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8話、いざ脱出!

8話です

ネリーと2人で警戒しながら脱出を目指していた。



途中で何人か見張りを見つけたが、全てネリーが一撃で気絶させていた。


つ、強すぎるこの子、僕が気づく前に声をかけてきてすぐに制圧して帰ってくる。



いや、本当に一緒に逃げて正解だった。



取り敢えず僕達は階段を見つけて上に上がってきた。


僕達が閉じ込められていた下の階は僕とネリー以外が捕まっていなかったがここの階は誰か居るだろうか。


牢屋の中を見ると毛むくじゃらの生き物が入っている。

何だ?顔がよく見えないな。

うん?上に名前が出てる【ソメイユエイプ】



「ここは人間だけではなく、魔物まで捕まえているようですわね。」



「そう言えばネリー、この世界では奴隷は違法なことなの?」



「それは、国によって違いますわね。

奴隷はそもそも基本的に犯罪を犯した者がなりますので。

中には非合法的なやり方で奴隷を集める所もありますけど。」



そうなのか、この世界では完全な違法ではないのか。


「ちなみに僕達捕まってるけど犯罪者になるのかな?」


「ミツキさんは、何か罪を犯したのですか?」


「そんなわけ無いよ、冒険者になるために、臨時のパーティーでオークを狩りに来たら、知らない奴に襲われて。仲間が1人殺されてしまって。

その後どうなったかは僕も分からないんだ。」


「そうでしたの、それは大変でしたね。」


「そういうネリーはどうして捕まっていたの。」


「私ですか?私は吸血鬼だからですよ。

異端種審問にかけられまして、それで奴隷落ちが決まりましたの。」



「異端種?」



「異端種とはこの世界で、敵とされている種族のことです。


まぁ、代表的なのは魔族、吸血鬼、悪魔とかでしょうか、それに近いものが異端種とされているようですね。」



なるほどなぁ、この世界にも色々と複雑な事情がありそうだな。


やっぱりこの世界の常識は知らないと不味いな。



「それにしてもミツキさんは、どうして当たり前の事ばかり聞いてきますの?」



あー、やっぱりそう思うよね。

転生者とか言っても通じるものなのかな?

記憶喪失ってのも・・どうしよう正直に話すものか。

魔神なんだよねって言うのも、たぶんやめた方がいいよね。

いや、でも秘密にするのも何か、うーん。


「いえ、やっぱりいいですわ。

ミツキさんは話したくなったら話して下さい。」


「いいの?」


「えぇ、さっきの表情を見れば分かりますわ。

きっと何か事情があるってことも。」


「ありがとうネリー。

今はまだ教えられないけど、いずれきっと話す日が来るから。

でも、僕ちょっと世間に疎いから色々教えてねネリー。」


「はい、任せてください。」


そう笑顔で答えてくれるネリーには申し訳なかったが、今はまだ僕が魔神だと言うことは秘密にしておこう。


「それじゃぁ、こんな場所さっさと出よう。」


「そうですわね。」


再び僕とネリーは歩きだした。

ネリーの案内のもと、次に上に上がる階段を見つけて進み大きな扉を開けると広い場所に出た。


1フロア丸ごと使われた、走り回っても余裕がありそうな部屋。



「何だろう、この場所。」


「奴隷の性能をテストするとこでしょうか?」


ネリーと警戒しながら奥に見える扉の方に向かって歩くと。


「やっと現れたか、ワシの倉庫の1つを荒らしおって。」


扉の近くに小太りで無駄に偉そうな髭を蓄えたオッサンとその横に僕達を襲った兄貴と呼ばれていた男とその細身の部下がいた。

さらに僕達と同じ服装の白い仮面を被った体格が女性の知らない奴がいた。



「あ、アイツは僕達襲った奴だ。」


「どちらがですか?」


「小太りのオッサンの横にいる2人組の方」


「あぁ、あちらですか。」


僕とネリーが会話していると。


「だ、誰が小太りのオッサンだと!!ふざけるなぁ、ワシはこの商会のボスのアーノルド様だぞ。」



僕達の会話が聞こえていたのか滅茶苦茶怒りだした。


「貴様何をしているか分かっているのか!!

