れ様です!ようこそ竹島へ!」
「あっ、ご苦労!何か敵に動きはあるか?」
「はい、数日前から敵のアンドロイド部隊のスピーダーが侵犯してきています。
このまま、放っておくと、奴らは本土にまで行く勢いがあります。この基地の武器は
対航空機用レーザーキャノンのみなので、発射すると敵に感知され国際問題になってしまいます。
あくまでも我が国は防衛のみということになっているので、先制攻撃を仕掛けたとか・・・」
「そうだな。わかった。では、俺たちが威嚇して立ち去らないようであれば撃墜してみるよ。
スピーダー同士であれば、事故に見せかけることができるだろう!」
「そうですね。でも、くれぐれもご注意ください!」
「じゃ、お前ら、ということで、早速領海パトロールに出るぞ!」