1話、異世界転生?
よろしくお願いします
僕の名前は、鏡 一樹普通で平凡な高校2年だいきなりだか僕は人が嫌いだ。
そんなやつがいきなり普通を語るなと?いいだろ別に。
まぁ、とりあえず聞いてくれ別に僕も最初っから嫌いだった訳じゃない。
もしそうだったらよほど暗い人間だろう。
僕は、中学2年生の時に軽い虐めにあっていた、体が細くて小さく、不細工だった僕は、標的としてはちょうど良かったのであろう。
昼休みになればプロレス技をかけてきたり、座っていたらいきなり殴られたり、女子生徒からは影口を言われたりとまあ、上げたらきりがないが。
いじめている側にはそんな事もわからないだろうが。
1番辛かったのは、仲の良かった人達が俺から去っていった事だ。
正直言いたかった、何かしたかよと。
そんな事もあれば人間不振にもなってしまうだろう。
だから高校に入ってからは、人と距離を取るようになった。
人の表情をよみ、どこまで踏み込むか考えて、優しい奴を演じていた。
だから周りからは、優しくていい奴と言われるようになった。
当たり前だ、そう言われるように演じているのだから。
だから友達がいないわけじゃない、そこにいればしゃべってもらえるくらいの薄く浅い友達が出来る。
今もうわべだけの友達と飯を食べて、たわいも無い会話をしていた。
そして昼休みが終わって授業が始まっていつものように放課後を向かえる。
僕は弓道部に入っていた、幽霊部員だがな。
僕は特に部活に行っていたわけでもなく、家に帰ってもする事が無いので適当に近くのゲームセンターで時間を潰しに行った。
そして、帰るために夜の電車に乗るために暗い夜道をトボトボと歩いていた。
ホームには同じ学校のふざけあっている男子グループ、おしゃべりな女子グループ、会社帰りのおっさんから電話をしているOLまで。
僕はそんななか一人で椅子に座って、スマホでMMOのオンラインゲームをしていた。
ちょうど欲しい装備をドロップさせるために何度も何度もボスに挑んでいたが落ちない。
「ドロップ率どうなってんだよ!」と小さくぼやきながらやっていた。
すると向こうから電車のくる音が響いてきた、僕はゲームをやめてホームの端のほうに立った。
「ハー、つまんね」とぼやきながら電車を待っていたら、ふざけあっていた学生の男子グループの1人が突き飛ばされて、おっさんとぶつかりよろけたおったさんの肩が僕の背中に当たった。
は?そんな言葉を言いかけた僕の時間がゆっくりになった。
体が線路へと投げ出される。僕は訳がわからなかった。
ゆっくり迫ってくる電車をただ呆然と眺め、鈍い音が響きわたると同時に僕の意識が無くなった。
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「あれ、ここはどこだ?」
真っ白な世界のなかにうつ伏せの状態で寝転んでいた。
見渡す限り白、壁と天井すらわからない謎の空間にいた。
僕は起き上がって取り敢えず考えた。
確か僕は電車に引かれたはずだよな、おっさんに背中を押されたはず・・・。
と言うことは死んだと考えていいんだよな?
だとしたら案外あっけない死に方したな、しかもかなり迷惑な。
いじめられてた僕にはぴったりってか。
思わず卑屈な言葉が生まれてしまう。
もう何を言っても仕方ないか、いいやどうせ学校も楽しくはなかったし、うわべだけで生きるのも疲れたし。
あ、でもいままで費やしたゲームデータは消えんのかそこはちょっと悔しいが。
「で、ここでいったい。」
「目が覚めましたか、一樹さん。」
後ろから女性の声が聞こえた。
僕は後ろを振り替えって顔を見ると微笑みながらこっちを見ている。
いかにも女神ですよって感じのキトンを着た、長くウェーブのかかった赤髪の女性が立っていた。
見るものを引き付けるとても美しい女性だった。
「どちら様ですか?」
「えーと、私はマリアと申します、貴方たちのの世界で言う、神様みたいな存在です。」
神様か、言われてみればこんな訳分からない場所に、あり得ないくらい美しい女性。
見た目は確かにそんな気がするが、実際のとこ合ったことない存在。
偽物でも本物でも僕にとってはどうでもいいことなんだけど、そんなことよりも何故僕がここにいるのか?死んだら必ずここに一旦来るものだろうか?そんなことを考えていると。
「一樹さんいきなりですけど、あなた転生してみたくないですか?」
「はい?」
「いや、ですから転生していただきたいのです。」
何で?よくわからないけど急すぎませんか?
