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6話、最悪の目覚め。

6話です

「どわぁぁぁ!!!」


叫び声と共に荒い呼吸をしながら、目が覚めた。

ゆっくりと呼吸を整えた。

はぁ、最悪の目覚めだ、それにここは何処だ。


冷たい石床に、両手が塞がれた木製の手枷に、鎖の付いた足枷、更に首輪までつけられてる。

目の前に見えるのは鉄格子ということはここは牢屋のようなとこか。

それほど広くもないだいたい4畳くらいだろうか。


てちょっと待て、僕の服装が白のワンピースからまさかのぼろ布の服1枚にグレードダウンしてるんだけど!!

あそこからさらに落とされることある!

しかもちょっと臭!!最悪だ。

てか、右腕に付けていた、アイテムボックスの金の腕輪は無くなっては無いか。



それにしてもあのあとどうなったんだみんなは無事だったのだろうか。

いや、そんな心配している場合じゃない、取り敢えずここから抜け出して逃げないと。

僕もこのままだと、どんな目にあうか分からない。

まずは自分の事を優先しないと。

それにナクルも捕まえると言っていたから一応ナクルを探しにもいかなければ。


手枷は木製か、力を込めたら割れないかな。

僕は踏ん張って手枷を開くように曲げてみた。

するとミシミシと音が響き始めた。

いけるかもしれないと思い、いったん力を抜いて再び力を込めてみた。


ミシミシ・・・バキンと大きな音を立てて手枷が縦に割れた。


「おい!なんの音だ!!」


見張りが音を聞き付けたのか、慌ててこっちに走って来るのが聞こえてきた。

「やっべ!!」僕は慌てて縦に割れた手枷をくっつけて寝たふりをした。


「おかしなこの辺りで音が聞こえてきたはずなんだけどな。うーん、一応中も調べておくか」


牢屋の鍵を開けて中にはいってきた。

これは出ていく時に後ろから奇襲をかければ鍵を奪えるのでは。

僕は奴が後ろを向くまで寝たふりを続けることにした。


「おい、起きてるのか、おい。」


長めの棒で僕の顔をつついてくる。

痛いな地味に、やめろや。

今飛び付いてやろうか、まったく。


「寝てんのか?それにしてもこんなガキ、どっかの物好きの貴族に買われてひどい目に合うんだろうな、可愛そうに。」


そう言って後ろを振り返り帰ろうとした瞬間に僕は背中に飛びかかり後頭部全力で殴り付けた。


『ガン』と音をたててそのまま前に倒れ込んだ。

見張りを起きてこないか足でつついて確認したが。

大丈夫そうだな?そう確信してからコイツの手から落ちた鍵を拾い、壊れた手枷はさっさと外して、足枷の鍵穴にこれじゃない、これでもないと合わせて。

最後に残った鍵でやっと空いた。


やっと自由になった四肢で伸びをして体をほぐした。

それにしてもこの変な首輪は何なんだろう?

うーん、考えられるとしたら魔法が使えなくなるとか、僕の位置が分かるとかかな?取り敢えず魔法使ってみるか。


「えぃ!」いつもより小さい氷の氷柱が出てきた。

あれ、いつもより小さい、でも魔法が使えてる。

うーん、魔法が使えなくなるはずだけど、使えてるのか?それともなんか別の意味なのか?


