4話、近くの森でオーク退治。
4話です
街から30分ほど歩いて付いた森にやって来た。
僕が、最初に出てきた森よりかははるかにましだが、あれは森と言うか未開の地と言うか、ここはまだ、あれほど不気味な感じはない。
とは言え、魔物の出る森警戒を解くことは出来ない。
「よしリーンの森に着いたな。
依頼は森に現れたオークの討伐だ。」
オークか、豚のような顔を持った巨大な魔物だよなあくまでラノベの知識だけど。
イチモツがでかくて、体は緑色をしていてエッチな漫画の定番だがこの世界のオークはどうなのだろうか。
今少女の体になっているだけに、他人事には出来ないのだが。
「今回はオークを5体倒してギルドに報告すればいいんだったわよね。」
「ああ、レン索敵を頼む。」
「わかった、少し待ってくれ《索敵》・・・
見えた、ここから少し遠いが魔物の気配がする、少し歩くぞ。」
「先頭は俺が歩くから、その後ろにレンそして後衛に2人で付いてきてくれ。」
「あぁ。」「わかったわ。」「はい。」3人はカイルの指示を聴きながら歩き出した。
「ミツキさん」と横にいるナクルから話しかけられた。
「初めて冒険だけど私達がいるから心配しないでね。こう見えても1年間は冒険者しているからこの辺りにはそれなりに詳しいの。」
「はい、ありがとうございます。」
やっぱり1人で冒険するよりはこの辺りを知っている冒険者に案内してもらった方が心強い。
そう言えばナクルはどうして冒険者になったのだろう。
気になるな聞いてみるか。
「あの、どうしてナクルさんは冒険者になったんですか。」
「私?私と言うよりは私達はね、幼なじみなの。
3人とも小さな村に住んでいたんだけだけど。
カイルが、俺はSランク冒険者になるんだって小さい時からいっつも言ってて、それにレンも賛同していてさ、レンは落ち着いててしっかり者なんだけど、カイルは前しか見てないというかあのまま村をでて死んじゃっても目覚めが悪いし。
私にも魔法の才能があったから心配で付いてきたの。」
ほうほう、ナクルはカイルがもしかして好きなのか?いや、幼なじみだからと言って決めつけるのはいけないか?だけどこんな危険な職業に付いてくるなんてなかなか出来ないよね?
僕が知らないだけで冒険者って意外とマイナーな職業なのか?
「そう言えば撫でてるときから思っていたんだけど。
ミツキさんは獣人だよね?」
「はい、たぶんそうだと思います。」
「自分の事なのにたぶんて面白いこと言うね。」
ナクルは笑っているが、正直見た目で言うと獣人なんだろうけど、正体は魔神何だよね。
種族どうなってんだろ?
「ミツキさん小さいけどいくつなの?冒険者になろうとしていたと言うことは成人になったばかりの12歳とか?」
この世界では成人年齢は12歳なんだ。
年齢か、正直本当の年齢は知らないんだよね。
まぁ、僕の年齢でいいか。
「16歳です。」
「私達より上なの!!」
「ナクルあまり大声を出すな。」
「あ、ごめんレン。」
「まったく、ここは一応魔物が出るんだぞ、喋るくらいはまだいいが大声は勘弁してくれ。
そうじゃないと。」
レンはいつの間にか持っていた短剣をナクルに向かって投げつけた。
僕はとっさの事に反応出来ずにナクルに迫ってくる短剣を見送ることしか出来なかった。
そのままナクルの顔の横を通りすぎちょうど後ろに迫っていた、蜂のような魔物の胴体を貫き後ろの木に突き刺さった。
「キラービーだ、刺されたら毒がまわるぞ。」
「ごめんなさい、レン助かったわ。」
「警戒は怠らないようにな。」
「何やってんだ、早く進むぞ?」
「あぁ、すぐに向かう。」
「怒られちゃったね、ごめんねミツキさん。」
「いえ、大丈夫です。」
たぶんナクルははじめての冒険だった僕の緊張を解こうとしてくれていたんだと思う。
ナクルがしたことは褒められたことでは無いけど、気配りが出来るやさしい人なんだなと思った。
ナクルと僕は今度は警戒を強めながら再び歩き出し、レンとカイルの後を追った。
しばらく、魔物にも出くわすこと無く歩いていると。
「止まれ。」レンがみんなに静止をかけた。
「そこの奥に4つ気配を感じる、この感じはオークで間違いがないはずだ。」
「よしみんな静かにその辺りの木に隠れろ、オークを目で確認する、もし黒色のオークを見かけたら撤退するぞいいな。
ミツキはナクルのそばを離れるなよ。」
指示にしたがって各自木に体を隠しながら奥を覗くと、4体のオークがいた。
だらしなく太った緑色の体に、体長は2メートルを越えていそうなほどに巨大で、豚の顔を持った想像通りのオークがいた。
1体は槍を持ち、他2体は剣を持っている、どうして装備がバラバラなんだ?