異世界転生モノ好きだけども、いきなり転生したいかと言われたら、見るのはいいけど、自分でするのはちょっと。
「いえ、大丈夫です。」
「お願いします。」
「いや、だから。」
「お願いします。」
「だから。」
「お願いします。」
あれか?はいといいえがあるけど、はい選ぶまで先に進めない奴だろこれ。
あまりの圧に少しだけ折れる。
「わかりました、する気は無いですけど。
話はとりあえず聞きましょう。」
「ありがとうございます!!」
そう言うとまるで僕がはいと答えたからのように、両手を掴みブンブンと上下に降ってくる。
いや、まだするとは言ってないんですけど・・・。
「私の管理している世界の内の一つなんですけどね。
私が自ら全ての世界を管理するのは到底無理なので、その世界に私の眷属と言いますか、それが七神いるんですけど。
その内の一神がどうやら殺された上に機能停止に追い込まれているようなのですよ。
本来なら私の眷属は死ぬことはありません、必ず倒されたとしても数百年経てばまた生まれてくるはずなのですが。
なんかいつもと違うと言いますか、きな臭いといいますか、私の取り越し苦労なら良いのですが。」
「マリアさんが直接行けば大丈夫なのでは?」
「それはそうなんですけど、神というのもなかなか制約がきつくてですね直接どうこう、といったことも難しく。
私の指示を実行してくれる方を送って調べてもらえたら嬉しいと言いますか、始末書書きたくないと言いますか、さっさともみ消したいと言いますか。これ以上怒られるのは勘弁と言いますか。私だって神なんてやりたくもないのに。」
喋りながら、どんどん顔が暗くなって、本音がポロポロ出てくる。
あれか、神様って優雅そうに見えて意外とブラックなのかな。
なんか徐々に可哀想になってきたんだけど。
これ以上喋らせると何か深淵を覗きそうなのでさっさと自分の質問をぶつけよう。
「あの、マリアさんそれは戦いになる可能性があるというわけですよね、僕に戦えるだけの知識と経験があるようにみえます?」
「そこは大丈夫です、こちらでバッチリとサポートさせていただきます。」
ええ、戦いはあまりしたく無い、どちらかといえば戯れて遊んでいる方が個人的には好きだし、痛いのは嫌でしょ誰でも。
「うーん、行きたくないなぁ。」
「そこをなんとか。」
「でもな。」
「お願いします。」
あまりにも必死にお願いしてくるせいで、すごく断りづらい。
だって神様がきな臭いって予感してるんだよね。
絶対何かあるよね、そこら辺の占いサイトとかの予想ならまだ笑ってられるけど、この人神らしいしな。
とても受けては駄目な気配がビンビンするんだけど。
マリアさんが両手をあわせながら、頭まで下げてくる。
高圧的に来るなら、まだ反発するんだけど、こうも下から来られると断るのも可哀想だし、これって僕が日本人だからなのかな。
だって本来ならあっちのほうが立場的にも上だしな。
「主に何をすれば?」
「特に犯人探しをするとかしなくても大丈夫です。
とりあえず向こうに行ってから好きなように生活してください。」
「え?その機能停止になった眷属とやらを探しに行かなくていいんですか?」
「はい、直接そこに向かわせますので。」
どういう事だ?直接現場に転生させるのか?
もしかして最強にした状態で向こうに送って確認してから、好きに暮らすということか?
そうか、それなら第二の人生としてもありかもしれない。
「わかりましたそこまで頼み込まれたら断るのが申し訳なくなってくるのでその話受けましょう。」
「本当にありがとうございます!!
必要そうな物はあっちに一緒に送っておきますのでよろしくお願いしします。」
そう言うと僕の足元から魔法陣が現れる。
光が徐々に魔法陣から放たれ、あまりの眩しさにあもわず目を瞑る。
あれ、僕まだチート能力とかお約束させてもらってませんけど!!
「あれ?ちょっとマリアさん!!」
「それではよろしくお願いします。
時折私から呼び出す事があるかもしれませんがその時はまたお願いします。」
マリアさんのその言葉を最後に僕の意識が一瞬にして飛んでいった。
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