まぁ、分かんないや、無理やり力任せに外すにしてもり

これ系統の奴ってなんか無理に外そうとしたら爆発とかするかもしれないよね。

うーん、怖いから仕方ないし鍵を探した方が安全か。

さっさとここから脱出しよう。

僕は牢屋を出て走り出した。


おっと、牢屋に入っている見張りの事忘れてた。

僕は持っていた鍵で扉を閉めてから鍵はもう要らないのでその辺りに投げだ。


「しっかり反省するんだぞ!」


そう言ってから僕は再び走り出した。




今月の儲けは金貨1000枚。

まあまあか、最近は目玉の商品が無かったが次のオークションは違う、次のオークションはあの吸血鬼の娘が並ぶ。


まさかあんな辺境の地に吸血鬼が住んでいたとは、異端種裁判で奴隷落ちした娘をまさかこのワシの商会で扱えるとは。

ワシとて吸血鬼を見たのは今まで生きてきて2回だけだ、それほどまでに奴らは数が少ない。

あれは素晴らしい物だ、女であれば容姿は一級品を越える上に、体は白く絹のように美しい、見るものを惹き付け狂わせる。

それに奴隷印を付ければ逆らうことも不可能。


あれは素晴らしい金になる、楽しみだ実に楽しみだ。

次のオークションに笑いが止まらん。

すると目の前の扉が開き、雇っている護衛の男が入ってきた。

傭兵崩れの盗賊でコイツはなかなか優秀な奴で名はグラントだったか。


「旦那ちょっといいですかい。」


「入る前に扉をノックしろと言っているだろ。まったく。まぁいい、何のようだ。」


「実はリーンの森に冒険者がおりまして。」


「お前まさかまた、冒険者に手を出したのか。

ふざけるな!冒険者ギルドと揉めるとめんどくさいんだぞ!!」


コイツの欠点は快楽殺人者なとこだ、傭兵時代の殺しあいがいまだに忘れられないらしく。

冒険者にちょっかいをかける癖がなおらん。


「まあまあ、証拠は残していませんよ。

それより聞いてくださいよ。

その中に魔法を使える獣人の女がいまして。」


「魔法の使える獣人だと。」


コイツはワシの言いつけ通り、女はちゃんと連れてくるからまだ利用価値があるものの。

それにしても獣人で魔法が使える者は珍しい。希少価値はなかなか高い。

冒険者であってもうまく行方不明扱いにして奴隷に出せれば300、いや容姿によっては600は固いか。


「ソイツを調べたんですけど、ギルドカードを持っていなかったんですよ。」


「なんだと!」


「もう1人の冒険者の女はギルドカード持っていましたけどどうしますか?」


これは嬉しい誤算だ、今回の奴隷の目玉はその二つで決まりだ。

ギルドカードを持っていないところを見るに歳も12かそれ以下の子供の可能性もある。

これは物好きな貴族にうけがいいな。

もう1人の方は面倒くさいがどうするか・・・。

あぁ、いいこと思い付いたぞ。

あの方より、新しい新薬と甲魔寄生虫を頂いていたなぁ。


「あっ!兄貴大変です!!」


いきなり扉が開かれ、グラントの部下が勝手に部屋に入ってきた。


「おい、バカやろう勝手にこの部屋に入るな。」


「す、すいません、ですが牢に入れていた獣人のガキが逃げ出しまして。」


「何?魔法が使えないように首輪もしたんだぞ。」


「はい、そうなんですが、なかなか見張りが帰ってこなかったらしく、探しに行ったら逆に牢屋の中に閉じ込められていまして。」


「チィッ、ガキでも獣人なんだぞ腑抜けた事しやがって。

まぁいい俺が捕まえに行く。」


グラントが急いで戻ろうとしたところをワシはひとまず止めた。


「少し待て、捕まえた獣人は何処に入れた?」


「一応旦那が喜ぶと思ったんで、地下3階に閉じ込めてありますが。」


地下3階か、それならすぐには脱出は出来まい。

だが、あそこにはワシが手に入れた吸血鬼がいる界層、扉は簡単には開かないよう厳重にしてはあるが、万が一あれを外に逃がされたら損失は計り知れないな。

ならば魔法を使う獣人とやらを1度ワシが見定めに行くか。


「女の冒険者は何処に入れた。」


「あれはもしいらないと言われたら面倒なんで地下一階の手前の牢屋に入れてありますが。」


よしならちょうどいい、その女冒険者を使って少し試してみるか。


「よし、ならばワシを行くぞ、どうせ地下一階から地上に出るためには、広い廊下を通らんと無理だ。

そこで待っておれば向こうからやってくるであろう。

それよりも先に女冒険者を連れてこい試したいことがある。」


ワシはこ奴らを引き連れ、街の商会から山辺に作った商品倉庫に向かった。

感想、誤字脱字などありましたら教えていただけたら幸いです。

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