俺が不思議そうにしていると。
「オークは大体は武器を持っていないんだけど冒険者を襲って殺した武器なんかを使うことがあるの。
だから、オークは単純な馬鹿ではあるんだけどアホでないのよ。」
へぇー、そうなんだ。魔物も考えてるんだな。
そう思っているとカイルがいけると判断したのか、こっちに視線を向けてレンに俺とおまえで出るぞと手で指示を送っていた。
「ミツキさん、カイルとレンが先に出るから私達はその援護をするわよ詠唱の準備しておいて。」
「わかりました。」
少し待っているとカイルが木から飛び出し、いきなり出てきたカイルに驚いたオークは対応できずにカイルの大剣を頭からくらい勢い良く血を吹き出しそのまま倒れた。
仲間をやられて激怒した3体のオークの内1体が
持っていた槍をカイルに突き刺そうとした。
危ないと思い魔法を放とうとしたが。
「遅い!」
その声と共に槍を持ったオークの顔の横に飛び上がったレンが両手に持った剣をふるい、首をはね飛ばした。
後ろのオーク2体がレンとカイルに向かう前に
僕も1体のオークを倒す。
《アイスニードル》
氷の氷柱を想像してオークの足元から貫いた。
案山子のように浮かび上がったオークが出来上がってしまった。グロい。
「私も負けてられないわ、炎の槍よ敵を貫け
《ファイヤーランス》」
ナクルの正面から赤い魔方陣が、現れ3本の炎の槍がオークの顔を貫き、顔面を焼いて絶命していった。
「よし、みんな連携はバッチリだな。
ミツキも初めてにしては上出来だぞ。」
「ミツキさんすごいですね、無詠唱であんな巨大な氷の針を出してしまうなんて。」
「あぁ、あれは確かにたいしたものだ、実はどこかで雇われていた魔法使いじゃないのか?」
「いえ、そんなことありません。
田舎から出てきただけです。」
実際は違うんですけどね。
「無詠唱なかなか難しいんだよね、やっぱり練習が、大事なのかな?」
「多分、そうだと思います。」
「そうだよね、はぁ私も頑張らないとこのままだとあっという間にミツキさんにランク追い付かれそう、先輩の威厳が。」
「おーい、オークを魔物袋に居れたから次のオークを探しに行くぞ。」
オークの死体が綺麗に消えていた、あんな小さな魔物袋とやらに収納されているのかと思うと魔法とは本当に不思議な物だなと感心する。
「《索敵》・・・。
うん、近いぞもう少し先にオークの気配がする。」
「よし次のオークを倒したらすぐに帰るぞ、最後まで気を抜かないで行くぞ。」
カイルを先頭に再び次の目標へと向かっていった。
もう一度木の裏に隠れながらオークを確認する。
今度は3体のオークがいた。
2体が素手で1体が巨大な剣を持っていた。
カイルがレンに再び手で合図を送っていた。
多分2人で素手のオークを先に倒してヘイトを取りながら、僕とナクルの魔法で大剣を、持ったオークを倒せと言った感じだろうか。
カイルの合図と共にレンと駆け出し2体のオークを倒していた。
「炎の槍よ敵を貫け《ファイヤランス》」
ナクルの魔法がオークに向かって放たれる。
だが、それに気づいたオークが大剣を盾にして魔法を受けていた。
「く、当たらなかったわ。」
ナクルが悔しがっている間に僕はすぐさ魔法を放った。
ナクルの攻撃を剣で盾にした今なら足元はお留守のはずだ。
「くらえ《アイスニードル》」
オークの足元からいきなり現れた巨大な氷のトゲに反応出来ずにそのまま貫かれ、絶命した。
「おお、良くやったミツキ。」「あぁ。」
「やっぱりミツキさんは強いですね。」
「いや、ナクルさんが気を引いてくれたお陰ですよ。」
「よし、特に大きな危険も無く終われたな、ギルドに帰って報酬の山分けだ。」
カイルがそう言って帰ろうとしたときふと後ろから嫌な気配がして振り返った。
だが、普通の森で異変は何もなかった。
気のせいだったのか?
