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5話、貴方は?

5話です

 

「・・なさい。」


何処からか声が聞こえる。

あれ?僕はどうしたんだっけ?確か即席で組んだパーティーでオークを倒しに行って。


「・・・と・・・なさい。」


そして怪しい男2人に手も足もでなくて、そしてその1人に首を締められて。


「さっさと、起きろって言ってんのよ!!」


聞き覚えのある、怒号と共に僕の頭に衝撃が走る。


「いたぁぁぁぁぁい!!!?」


僕はあまりの痛みに跳ね起き辺りを見渡すと。

目の前に、水色の長い髪と同じ色の耳と尻尾のついた可愛い獣人の少女がいた。

それに下ショートパンツに上はピッチリとした服も着ており、かなり動きやすい格好をしていた。


あれ?これって僕と同じ顔?

あれ?それにここはいったい何処なんだろう首をかしげていると。


「やっと起きたわね。」


「貴方は、もしかしてフェンリルさん。」


「えぇ、そうよ私がフェンリル、で?あんたいったい何者なのよ?私の体に勝手に入ってきたあげく、好き勝手動かして。」


「あ、え?いえこれはどちらかと言うと僕のせいじゃなくて、神様が勝手にやったことで。」


「まぁいいわ、あんたに一つ言いたいことがあるわ。」


ビシッと僕の目の前に指を指してきた。

人に指差すのは良くないんだけど。


「あんた弱すぎ。」


いや、そんなこと言われましても、前世では戦いなんて無縁だし、魔法の使い方も知らないし当然でしょ。

何処かの戦闘民族じゃあるまいし。


「いや、そんなこと言われても。」


「私が目が覚めてから、見ていたけど。

何あの動き、信じらんないんだけど!獣人の肉体がまるで活きてない、魔力は全く扱えてないし、それにあの魔法バカにしてんの!!あんなのじゃ虫も殺せない!それにあんなクソ弱そうな人間ごときに負けるなんて信じられない。

あんたが負けて死ぬのは勝手だけど、よりによって私の体で負けるなんて!!」


おぉ、フェンリルさんが信じられないといった様子で僕の事を罵ってくる。

否定的な言葉が出るわ出るわ、そこまで言わなくても良くない?


「そんなこと言われても。」


その瞬間僕の顔の横にフェンリルの鋭い拳が放たれた。

は、速い全く見えなかった、今まではどんな攻撃も目で追うことが出来たのに、今の鋭い突きはまったく分からなかった。

気づいたときにはすでに僕の顔の横に拳があった。


「うわぁ!!」情けない言葉と共に尻餅もついてその場に倒れた。


「まったく反応すら出来ていない。

論外ね、私の体に何であんたみたいなのが入ってきたのよ。」


「い、いきなり何するんだよ!!」


「私ね、あんたをここで殺してやろうとも考えたのよ。

でもね、そんなことをしても私に体が帰ってくる保証も無い。

それにあんたをやったところで意味も無さそうな気もするし、どうしようかしらね。」


フェンリルが、口に手を当てながら何かを考えていた。

こいつあまりにも物騒すぎる、いきなり現れて殺す?やばすぎるだろこいつ。


「決めた、あんたをここで鍛えるわ。

私はまだ、眠りが浅いから肉体の覚醒までもっていけないはずなのよ。

その間、私を殺した奴が好き勝手暴れているのを知らんぷりなんてするつもりもない。

あんたを極限まで鍛えて、アイツを倒す。」


フェンリルが、勝手な事を言い出し始めたので僕も慌てて否定した。


「嫌だ!僕は平和に暮らしたいんだ。」


「どんな理由があれあんたが私の体に入ってきた時点で、あんたに選択肢はないわ。

それに私が生きていることはいずれ絶対にばれる。

だからあんたは死ぬ気で強くなるしかない。」


「そんな、僕は強くもないし。」


「何言ってるの?あんたは今私の体なのよ、神が作り出した最高の体なの。

今あんたは戦いかたを知らない雑魚に過ぎないけど、そんなの私が嫌でも鍛えるわ。」


「でも。」


「うるさいわね、さっさと立ちなさい!私の顔でうじうじされるの見ていて腹立つのよ!」


フェンリルが足てガンと蹴るだけで、床に軽くヒビが入った。

ヒッ!こ、怖すぎるこの幼女!!

あまりの恐ろしさに思わずすぐに立ち上がる。


「てかあんた、いつまで裸でいるつもりなの?」


「え?」


僕はフェンリルから指摘されて自分の体を改めて見ると。

ふ、服着てねぇ、なんで?え?どこ行った僕の服は??

慌ててしゃがんで体を隠した。


「あんた、さっさと服着なさいよ。」


「いや、服どこにあるんですか?」


「ここは私の精神世界だから、服くらい意識すれば着れるでしょ。」


フェンリルに言われて慌ててもともと着ていた。

白いワンピースを着ている姿を意識してみると体が光だし、いつの間にか白いワンピースを着ていた。

あ、着れた良かった良かった、と再び立ち上がった。


「私そんな服もってないんだけど、あんたそういう趣味なの?」


「え?もともとフェンリルさんが着てましたよ?」


「知らないわよそんな服。」


あれ?でも確かに目覚めたときに服着てたんだけどな?


「まぁ、いいわ。私ね今まで弟子を取ったとこが無かったのよ。

ジンの奴は取っていたらしいけど、アイツ弟子の自慢ばかりしてくるからうるさくてね。

ちょうどいいわ、あんたを私が育てて、ジンにマウント取ってやるわ!」


「はぁ、そうなんですね。」


「ちなみに私、加減が分からないから死なないでね。」


物騒な事を言ってきた瞬間フェンリルの輪郭がぶれて消えた。

は?え?どこに行ったあの人?辺りをキョロキョロ見渡すがいない。

分からない、ただ何となく後ろが嫌な予感がして振り返った。

だが何も置きなかった。


「残念前よ。」


フェンリルの声が聞こえ、振り返った瞬間僕の頬にフェンリルの鋭い拳が突き刺さり。

痛みを感じるまもなく僕は目の前が真っ暗になった。


感想、誤字脱字とう見つけましたら教えていただけたら幸いです。

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