ワシの一番の商品を檻から出しおって、それにいくらかかったのか分かっているのか。

貴様ただですむと思っていないだろうな!!」



人の事を商品呼ばわりか、ヘドが出るな。

僕達のすんでいた場所には奴隷がいなかった。

だから余計に、人の事を商品を呼ばわりする事に腹が立った。



「ふざけるな!僕達はお前の商品になった覚えはない。」


「ふん、お前のような威勢のいい奴は躾がいがあるわい。

その威勢いつまで持つか楽しみだ。

コイツで試してみるか行け。」


アーノルドが指示した瞬間、横に控えていた白い仮面の女が走りだした。

標的は僕なのか一直線に進み鋭い拳を繰り出してきた。


鋭いは鋭いがフェンリルから受けた攻撃とは違い、なんとか目で追うことができる。

その拳を避けて、後ろに下がり一定の距離を取る。


横で構えていた、ネリーには目を向けず、そのまま再び僕の方に向かってきた。

何で僕だけ狙うんだよ!!弱いからか!!


「ミツキさん!!」


「大丈夫なんとかする!」


ネリーを心配させないように強がってみたが、さてどうするか。

相手の拳の猛攻をかろうじて避けながら反撃を伺っていた。


今だと思い、拳を掴み見よう見まねの背負い投げをしてみる。

だが、相手は片手で地面に手を付き前転をし、綺麗に着地していた。

まったくダメージを与えられてない。


いきなり手を付きだし、炎の槍が魔方陣から飛び出した。

いきなり飛び出してきた炎の槍を防為に、氷の壁を目の前に作りあげたが、氷の壁は脆く防ぐことを出来ず。

壊れた衝撃と共に僕は後ろに倒れてしまった。


背中を打った衝撃が痛かったが慌てて立ち上がろうとしたがいつの間にか僕の目の前にいた仮面の女に足を踏み下ろされた。


「グァッ!!」


「大丈夫ですかミツキさん。」


ネリーの心配する声に答える余裕もない

お腹が痛すぎてほぼ反射のレベルで手で足を掴み持ち上げようとするがびくともしない。


ただ痛みが増すばかり。

だめだ勝てるわけ無いんだ、今まで喧嘩だってまともにやったこと無い僕がいきなりこんな世界に来て戦えるわけ無いんだ。


嫌だこんな世界、逃げたい、帰りだい、こんな目にあってるのも全部あのくそ神のせいだ。


ふざけんなぁ!!!


僕は再び足を掴む手に力を込めて引っ張り、寝返りを打つ要領で相手を転ばせた。

そのまま何回か横に転がり、すぐに立ち上がろうとしたが四つん這いの状態で両腕が震えていて力が入らない。


くそ、何で立ち上がれないんだよ。


仮面の女はゆっくりと近づいてくる。

くそ、何で立てないんだよ、びびってんのか。


僕がそんな事をしている間に、横に来ていた。

そのまま蹴りを僕のお腹に放つ。

ボールのように転がった僕はあまりの痛さに悶え苦しむことしか出来ない。

痛い、お腹に激痛走り吐き気が止まらない。


僕の首を持ち上げそのまま、者のよう上に投げられた。

空中で微かに見えた時に、炎の槍を僕に向けて放とうとしている。

駄目だ、空中じゃ避けることも出来ない。


「やめろ!!それは大事な商品だぞ。」


アーノルドの声が聞こえたが、無慈悲にも放たれた炎の槍が迫るのを待つしか出来ない。


背中に今まで感じたことのない、激痛が走り僕はそのままうつ伏せのまま地面に倒れ落ちた。


霞むような意識のなか、僕はもう死ぬのかとただそれだけを思いながら、瞳を閉じた。

感想又は誤字脱字とうありましたら教えていただいたら幸いです。

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