「どうしたのミツキさん。」
「あ、いや、何でもないです。」
ナクルに声をかけられ視線を戻し、後を追おうとした。
ピュゥン、と風を切る音が横から聞こえて気づいたときにはカイルの頭に矢が刺さっていた。
「いやぁぁぁ!!カイル!!」
ナクルが地面に倒れたカイルに慌てて駆け寄っていた。
矢が飛んできた方を慌てて、振り返ると後ろに2人の男が立っていた。
「くそ!油断していた。」
レンも慌てて武器を構え直し男を警戒する。
今さっきまで、話していたカイルがたった1発で死んだ?え?嘘だろおい?僕に優しくしてくれた人がこんな一瞬で?ダメだ考えすぎたらダメだ。
ここはそういう世界なんだ。
今は目の前の、敵をどうにかしないと。
「1人やりましたぜ兄貴。」
「女は傷つけるなよ、いつも通り男に用はない殺せ。」
「へへ、了解です。」
クロスボウを構えた細身の盗賊のような格好をした奴と、兄貴と呼ばれた身長が大きなムキムキで剣をだらんと持った男がこちらに向かって物騒な事を言っている。
「おまえ達は、何者だ!」
「何者と言われて答えるバカはいねーだろ。
まぁ、今から死ぬ奴は気にすんなや、死んどけ。」
その言葉言い終わった瞬間、兄貴と呼ばれた男がレンの目の前に迫り、剣を振りかざしていた。
レンはとっさに剣で防いでいたが、すぐさま蹴りがレンのお腹にめり込みレンをそのまま蹴飛ばしていた。
「レンさん」僕は蹴られたレンさんの所に駆け寄ろうとした。
「人の心配してる場合じゃねーぞ。」
兄貴と呼ばれた男が俺の僕の目の前に立っていた。
ヒッ!という悲鳴と共にとっさに氷の氷柱を足元から男を貫く為に創生魔法を使った。
「あぶねぇな」そう言いながらとっさに避けて少し距離を取っていた。
「こいつがやっぱり氷の魔法を使ってやがったか。最初はアッチの女の方かと思っていたが。
魔法使いが2人か良い金になりそうだな。」
男はゲスな笑いをしながら再び僕に接近してきた。
僕も慌てて氷の魔法て攻撃するが意図も簡単に避けられ首を捕まれたやすく持ち上げられた。
「顔は、まぁ結構いいな、お前みたいなのが好きな金持ちに受けが良さそうだ。」
「くそ、離せ!!」
バタバタともがき脱出を試みるがコイツの手がびくともしない。
「それじゃぁ寝てろ。」
徐々に首を締められ、あまりの苦しさにコイツの体を蹴り抜け出そうとするが持ち上げられているせいでうまく蹴れない。
ギリギリと閉まる首に言葉にならない声をもらしながら、徐々に意識が途切れていった。
感想、誤字脱字とうありましたら箇所を教えていたいたら幸いです。